ジーコジャパンレポート

2005.11.16 アンゴラ戦

日本 1(前半0-0)0 アンゴラ

▽会場 国立競技場
▽得点者 【日本】松井(後半44分)

日本の出場メンバー:
GK川口、DF田中(66松井)、中沢、宮本、MF駒野、中田英、
中村、稲本(80阿部)、三都主、FW高原(79大黒)、柳沢

2005年ラストマッチをジーコジャパンが白星で飾った。前半から積極的な攻撃姿勢を見せた日本は7分に左サイドの三都主のクロスを高原が胸でトラップし左足でシュート。ボールはゴール上へ外れたがこれで波に乗った。その直後に俊輔のシュート。三都主のミドル。11分には右FKを高原が頭で合わせたがバーに跳ね返った。
ここで得点を決められなかった日本が結果的には最後に焦りを生むことになる。前半は高原が再びバーに当てるシュートを放つなど結局決定的場面を決めることができなかった。後半開始後はMFアクワに強烈なミドルを放たれるなどアンゴラにペースを握られる。14分には田中にかえて松井を投入し4バックに変更。だが36分に途中交代の大黒が阿部から受けたシュートを右足で。40分には駒野からのクロスを柳沢がフリーで受けたがシュートはいずれもネットを揺らすことができなかった。
しかし後半44分。右サイドの中村のクロスを柳沢が折り返し最後は松井が頭で合わせて1-0.決定力不足が大きな課題となったものの、なんとか1点を奪いアフリカの新鋭を退けた。

ジーコ監督会見

-今日の試合について
「ゲームの前に、今年最後の試合ということで、ラトビア戦、ウクライナ戦のように、ポッと入るのではなく、高い位置から相手にプレッシャーをかけながら、気持ちを引き締めていこうと選手たちに話してピッチに送り出した。アンゴラに多少引かれても、シュートの数で相手を上回る勢いを見せられたと思う。ただし、バーにいったものもあり、あれを決めておけばかなり展開は楽になったと思う。ただ得点が入らなかったことで焦りとか、あるいは自分たちのバランスを崩すような、特に相手のボールになったときに前の試合や前々回の試合のように大きくバランスを崩すようなことはなくて、しっかりとある程度チームを保てたと思う。後半は、立ち上がりにもう少し攻めてもいいかなと思った。アンゴラがかなり攻めてきて、後手後手に回る時間もあった。ただ、中に入ってのワンツーや、細かいプレーで切り込まれて打たれるというよりも、遠めで打たれた場面が多かったし、川口のいいセーブもあって、リズムを取り戻すべくできるだけ攻めた。引き分けのムードだったが、結果は1-0だった。とにかく選手たちの最後の最後まで1点を狙うということ、なかなか打っても入らない中で、どれだけその気持ちを持ち続けられるかということ。全体のこの気持ちが、1-0という結果になったと思う。非常に拮抗した中で、集中の欠如もなく、最後までピリッとした試合が保てたと思う。
アンゴラの特徴として、今までのアフリカ勢のチームとは違って、足元で細かいパスをつなぎ縦に速い身体能力を生かし、個人技を絡めて攻めてくる細かいサッカーをする印象があった。ボールを取られた後、マイボールを失った後に複数の人間がリカバリーに戻ってくる。スピードがものすごく早かった。うちがモタモタしていると、複数で囲まれてそこからボールを取られてしまう。それで前半に、いつもの雰囲気とはちょっと違うなと。少し遅れると、足が出てくる感じで戸惑ってしまう。彼らの特徴は、うちのキープレーヤーを、ボールの出どころをつぶすために、マンマーク的につぶしに来たこと。中村、中田英がマークされたが、中田英は縦のスペースあるいは横と、縦横無尽に動き回ることで、ボールを保持する回数は中村より上回ったと思う。ただ、中村のような一発のプレーで局面を変えられるプレーヤーは、世界でも数少ない。今日の最後の1点もマークされながらも、起点となって柳沢をフリーにして、松井にゴールをさせるという非常に貴重な感覚を持ったプレーヤーだ。」

-相手の7番にシュートを打たせすぎだったか
「前の試合で、中盤でのマークが甘いためにやられたケースを見ると、今日はその学習をうかがえる内容だった。とにかく彼にボールを出す、ペナルティーエリアの近くでフリーで入られたり、あるいはエリアの近くで決定的な仕事をされるとかシュートを打たれるとか、これを回数許してしまうと、結果にも結びつく。今日も打たれはしたが、あれだけの選手だから90分間全部マークをするのは難しいし、うちも攻めるということを考えるとちょっと甘くなったところもあった。だが2人の関係、7番と10番の縦の関係、多少7番がフリーになっても10番をしっかり抑えておけば、7番が遠めから打たなくてはならない状況を作り出せる。前の試合でやられた部分の修正はできたと思う」

-4バックに変えた理由は
「アンゴラは2トップ気味で来ると思っていたが10番の1トップだった。前半はチャンスを作り出していたが、点を取れなかった。そこで後半10番の1トップなので、3バックの必要はないなと感じた。1人がマークして1人が余るという、4バックでいいと。そこで松井を投入することによって、中盤あるいは攻撃に厚みが出ると判断した。3バックの場合中沢が左をやっていて、バランス感覚が崩れる部分があって、多少不安定だった。ただ、4バックにしたことで右に入って安定した。特筆することは松井が非常に気持ちの入っただった。何とか自分の良さをチームの勝利に結びつけるという気持ちがすごく見えた。プレーに気持ちがこもっていると、良さがどんどん出てくる。最終的に23人に入るんだという気持ちがみなぎっていて、その気持ちが選手全体に乗り移ってあのゴールが生まれたと思う」

-アンゴラの監督は日本のサイドからクロスで崩せと指示を出したそうだが
「うちは足元のカバーが速いからそう判断したのだろう。ただ、この前のギリシャ戦ではあれだけのクロスを防ぎきった。今日の試合に関しても、相手の10番、途中から入ってきた選手に合わせてゴールを狙ってきた。自分たちはそれに対してどうカバーするか、あるいはどうフォローするかということは、今までの経験で大分やれている。今日もこれは危ないというハイクロスが上がる場面はなかったし、選手たちは自分たちが何をすべきか、そのボールに対しては確実に防げるという自信を持っている。これから海外で身体的に高い相手とやることによって、またさらに自信も付くし、後は気持ちの問題だ。対戦相手が弱点と見て、0-0あるいは勝ちにきたときに、サイドから放り込むプレーが想定されるら、それを防ぐ策を練って確実に持っている」

-3バックについては?宮本が前半ミスがあったが
「彼だけではなくて後ろからのフィードのミスがかなりあった。感覚的なもので相手にボールをかっさらわれることもあったが、とにかく目立ったのは後ろからのフィードミスだ。彼はそれを自分のミスだと分かっているわけだ。その中で、トライして次はミスしない、フィードをうまくやって次の展開に結びつけようという、ある意味で積極的なトライと見た。彼らのいいところは、切り替えて同じミスを後半に持ち越さないこと。消極的ではなくて、積極的にかなりいい点が見られた。一つ一つ学んでいくと。自分たちにとっても大きな経験になったと思う。相対的には決して悪い出来ではなかった。特にポジショニングは良かったと思う」

-今年最後の試合を白星で飾ったことの、来年に対する意義は
「今年の最終戦で、相手もW杯に出場する国ということで選手と確認したことは、結果も当然必要だが、大事なのは内容ということ。どんなことが起こっても気持ちを一つにして最後まで勝利を狙うという気持ち、これが途切れないようにしようと。最終的にゴールを決めて、勝利で終えることができたことは来年につながることだと思う。集団の中で厳しいものを克服して最後に勝利できるという、いい意味でのはずみがつくと思っている」

-今年1年間の成長点と本大会への課題は
「今年の最大の目標は、本大会出場権獲得。それをクリアできたことで、自分にとって最高だった。そして来年への強化のためにいろいろな大会に臨み、親善試合を行って思ったことは、コンフェデ杯で決勝トーナメントに進めなかったのは、日本の実力相手よりも落ちていたというよりは、レフェリーに問題があった。今でもそれを確信している。あれがなければ、もっと力を出せたのではないか。東アジア選手権では、相当の緊張感の中で、目いっぱいの中で戦ってきた最初のチームが結果が出ないために、がらっとチームを変えて戦った。ある程度の休養の意味も含めたが、代わって出たメンバーもよくやってくれた。どん欲に自分たちにもチャンスがあるんだということで、気合を見せてくれた。いい形で大会を終えることができた。今日、選手たちと話し合ったが、特にフィニッシュの問題。誰が中盤で誰がFWということではなくて、あれだけ精密な個人技ができて崩せてシュートチャンスを迎えることができる。GKとほとんど1対1の場面というのを作れる。技術というよりも、ボールをゴールに入れるどん欲さと落ち着き、この精神的な部分を、それぞれのクラブに帰って考えながらまた練習に取り入れてもらう。もう少し決定率というか、精神面というか焦らないで、確実にボールを置きにいくということを来年はやっていかなければならない。ホテルでのミーティングで、自分たちはなんのためにドイツに行くのか話した。このグループでは、欧州や南米でMVPを取れるような選手がゴロゴロしている。それがなぜ取れないのかというと、自分たちが、自分をを信じることがまだ足りない。ドイツには観光に行きたくはない。ドイツにはタイトルを狙いに行くんだと。その最終的な23人が欲しい。精神的な意味での切り替え、自分たちが大きな目的とするものを考え直して、来年を迎えてほしいと言っておいた。肉体的にも精神的にもさらにたくましくなった日本代表が期待できると思う」

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