ジーコジャパンレポート

2005.6.8 W杯出場決まる

北朝鮮 0-2(前半0-0) 日本

▽得点者【日】柳沢、大黒
▽会場 タイ・スチャパラサイ国立競技場

一丸となって掴んだ勝利、そしてW杯出場だ。中田英、中村、三都主が出場停止。高原、小野も故障で離脱した。だが、代わりにでた選手たちがそれに劣らないパフォーマンスを見せ、勝利に貢献した。結果的に2-0と完勝し、勝って、自力でW杯への切符をもぎ取った。1997年、イランとのプレーオフの末に翌年のフランスW杯出場を勝ち取った際は31番目の決定だった。しかし、今回は世界で一番乗り。ジーコ監督も試合後、人差し指で「一番」ということを強調した。
無観客試合のため、雰囲気は異様だった。まるで練習試合のように、ボールを蹴る音と、選手の掛け声だけが響いた。ただ一つ違う音が混じった。日本のサポーターが会場の外で叫んだ「ニッポン」コールだ。かすかにしか聞こえない。それでも、選手の耳には十分届き、気持ちを奮い立たせた。
北朝鮮も必死。勝たなければW杯出場の可能性が消える。相手の激しいコンタクトと状態の悪い芝に、日本は攻めあぐねたが、それでも、ゴールをこじ開ける。
後半28分、稲本が上げたボールに大黒が競り合い、こぼれたところを柳沢が右足でスライディングシュート。引き分けでもいい日本は、この先制弾でW杯出場がほぼ決まった。試合終了間際、田中のフィードに大黒が抜け出し、GKとの1対1を冷静に決めて駄目押し。その後、ホイッスルが鳴り、日本ベンチが興奮のるつぼと化した。
試合後の取材ゾーンも大混乱。無観客試合にも関わらず、入ってきたサポーターが日本に祝福の声をかけた。ジーコ監督も笑顔で応える。最高の瞬間だったに違いない。
1年後にはドイツW杯。その前にまだまだ強化しなければならない。まずは今月中旬のプレW杯、コンフェデレーションズ杯。代表は一時帰国し、6月11日にドイツへと飛び立つ。

ジーコ監督のコメント

「今日の試合により本大会に駒を進めることができ、選手、スタッフ、協会のかたに心から感謝する。偉業を成し遂げるために努力してくれた人に感謝したい。この勝利を日本で心待ちにしてくださったすべてのサポーターに捧げる」

-試合は?
「予選はどれも厳しい試合。気持ちがなければ、戦術面の高さを出せないということを毎回、毎回、選手に言って送り出した。気持ちがあって初めて技術面がいきる。今日の2-0の試合を実践してくれた」

-無観客だったが。
「まずは無観客の試合が終わっていいたいが、イランー北朝鮮戦でそういうことを犯してしまったチームへの制裁が行われるべき。タイで行われたこのW杯が決まる試合をタイのお客さんも見れなかった。どうしても別の決定を望んでいた。選手たちには無観客であることは忘れろ、ピッチで起こってることに集中しろ、と言った。異常な雰囲気を気にしだすとプレーに集中できない、と選手に言い聞かせて送り出した」

-北朝鮮にどういう注意をした?
「カウンターが鋭い。その点を注意した。戦術としてカウンターを食らわないように確認してきた。土曜日の試合のほうが動きが良かったと思うが、カウンターのよさを消すようにはした」

-苦しかった時期は。
「一番難しかったのはキリン杯の2試合。いい形プレーしながら結果でなかった。負けなれていないチームなので悪い影響が出てしまわないか、不安だった。ただ我々は弱くない。集中すれば、ということを頭にとめていてくれた。W杯予選は重圧がのしかかる。手にした要因はそのことに尽きる。それに値するいいチームに成長してくれたと思う」

-バーレーンをクリアして気持ちの切り替えは。
「あの勝利によって勝ち点1でいけるということになった。イランーバーレーン戦の結果でもW杯にいけるという結果になった。そこで勝ったような気になってしまう。だがそうじゃない。自力で何とかするんだとつたえた。引き分けでもいいという考えにすると結局積極さを欠く。日本にとっては危険な形になると思った。積極差をうしなわずということを選手に繰り返した」

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