ジーコジャパンレポート

2005.10.12 ウクライナ戦

ウクライナ 1-0(前半0-0)日本

▽会場 オリンピックスタジアム
▽得点者 【ウクライナ】フシン(PK)
▽退場 【日本】中田浩

日本の出場メンバー:
GK川口、
DF駒野、坪井(89分・大久保)、茂庭、三都主(68分・村井)、
MF中田浩、中田英、中村(69分・松井)、稲本、
FW高原(46分・鈴木)、柳沢(57分・箕輪)

気温が10度を下回ったキエフ。降りしきる雨が悪条件に拍車をかける。東欧遠征第2戦はW杯出場国のウクライナ。試合前日から体調不良を訴えてたエースFWシェフチェンコの欠場が急遽決まり、やや拍子抜けした感はあったが、日本にとって重要な意味を持つテストマッチには違いなかった。
試合開始からウクライナが高いキープ率を誇った。的確なボール回しからのサイドチェンジで崩しにかかるが、一方の日本も粘り強く対応。逆に隙を見てはカウンターを繰り出した。最初はなかなかキープできなかった高原と柳沢の2トップも徐々にボールが落ち着き始め、中村や中田英が攻撃に絡む。前半は中村のCKに稲本がフリーで飛び込む場面や高原のミドルシュートなど惜しい場面もあった。
だが、後半は不運が待っていた。後半8分、中田浩がMFロタンの足首にタックルし、レッドカードが提示された。確かに危険なプレーだが、一発退場は厳しすぎる判定だった。ジーコ監督はすかさず柳沢に代えて、箕輪を投入。4バックから3バックに変更し、堅守からカウンターという狙いを強めた。
10人でも粘り強い守備をみせた日本は相手のシュートがバーーを直撃する場面などをしのぎ、試合終了直前まで無失点できていた。しかし、さらに悪夢が襲う。ゴール前に上がったボールに箕輪が競り合った際、大した当たりではないにも関わらず、MFボロベイが転倒。その瞬間、ホイッスルが鳴った。痛恨のPK。これをフシンに決められ、0-1。ジーコ監督も顔を真っ赤にして怒鳴り散らしたが、判定は覆らなかった。
これにより、東欧遠征は1分け1敗で終了。ラトビア戦直前に右足小指の炎症で帰国した小野伸二は近日中に手術を受けることになり、全治6か月と発表されている。結果が伴わず、貴重な戦力も再び離脱してしまったが、この過酷な経験がきっと来年の本番につながっていくはずだ。

ジーコ監督会見

-今日の試合について
「自分から言うことはない。今ここにレフェリーを呼んで、彼からどういう基準で試合を進めたのか聞いてほしい」

-今日のウクライナのメンバーでびっくりしたことは?
「びっくりしたのは、レフェリーだ」

-欧州ツアーの結果に満足しているか
「ラトビア戦については満足している。この試合についてはなかったものと考えたい。最初からこうなるという結果が分かっていてグラウンドに入る辛さというものを考えると、ここで起こったことすべてを頭の中から消し去りたい」

-日本はよかったと思います。この試合は将来的に日本のためになるのではないでしょうか
「ここで申し上げたいことは、コンフェデ杯のときも今回もそうだったのだが、協会に対して実際にこういうことは起こり得るんだということを強く肝に銘じて前に進んでいかなければならないと思う。汗を流しながら、血を流しながら練習をやっても、最後の集大成としての試合において、他人の手によって結果が左右されてしまう。協会をあげて、しっかり対処していきたいと思う。(終了になりそうなところを)繰り返しになるが、本当に自分たちが一生懸命に練習をして、調整をして、試合に真剣に取り組む。そうやって、いい形で日本に帰ろうとしているのにもかかわらず、あの黒い服を着た人たちが、初めから結果が分かっているということを想定しながら試合に入る。それがまずいと分かっていながら、だんだん悪い方へ悪い方へと試合が傾いていって、最後はこういう形で負けてしまう。本当に疲れてしまった」

-レフェリーについてもう一度。
「後ろからタックルをしていたが、それでもカードはおろかファウルさえも取られていなかった。そうした状況が前半に続く中、ぬかるんだピッチの中で、相手が高いボールを狙ってくるのは目に見えていた。とにかく(主審が)相手をヘルプしているのは、前半で確実に分かって、まずいと思った。で、浩二があそこで退場になったが、その前の相手の20何番?あの選手へのファウルはカードすら出なかった。あまりにも露骨すぎる。あんなのは犯罪だよ。警察を呼んでもらってもおかしくない」

-試合後、主審にはどんなことを言ったのか
「恥を知れ、ということだ。最悪なのは、何ら反応していなかったことだ。何か言いたいことがあったら、何かしらの反応があったはずだ。でも、そこで何も言わないというのは、きっとやましいことがあったからだ。口をつぐむのが一番いいはずだからね」

-今日の試合ではの指示は
「ピッチ状態が悪い中、それでもボールをつないで次第にうちが盛り返してきた。そうなると、レフェリーがこれはまずいということで笛を吹き始める。FKでのハイボールを狙ってくる。そうなると難しい展開となる。たとえピッチが乾いていた状況でも、1枚いない状況で戦うのは厳しい。その中で選手たちは本当によくやってくれたと思う。確かにウクライナは強いチームだと思う。それだけに、同じ土俵で戦いたかった」

-選手はよくやった?
「それだからこそ悔しい。さっきも言ったがもうこの試合は忘れよう。なかったことにしようと。こんな試合はなかったものと思わないと。一人少ないなかでよく戦ったと切り替えるしかない」

-収穫は?
「箕輪も出たし、村井も含めて守備は頑張った。中盤のひし形の形がよく機能していたと思う。
これは前から言っていることだが、一生やっている。チームに馴染もうと、何か武器を見せてやろうと。でも試合になると、あの黒い服の人たちが台無しにしてしまう。これで日本が負けたという記録は残ってしまう。ただ1敗としか残らない。それが悔しくて仕方が無い。

-1人少なくなってからPKで失点するまで、どのようなことを考えて選手交代をしていたのですか
「非常にスリッピーな状態で1人少ない中、ガスが満タンの選手を状況で起用していく、ということしか考えていなかった。中盤では中田英が前の方、稲本が少し後ろで松井が右。その3枚で押し上げていく。1枚少ない状況ではそれしかできなかった。結果としてPKを取られてしまったが、それまでの間は相手はうちのゴールエリア、あるいはペナルティエリアに侵入させることはほとんどなかった。それくらい、相手に食らいついていた、ということは言えると思う」

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