ジーコジャパンレポート

2006.3.30 日本ーエクアドル戦

日本 1-0(前半0-0) エクアドル

▽得点者【日本】佐藤
▽会場 大分スポーツ公園総合競技場 ビッグアイ
▽観衆 36507人

日本の出場メンバー:GK川口、DF坪井、宮本、中澤、MF加地、福西、小野、三都主、小笠原、FW久保(76分・佐藤)、玉田(76分・巻)

スタンドはため息の連続。明らかに本調子ではないエクアドル相手に、日本は序盤から優位に試合を進めた。開始2分、三都主が上げたクロスのこぼれを福西がミドルシュート。同13分には小笠原の左からのFKを再び福西が頭で合わせた。シュートチャンスは次々と生まれる。しかし、ネットまでは届かない。

最初のビッグチャンスは前半20分だった。パスカットから左の三都主にボールが渡り、アーリークロスがエクアドルDF陣の頭を超えた。飛び込んだ久保が右足を伸ばしたが、惜しくもシュートは枠の右。いつもの久保ならば決めていてもおかしくない場面だった。

立ち上がりはパスミスが目立った日本の守備陣も徐々に安定し、後半に入ると完全に日本のゲームとなった。あとはゴールを待つばかり。ボランチの小野が積極的に前線のスペースを突くなどかなり前がかりのフォーメーションでゴールを狙う。昨年9月のホンジュラス戦以来の代表戦となった玉田のキレもよく、ボールを持つたびに好機となった。後半20分、小野が右後方から上げたクロスを玉田が胸で絶妙のトラップ。しかし、シュートはGKの好セーブにあう。4分後、玉田のドリブルから小野が中央でチャンスを迎えたが、シュートはまたもGKに阻まれた。

ようやく、うっ憤を晴らせたのは後半40分。その9分前に久保、玉田の2トップに代わって出場した巻と佐藤が果敢にゴールに迫る動きを見せ、均衡状態にカツを入れ始めた直後だった。小笠原が左サイドで縦パスを送り、それを三都主がニアサイドにクロス。飛び込んだ佐藤が左足で合わせて、ゴールを奪った。佐藤は代表2得点目。これが決勝点となった。

ジーコ・ジャパンとしてはこれが南米勢から奪った初勝利。エクアドルはFIFAランク38位ながら南米予選を3位で通過し、W杯本大会にも出場する強国だ。しかし、手放しで喜んではいられない。メンバーは1・5軍。日本の守備に脅威を与えるシーンがあまりにも少なく、攻撃自体が単調で南米特有の鋭さがなかった。5月のキリンカップまで国際Aマッチはない。数少ない貴重なテストマッチで選手個々が何をつかんだのか。本番まで残された時間は少ない。

ジーコ監督会見

-試合を振り返って
「かなり厳しい試合になると思っていたし試合運びのうまさやフィジカル的にも強さもあり、中盤のチェックも厳しいので気を抜いたプレーをすると何点入れられるか分からない。前からの守備の意識を持つように指示をした。攻撃に関してはボールを早めに回して技術以上に気持でせめて欲しいと言った。90分間集中力も切れることもなかったし内容が伴った勝利なので嬉しいです」

-佐藤が決勝点を決めた
「彼ら2人が入って結果をチームのために出した。ベンチの全てが交代のチャンスがあれば勝利への執念を見せてくれると確信していた。そういう選手が多くなるほど最後のリストを作るのは難しくなる。自分にとってはそれはありがたいこと。久保と玉田も良かった。特に玉田はブランクがあり本来の動きを期待していたが、久保がエリアで待ち、玉田が動き回る本来の動きがかなり出来ていた。この姿勢を崩さず発表の日まで一人一人が上を目指してやって欲しい」

-エクアドルの印象
「南米のチームは試合運びがうまい。ミスを狙い9割責めていても1つのミスで失点してしまう。そういう経験があったから最後まで自分のサッカーができる精神力が必要だった」

-相手は高いDFがそろっていた。
「その辺の対策は見せられた。アーリー気味にボールをアが手も跳ね返されることが多かった。ニアに上げると相手も怖い。今までのように単に上げるのではなく狙いを持つことが大事だった。リスターとも同じで選手も狙っている。そういう意味で選手の意識が見られて良かったと思う」

-3バックを採用したが
「システム以上に選手の守備の意識が大事だった。練習も含めてそうだったが3バックか4バックがということよりも選手に指示していたのはいかに2トップからの守備の意識の高さを強調した。前がマークを怠って後ろが止めてくれるだというというのがあった。ボランチを含めて3バックだけに任せるのではなくてその前でボールを取れるように意識付けをした。中盤のカバーする動きと球際の強さ。それが今まで欠けていた。全員が高い位置からの守備の意識があった。それがうまく機能した要因だと思う。米国戦あたりから去年崩される形が少なかった。3バックなら大丈夫という気持の緩みとか前からのプレスがなく崩されている。気持の中で穴があった。この前の試合でも見られたので意識的に意識を切り替えることが功を奏したと思う」

-久保らけが人の復調について
「久保、玉田、小野意外にも試合が終わってから声をかけたが、ブランクがあった選手も調子がでてきている。4月にクラブでいかに自分をブラッシュアップできるか。長い時間のプレーができるように。そうすれば独特のよさは戻ってくる。医学的には戻っている。あと柳沢。彼はW杯予選でもコンフェデ杯でもいい働きをしてくれた。離脱を余儀なくされたが精神力で早い復帰をして欲しい」

-小野が前線でのプレーが目立った
「自分はこういう相手だから残れとか指示はしない。福西を含めて後ろからの飛び出し、2トップのマークがきつくて消されている場合にはバックも含めて自由にやらせている。引き気味でスペースがあると判断して飛び出している。ただつるべの動きが大事で同時に上がらないようには言っている」

-南米から初勝利だった
「中南米には分が悪かった。ミスがらみで優勢勝ちというか、試合が支配できていても引き分けや負けが多かった。最後まで執念を燃やして攻撃にもいいものを生み出すという気持があった。三都主は前に出れる強さと速さ、積極的にゴールラインギリギリにまで言ってエリアに入っていくうまさがある。今日はよさが出せた。エクアドルの監督にも評価されて嬉しい」

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