ジーコジャパンレポート

2006.6.4 マルタ戦

◇親善試合(デュッセルドルフ)
日本1(前半1-0、後半0-0)0マルタ

メンバーは
GK:23 川口
DF:5 宮本
   19 坪井
   → 18 小野(後半0分)
   22 中澤
MF:3 駒野
   14 三都主
   → 6 中田(後半14分)
   7 中田
   10 中村
   15 福西
   → 17 稲本(後半24分)
FW:16 大黒
   → 11 巻(後半24分)
   20 玉田
   → 8 小笠原(後半16分)

日本がW杯前の最後のテストマッチを終えた。初戦のオーストラリア戦まであと8日での一戦。日本はFIFAランク125位の格下のマルタを最後の強化試合の相手に選んだが、1-0の辛勝。快勝して自信を持ってW杯へ臨むもくろみは崩れた。前半2分に三都主の左クロスを玉田が左足で合わせ先制。ここからゴールラッシュといくはずだった。だが流れは途切れた。

ドイツ戦で2得点の高原は右ひざに痛みを訴え欠場。柳沢も右太もも裏に痛みを感じ大事を取って休んだ。代役の大黒が前半15分に中村からの左CKをニアサイドで頭で合わせたがGKで弾かれ、同26分にもミドルシュートを放ったが左のポストに当てるなど決めきれなかった。

後半からは小野を投入し、久々の4-4-2に変更した。攻撃的にという意図はあったが、パスをつなぐものの動きだしが悪く引いてくる相手にスペースを与えてもらえなかった。それでも後半23分に小笠原から大黒にスルーパスが出てチャンスはあったが、決定力不足にないた。後半24分には巻を投入し、4-5-1のワントップという形になった。それでも中盤の選手は足下でボールを受けるばかりで、シンプルにボールがつなげず、巻へ好パスを供給することはできなかった。日本は5日は完全オフ。6日からW杯に向けて最後の調整に入る。

ジーコ監督コメント

「本大会前の最後の調整の試合だったがドイツ戦のような内容と思って臨んだ。だが序盤にすぐに点を取って一方的なゲームになったが徐々に気持ちのゆるみというかミスがかなり出てそうすると相手の勢いもましてしまう。同点にされてもおかしくない形を作られた。点が入ってもいい形が持続しない。どんな相手でも球際の強さを見せて勢いを出さないといけない。今日起こって良かった。浮足だった状態で大会に入ってしまうよりは。この気持ちではW杯には入ってはいけないと教訓になった。6日間ある。このチームを信頼している。勝ち点3をねらう試合には必ずや力を出してくれると信じている」

-中田英寿のようにどんな相手でも全力でやる選手と気を抜いてしまう選手もいる。
「経験とか性格もある。どんなシチュエーションでも練習でも試合でも全力を出せと言っている。真剣という言葉を使うと語弊があるかもしれないが、自分ですべての力を注げるちからは1つの才能だと思う。中田はそれができるから今の中田がある。他の選手も高めて欲しい。自分もそうだがどんなレベルでも真剣にプレーするのは大事なことだ。それでプロの値打ちは決まる。各自の気持ちの持ちようで必ず到達できる。今の部分はまだ(選手間で)差がある。中田の練習を見れば分かるがいつもに練習を終えると課題をかす。どんな種目にも全身全霊をかける。あそこまでいった選手と気持ちの入れ方が違うなと思う」

-後半に4-5-1のシステムを試したが?
「自分のインテンションとしては後ろを4枚にして、中盤を5枚、そのうち1枚を少し下げて、残り4枚でぐるぐる回るようにして、1トップということ。あの時間帯は、玉田と大黒が2トップだったが動きが落ちてきたので、巻を中央で張らせて、周りを他の中盤が飛び出す形だった。今回初めてではなくて、バーレーン戦やコンフェデ杯でもやっている。それを巻を入れることで、2枚のボランチとは違うが3枚というインテンションでやった。

-高原と柳沢について。
「今日、完ぺきな状態でプレーできなかった。ただし状況は良くなっている。柳沢は骨折から復帰したわけだが、フィジカル面でハードなスケジュールを1週間以上組んだため、筋肉に負担が大きかったようで、木曜日の紅白戦で張りを感じるということで無理をさせなかった。大事をとって別メニューにさせたが、開幕には間に合うはずだ。高原についてはボスニア戦以降、なかなかチームに合流できず久しぶりの試合で足を少しひねったというので、別個にトレーニングさせている。この2人に関しては、本番での心配はしていない。ただ加地の場合、先のドイツ戦で7番のシュバインシュタイガーに厳しくやられてしまい、腱の部分が炎症して痛みが残っている。だいぶ稼動域は広がったが、とても今日は出せる状況ではなかった。あと6日間の間で、彼がどれくらい回復できるのか、それが一番の心配だ」

-選手に疲れも見られるようだが?
「精神的にも肉体的にも、こちらとしてはかなり計算してやっている。選手の疲れというのは練習ではない。ただ今日の試合では、前回の試合よりもミスが多かった。そうなると後を追いかけなければいけないし、試合展開にもよるがイライラが募ったり、トライしたことがうまくいかなくてメンタル面で疲れが重なったり、そうすることで自らの首をしめるような形で運動量が増えたりする。それが今日の試合では連続して起こったので、重く見えたと思う。これがつながっていたり、自分たちの動きになっていたら、もっといい動きに見えていたとは思う」

-今日の試合は自信を落としてしまったのではないか
「確かに、ドイツのような優勝候補に挙げられるような伝統国で強豪と戦うにあたっては、とにかく止めて蹴るという、中盤をシンプルにつなぎながら自分たちの良さを出していくということを、90分間持続することができた。ただ今回はマルタのような、格下なので気を抜いてしまう部分があった。実際にピッチに入ったときはそうではなかったのだが、すぐに1点が入って攻め続けても、どうしても無気力な時間帯ができてしまった。本当はシンプルにやるべきところを、派手なプレーをしてしまうことで、やっているサッカーのカラーがまったく変わってしまうことがある。このような、ふわっとしたような時間帯が多くなってしまうと、オーストラリアには踏みつぶされてしまうだろう。そうならないように、今日の試合から大いに学ぶべきことがあったのは幸いだったと思う」

-本番までの準備で大事なことは?
「ピッチ上で起こり得ることとして、ドイツ戦ではあれだけのパフォーマンスをしながら、サイドからのFKで失点してしまった。マルタも、こちらの陣地でファウルを誘うことを狙っていたし、ワールドカップで対戦するチームもきっと狙ってくると思う。あそこでファウルをするな、ということはこれまで何度も言ってきたことだが、それを確実に、自分の首を絞めるようなことのないように(してもらいたい)。今日も何回かあったが、相手が背を向けてプレーしていても、ついそこで強く行ってしまう。前に立って、相手にバックパスさせればそれで済む話なのに、行ってしまうことで長いボールを入れられてしまう。そこで放り込まれたらおしまいかというと、そうしたハイボールをある程度は防いでいると思うが、まずは(自陣で)不必要なファウルをしないということ。自分が今、どこでどんなプレーをしているのかを認識せず、相手のエンドでも自陣でも、同じようなプレーをしていたらダメだということ。それをしっかり把握しながら、相手の長所を消すということを、この6日間でしっかりやっていきたい」

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