ジーコジャパンレポート

2005.8.17 ドイツへ一位通過

ジーコジャパンが勝利でW杯予選を締めくくりグループ一位通過を決めサポーターに予選突破を報告した。W杯ドイツ大会アジア最終予選B組の最終戦、日本-イランは17日、横浜国際総合競技場で行われ、日本はアウエーで敗れたイランに2-1で勝利。5勝1敗の勝ち点15で同組首位を決め、来年の本番に弾みを付けた。

グループ一位でもW杯本大会の抽選には影響しないが選手たちは気迫あふれプレーでイランを圧倒する。

前半12分には大黒が右からのクロスを落とし、そのボールを玉田が走りこんでシュート。

1分後にもクロスに反応した玉田がシュート。さらに1分後には右サイド遠藤からのパスを玉田がスルーし大黒がミドルシュートを放つなど圧倒的に相手を攻め立てる。そして前半28分。左サイドをドリブルで上がった玉田がDFをフェイントで交わしグラウンダーのクロスニアに大黒が飛び込むも届かず、ファーに流れたボールを加地が落ち着いてシュート。ゴール中央に決まり先制した。

後半は疲れと相手の反撃で若干失速するが後半31分に三都主の左CKにニアの大黒がヘディングシュート。GKがボールを弾き、はじき出せずゴールラインを割り待望の2点目が入った。その3分後にはゴールエリア内でボールを受けたダエイに中沢がファウルしPKを取られ1点を返すがそのまま逃げ切った。

日本のメンバーはGK川口DF田中、宮本、中沢、MF遠藤(84分今野)、福西、今野、三都主、小笠原、FW大黒、玉田(89分阿部)

試合後は選手、スタッフ全員が壇上に上がり挨拶。日本サッカー協会の川淵キャプテンに続いてジーコ監督「どうもありがとうございました」と日本語で挨拶。「就任してから3年間の間、本当にいろいろなことがありました。簡単な試合はひとつもなかったし、これだけのことが起こるのかという問題が、次々にのしかかってきました。ただ、ここにいる選手たち、スタッフ、あるいは代表チームに力を貸してくださったすべての皆さん、声援をれわわれ送り常にエネルギーを与えてくださったサポーターの皆さんの力によって、なんとかワードカップへの道を切り開くことができました」などと話し約7万人から大きな拍手を受けた。

ジーコ監督会見

-試合について
ジーコ監督「前半から、前から行って出鼻をくじくことを狙っていた。イランは技術的にも高いものがあるし、早いリスタートやアーリークロスを入れられると相手のリズムになってしまい、こちらも劣勢に立たされる。そのため、最初から前掛かりに行くということで、選手たちもよく分かってくれて、幾つかチャンスを作り、確実に1点を取ってくれた。その後は、相手も前に出てきて、われわれも押し込まれる時間帯が増えた。こちらのミスがらみでのカウンターとか、リスタートからのボールとか、相手のやり方も分かってきた。逆に相手がボールをキープしたときに、われわれが相手のミスを利用してカウンターを狙う、シンプルに手数をかけずにゴールを目指す、ということはできていたと思う。まあ最後は球際の強さ、絶対に一対一で相手に負けないというか、絶対に1位通過するという気迫がみなぎっていたので、多少の疲れなど関係なく、最後まで踏ん張ってくれた。その意味では、今までの苦労が報われるような印象だった」

-縦にシンプルパスが多かった。
「イランは体格もいいし、足元でボールキープさせたら、なかなかチャンスは来ない。横パスをつなぐよりも、目まぐるしくポジションを変えながら、ボールを回しながら相手を走らせるということ。そこでスルーパスによって相手の意表を突くことで、そういう部分を最初から選手と確認していた。最近イランは6点中5点はリスタートからだった。だから自分たちがやられないためには、まず相手のエンドでできるだけ早くボールを回すということ。こちらのミスからカウンターで攻めてくるということもあったので、不必要なファウルでリスタートを与えない、カウンターを与えない精度、そのあたりを狙っていた」

-チームが伸びた点は何か。またこれからの課題は何か
「これまで海外組を含めて、なかなか集まって練習ができなかった。少なくとも2週間一緒に練習できたら、かなり違うということについて自信を持っていた。英国遠征(昨年6月)の時は10日くらい時間があって、練習だけでなく、一緒に生活するできたことも重要だった。あれが、ひとつのきっかけを作ったと思う。雰囲気の良さ、そしてピッチの中でも連係ができて、強いチームに対して善戦できるようになったのも、あの時期から。改良点というのは、チーム全体の力を上げるためには、フィジカル的なものも含めて、個々の力を上げていくこと。今年の代表の予定を考えると、水曜日にやるときに月曜日集合になるとか、リーグも大切な時期に入ってくるし、代表でできる日数は少ない。(東アジア選手権の)韓国戦の前に、それぞれのポジションの選手を集めて、アーリークロスやパワープレーで(ゴールを)狙ってくる、上背のある相手に対しては、そこで負けないように基礎体力をつけていかなければならないと話した。もう10か月しかないので、その間にいかに各自がクラブで練習をしてくれるかということで、代表の里内フィジカルコーチを中心に、各クラブのフィジカルコーチと連絡を取りながら、ただしやり方を押し付けるのではなく、個人のフィジカルの能力を高めていくということを考えていきたい。とにかく日数が限られている。今度、欧州で2試合があるが、そのときに誰を呼べるのか。ちょうど1戦目には国内組はJリーグのオールスターがあり、これは日本にとって非常に大切な行事だと思っている。選んでくれたサポーターの前でプレーできるということで、選手たちにはできるだけそちらに集中してもらって、第2戦でベストのチームを組めればと思う。これからの投票結果で、またいろいろ動くと思うが、海外の選手も呼びながら皆でやりたいと。そういっているうちに、11月には今年の試合が終わってしまうので、ポイントは個人のフィジカル的な資質を上げていくか、ということに尽きると思う」

-来年プランは
「1月末あたりから、国内組を中心に日本でメディカル的なチェックをしながら、2月頭から海外で調整に入る。合宿というのは1年間の成績に反映されるので、そこをしっかり鍛えていきたい。2月はしっかり選手を鍛える期間と位置付けているが、アジア杯予選が1つと、その前に2試合、海外とホームで試合ができる。その後、3月にアジアカ杯予選がもう1試合。3、4月で1試合ずつそして5月に2試合くらいやって本番に入っていきたい。最初の合宿をしているときには欧州組は大切な試合をしていることもあって招集は難しい。少なくともゲームの時には、彼らも含めたベストのメンバーでいければと思う。」

-レギュラー組を2試合出さなかった効果は
「逆に若手にチャンスが巡ってきたということで、いい意味でのチームの活性化ができたと同時に、自分たちにチャンスが回ってきたら最大限にアピールするんだという精神的な効果。そこが狙いだったのだが、かなりのプレッシャーの中で結果を出してきたということで、精神的な疲労と慢性的な疲労で気合が空回りしてしまう。ここ一番での球際での気合が入らないとか、そういった部分がかなり見えていた。そういった部分が、この2試合で回復できたと思う」

-4バックと3バックを併用してきた。
「就任した当初は、選手たちの個性、特徴を知るという意味で、4枚と思っていた。しばらく見ているうちに、Jクラブは3バックでやっている。安心感があるので3バックの形を採ってきた。試合の状況に応じて、これがスムーズにできるようになったのは大きい。相手がどう出てくるかということも考慮して窮地を打開することを考える場合に決める。ただし、誰を選ぶのかということで違ってくる。欧州組は4枚に慣れている、国内組は3バックに慣れているということで、誰が使えるのかということなど、いろいろな要素が絡んでくる。実際に3年間やってくると、この部分で勝負だというときに、3から4に変えたり、あるいはその逆にというときに、選手たちは臨機応変にできるようになったのは大きいと思う。今回も3にしたり4にしたり、いろんな要素を組み合わせながら、ただし選手のコンディションを考慮せずに明日は3、あさっては4、というようなことはしない。やはり、選手の動きやコンディションを見ながら決める」

-W杯のの目標は?
「何位などといった目標は申し上げられない。ただし、どんな試合であっても、青いユニホームを着てプレーする以上は、国を代表するという責任を持って、1試合1試合を戦ってもらいたい。悔いを残さない、あるいは見ている人に対して悔いの残る試合をしないという戦いをしていきたい。そして一つ一つに勝って、できるだけ先に行きたいというのは当然だが、その前に大切なのがどういう23人を選ぶのかということだ。自分の中には(23人の)ベースはあるが、いざ選ぶとなれば長く居てくれたからといったような情は抜きにして、日本を代表してめいいっぱいいい仕事ができる23人をいかに非情にクールに、ニュートラルな立場で選ぶということ。これを最初の自分の課題であるととらえている。若い選手も出てきたし、チームの活性化もできているので、それぞれのクラブで全員がキャパシティーを上げる努力してくれれば自分の頭痛の種になるくらいになって欲しい。その23人を最終的に選ぶまでの間は、選手全員が一線に立っているんだという気持ちで頑張ってくれることを期待したいと思う」

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