ジーコジャパンレポート

2006.2.27 雪中の前日練習

日本代表は28日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(日本時間28日午後9時20分キックオフ)に向けてボン市内の競技場で練習。朝からの大雪でピッチは一面真っ白に染まり、体育館などでの練習に切り替わることも考えられたが、深く積もっていないこともあり練習を強行した。ただフォーメーション練習などは行えず、セットプレーやミニゲームの練習で軽めに終えた。26日夜に中田英、中田浩、27日早朝に高原、同日朝に稲本が合流してやっと全員がそろった。W杯本大会直前になるまでこうやってメンバーがそろうことはもうない。貴重な試合をどのような内容にできるか注目だ。また先発メンバーはGK川口、DF加地、中沢、宮本、三都主、MF小笠原、中田英、福西、中村、FW高原、久保。

ジーコ監督会見

「本大会前にメンバー全員がそろう唯一の機会。コンディションも練習も満足なものではないが、有効に生かしていきたい。これまで3年半、チームを率いてきて、台風もあったし、地震もあったし、大雨や停電もあった。そして雪。これでひとつのサイクル。それでも選手たちはいきいきと練習している。明日のボスニア戦は大切な試合。向こうもグラウンドのコンディションは同じだから、いい仕事をしたいと思う」

-小笠原を先発に起用するようだが。
「「合流したばかりの選手もいて練習も満足にできていないが、中盤の4人についてはコンフェデ杯(05年6月)がいい形だったので、もう一度見てみたいという希望があった。またけがで離れていた久保と(中盤の)4枚がどう絡むのか、DFもヨーロッパではなかなかそろわなかったが、今回は初めていい形で組めると思う。コンディション的にはいけると思うので、その中でしっかり仕事をしてくれれば。またベンチの選手もこれまでの活躍があったから今ここにいるわけで、24人全員がしっかりとした気持ちで試合に臨んでもらいたい」

-本番のシミュレーションとなるが
「これまでも協会のスタッフの皆さんは、練習でも試合でもいい環境を用意してくれた。本大会の前に自分たちが使う施設、街の雰囲気も含めて味わえるというのは、とてもいいことだと思う。昨日、選手たちにも施設について「こうしたほうがいい」という建設的な意見があればどんどん言ってほしいと話した。スタッフを通じて、さらによくなることもあるだろう。またピッチの中では、フィジカル、技術、メンタル、これら3つを含めていい準備といえる。これだけの環境を準備してくれたのだから、後は自分たちでしっかりやろうと選手たちには伝えてある。今のグラウンド状況は、自分たちの技術を発揮できるものではないが、昨年のコンフェデのときはいい感じだった。6月になればもっとよくなっていると思う」

-稲本と中田浩について
「日本人の選手が海外で出場しているのはありがたいこと。浩二はブランクがあったが、ここ数試合は出場しているし、稲本も最近は出ている。彼らもこれから先の局面でスタメンも十分考えられるし、力は拮抗しているので期待できる。明日はできるだけ交代枠を有効に使いたい。誰が出ても活躍してくれると思う」

-明日のシステムは本大会を意識したメンバー構成なのか
「よく聞かれるが、自分はシステムについては特にこだわりはない。確かに明日は4-4-2でいくし、本大会でも使うこともあるだろうが、それ以外にも3-5-2もあれば、3-6-1もある。選手が力を発揮できる形というものしか考えていない。最高のシステムを使ったとしても、そこに選手たちの気持ちが入っていなければ何にもならないだろう。大切なのは精神と肉体と技術、それらがいいものを生み出す状況がないと、システムというものは無駄であるということだ。ただ大切なのは選手が迷わないこと。例えば、4で始めて3に移行するとか、逆に3から始めて4になるとか、いろんな流れによって変わってくることが多くある。それを選手たちがいかにスムーズに移行できるか。これが一番大きなポイントだと思う。本大会では自分たちが練習したものをチョイスする形にして幅をもたせないと、戦いも苦しくなると思う」

-明日は仮想クロアチアとなるが
「ボスニアは上背があり、フィジカルが強い。相手の良さを消すには、あるいは自分たちの良さを出すにはどうすればいいか。不用意なファウルをせずに、相手が得意とする高いボールで勝負してくる部分、それと組織で堅い守備をしてくる中で、どういう仕事ができるかということ。選手たちが何を経験して、どう感じるか。本番になれば、国の名前を懸けて勝ち点3を懸けて戦う。だからフレンドリーマッチとはやはり大きく異なる。その中でも、すべての経験から学び取ってもらいたいし、今までやってきたことをキッチリできるかで、それが生きるかどうかが分かると思う」

-明日は仮想クロアチアとなるが
「ボスニアは上背があり、フィジカルが強い。相手の良さを消すには、あるいは自分たちの良さを出すにはどうすればいいか。不用意なファウルをせずに、相手が得意とする高いボールで勝負してくる部分、それと組織で堅い守備をしてくる中で、どういう仕事ができるかということ。選手たちが何を経験して、どう感じるか。本番になれば、国の名前を懸けて勝ち点3を懸けて戦う。だからフレンドリーマッチとはやはり大きく異なる。その中でも、すべての経験から学び取ってもらいたいし、今までやってきたことをキッチリできるかで、それが生きるかどうかが分かると思う」

-ブラジルと対戦することについて。対戦国の分析は(以下外国人記者の質問)
「長い間、現役プレーヤーとしてブラジルのために最大限尽くしてきたしお陰で歴史を作ることもできた。そのユニホームを着ている相手と戦うのは、本大会でも複雑な気持ちを持つことになる。ただし、これも自分の運命なのだろう。他国のチームを率いて、ブラジルと戦わなければならない。これはプロ意識として、自分が与えられた使命だと思うし、そのためにブラジルが相手でも倒して、1つでも上に行けるようなチームを3年半かけて作ってきた。そこは切り替えて、自分のミッションを貫徹するのみだと思う。ブラジルは、下馬評では優勝候補の筆頭だ。タイトルの数も一番多いし、歴史もあるし、今回の選手は非常に質も高い。その意味でも優勝候補の筆頭だと思う。試合はフタを開けてみないと分からないが、少なくともブラジルが1つ、あとの1つを争う可能性が高い。
クロアチアは、スタイルが変わったがフィジカルや守備の強さ、組織化された守備、高さを生かした攻撃がある。対策を立てているので、自分たちの力を出していけば全く勝てない相手ではない。
オーストラリアについては、サッカーの伝統も長くないし、一般的な評価としては話題になりにくい。ただ今回のチームは自分たちにとってキーポイントとなると思う。というのも、チームを率いている監督(ヒディンク)がW杯で2度、チームをベスト4に導いている有能な監督であるということ。それからウルグアイも破って本大会の出場権を獲得している。それと第1戦の相手なので、見えない中での戦いになる。勝てば有利になるわけで、日本にとっては大事な試合となる」

-今回、平山が選ばれなかったが、将来的に招集される可能性はあるのか
「十分可能性はある。彼だけではなく、すべての選手についても可能性はゼロではない。平山はオランダでいい経験をしており将来は日本を背負って立つプレーヤーになるだろうし、なって欲しいと思っている。ただすでに私の満足のいく結果を出した選手がいる。いつも言うように列に並んでもらう。すべての選手は今最後の踏ん張りを見せてほしい」

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