ジーコジャパンレポート

2006.5.13 スコットランド戦

◇キリン杯最終戦(埼玉スタジアム)
日本(勝ち点1) 0ー0 スコットランド(勝ち点4)

日本のメンバーは
GK川口、DF加地、宮本、中沢(後半5分坪井)、三都主MF福西、小野、遠藤(後半28分佐藤)、小笠原、FW久保(後半17分巻)、玉田

日本での最終戦でジーコジャパンは勝ちきれずに終わった。キリン杯第2戦でスコットランドと対戦した日本は5バック気味で引いてくる相手から得点を奪おうと必死の攻撃を見せた。前半に効果的だったのは中盤からのミドルシュートだった。前半24分には加地が右サイドから中央に切れ込み左足でミドル。惜しくもゴール右ポストにあたった。

さらに30分には玉田がボールをキープし、落としたボールを小笠原が20メートルのミドルシュート。しかしボールはGKに押さえられた。しかしその40秒後にも今度はカウンターから小笠原が強烈なシュートでなんとかゴールを奪いにいくか、ボールはGKにはじき出されてしまった。前半43分には左サイドの三都主からのボールを中央で玉田が落とし小野がシュート。GKがはじいたボールをさらに小笠原がシュートにいったがボールはゴールの右に外れていった。

後半開始直後にアクシデントがあった。DF中沢が相手選手と接触し額から流血し坪井と交代した。しかしその影響を感じさせないように、さらに攻撃の力はましていく。後半8分には小野のスルーパスに遠藤が反応し折り返し。それを小笠原が右足でシュートを放つが相手DFにクリアされた。

後半17分には巻を久保に代えて投入。さらに28分には佐藤をMF遠藤に代えて投入し3トップに近い布陣になったが、得点は遠い。後半41分に巻のシュートのこぼれ球を玉田に流したが玉田がシュートを外しゴールは奪えず。終了間際の三都主の直接FKも、惜しくもGKに弾かれた。

結局このままノースコアで終了。スコットランドが優勝、日本は2位、ブルガリアが3位に終わった。

ジーコ監督のコメント

「これまでやってきたことの確信といったものを、ある程度もたらしていくれる内容だったと思う。スコットランドは引き気味で、日本のミス狙いでカウンターを仕掛けてきた。足元の技術もいいし、マークもしっかりしていた。あれだけ引かれて、厳しい試合になることは予想していた。それに対してどう攻めるかだったが、球回しをしてサイドや中央から、いろいろなことをトライしながら、我慢強いサッカーを強いられることになった。それでも、あれだけ引かれながらもシュートまで形を作ることができた。ただし、ゴールを割れなかったのは残念。それでも最後まで勝ちを狙いに行くという、意志と技術が相まっての試合となった。シュートは打ったのだが、相手の守備、特にGKの大当たりというのもあったが、最後までお客さんのために、あるいは自分たちのために戦うという意志は十分に感じられた。そういう意味で、非常に満足できる試合だったということができる」

-この2試合は23人の選考のために意義ある試合だったか。試合後のミーティングでは選手に何を言ったか
「この4年間、数多くの試合をこなしてきたが、すべてがいい経験だったし、そのすべてが選考の材料だ。この2試合に限らず、大きな材料になると思う。試合後に選手に話したことは、今まで数多くの選手と仕事できた。今日は欧州組が来られなかったが彼らの責任ではない。だがこれまでやってきたことでの力や貢献度を合わせて公平に最終的な23人を選びたい。えこひいきすることなく、日本のために、W杯で期待できる23人を選ぶ。プロとしてのミッションである。たまたま、23人の中で漏れた場合、プロとしての選択の中で、与えられたシチュエーションの中で、自分がベストを尽くし、次のチャンスを狙うのが、自分が職業として選んだサッカーというもの。選ばれなかったといって、くさってやめてしまっては、何にもならない。そこで強い気持ちを持つということ。5分しか、あるいは2分しか出場機会がなくても、確実に自分の持っているいいパフォーマンスを出して、上を目指して進んでいってほしい、ということ。これだけいい選手がいても、ひとつのポジションに2人しか選べない。難しい作業ではあるけれど、明日あさってで選んで、皆さんに発表したいと思う。選手も分かってくれると思うし、国内、欧州関係なく、今日本のベストとなるメンバーを自信を持って選びたい」

-得点がなかった要因は?
「私がかつて指導を受けた監督(1980年代中盤でブラジル代表監督だったエバリウド・マッセード氏)の言葉を思い出した。DFやMFのプレーヤーは、練習を通して作ることはできる。ただし、ボールをゴールに入れる作業にトライする回数が最も多いFWというのは、作ることはできないということだ。シュート練習を毎日やったり、いろいろな練習もこなしたとしても、やはり「感覚」というか、持って生まれたものが大きな影響を及ぼすポジションである、と言われたことを思い出す。日本はこの2試合、30何本もの(2試合で35本)チャンスを作り出している。欧州の一線級相手に、今日と同じくらいのチャンスを作り出すことができる。しかし、ひとつのため、GKやDFに対して駆け引きや心理的な余裕がないために、GKやDFに当たってしまう、ということについては改善の余地はあると思う。さっきも言ったのだが、これだけチャンスがあれば必ず入るんだと。これを信じてやるしかない。あとは反復だけだと思う。便秘のように出たい、出たい、したい、したいと思ってもなかなか入らない(出ない)。だが一瞬何かのきっかけでダーっと出ることもある。それに期待したい」

-23人以外のリザーブ選手を選ぶ予定があるか。柳沢、久保は万全ではないが選ぶのか?
「23人以外を選ぶつもりはない。自分の頭の中で、かなり決まっている部分が多いし、初戦までにけが人が出たら替えることができるレギュレーションも含めて、ひとつのポジションに2人ということを貫きたい。例えばこの間の村井のように、長期のけがを余儀なくされた選手、彼なんかはアレックス三都主と同じポジションということで組んだ。ああいった形になってしまったが、今の状況でも1ポジションに2人は確保できるので、選手たちにも23人で行くことを伝えたばかりだ。その考えを貫徹したいと考えている。すべては15日にお伝えする」

-小野、玉田の評価は
「チーム全体が走り作り出し、非常にいいパフォーマンスだったと思う。小野の場合も、けがから回復し、最近ようやく取り戻してきた雰囲気がある。欧州組が戻ってきたときの中盤の構成の中でも、攻撃の担い手、あるいは中盤の底でもいいパフォーマンスができる選手。ただし自分が望むのは、ピッチに立った選手全員が、自分が持てるものをすべて出すことだ」

-W杯後は日本で監督を続けないとすると、今日は日本で最後の試合だった。感傷はあるか?(スペイン人の質問)
「自分としては、今日が日本での最後の試合であるという意識、感傷はなかった。とにかく勝ちたかった。ただチームがあれだけいい動きをして、最後まで頑張ってくれたので、それだけに残念。選手同様、最後までそういう気持ちだった。それにW杯前にドイツで2試合ある。それに勝って勢いをつけて、本大会に臨むことしか考えていない」

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