ジーコジャパンレポート

2005.5.27 キリン杯 日本ーUAE戦(国立競技場)

日本 0-1(前半0-0) UAE

▽得点者 【U】ハイダル・アロ・アリ

6月3日にW杯アジア最終予選の大きな山場、バーレーン戦(マナマ)を控え、日本代表は最後のテストマッチに臨んだ。相手は同じ中東のUAE。決戦に向けて弾みをつける意味でも、結果がほしかった。しかし・・。
内容は悪くなかった。ボランチに小野が加入したことにより、攻撃の起点が増えた。両サイドから仕掛ける場面も目立ち、ペナルティーエリア付近でのリスタートやCKのチャンスも多かった。前半26分には小笠原のクロスが跳ね返ったボールを、小野が胸トラップ後にリフティングで相手を左右に振って芸術的な右ボレーシュート。
惜しくもバーの上だったが、勢いは徐々に増していた。同30分には三都主が小笠原とのワンツーパスで左サイドを突破し、中央にラストパス。飛び込んだ小野のシュートは左にそれたが、決定的なシーンだった。
ただ、全体的にイージーなミスが目立ち、集中力の欠如も目に付いた。後半24分、MFレダ・アブドルハディのスルーパスから裏を取られ、飛び出したMFハイダル・アロ・アリにゴールを許したが、そのシーンもいつもの日本の粘り強い守備が影を潜めた。カウンターからの失点を最も警戒していたにも関わらず、キリン杯第1戦のペルー戦、そしてこの日のUAE戦でも同じパターンで失点。
先発したFW大黒が積極的なプレーで4本のシュートを放った。後半27分にはDF坪井に代えて、MF本山を投入し、システムを3-5-2から4-4-2に変更。最後まで逆転勝利を目指したが、1点が遠かった。2試合連続完封負け、ホーム2連敗はいずれもジーコ・ジャパンで初。決戦に臨もうというこの時期、最悪のタイミングで最悪の結果が出てしまった。
国立競技場には少なからずブーイングがこだました。結果が出なかったのだから仕方ない。だが、この結果が全てではないのも事実。気持ちを切り替え、6月3日のバーレーン戦、6月8日の北朝鮮戦で結果を出すしかない。

日本代表出場メンバー
GK川口、DF田中(→茶野)、宮本、坪井(→本山)、MF加地、小野、福西
(→稲本)、三都主、小笠原、FW鈴木(→玉田)、大黒

ジーコ監督のコメント

-今日の試合に関して。
「第1戦の修正点を踏まえて臨んだが、タイトル(キリン杯)が取れない状況の中で選手の気持ちや課題をクリアしてW杯の本選につなげようということで、試合の内容、バランスとか、最後の崩し、中盤の構成、ポジショニングなどを含めて、かなりがんばってくれていた。しかし、カウンターで失点してしまった。自分たちの積極的な姿勢、最後まであきらめないという部分は出ていたと思うが。連敗をとにかく後に引きずっては何にもならない。バーレーンで勝ち点3を取るべく、明日、明後日からまた出発したい」

-カウンターから失点したが。
「特に今日の失点は個人的なミスとして考えていない。早い展開から飛び出しのスピードに対してもつけていた。ホームで結果が求められる中で、相手は引いてくる。勝てば(キリン杯の)チャンピオンという中でも、引いてカウンター狙い。世界的にもそういうサッカーは多い。自分はそういうサッカーに疑問を感じているが、それが多いのも事実。今日はバランスが崩れたというより、相手のシュートの精度がよかった。うちはあれだけシュートを打ちながら、相手にあたったりした。あれだけ人数がいて、守っている。相手をブロックして攻めるということはできていた。カウンターからの失点がバーレーン戦でおきると厳しいし、もう一度確認していきたい」

-CKが13本あったと思うが、手の内を隠したのか。
「隠したということはない。色々なバリエーションをトライした。その中で真ん中から、後ろから、ニアから、ファーからと試したが、とにかく打っても打っても、バーや敵や味方に当たった。これがサッカーというもの。うちがリスタートから点を取ってきたということは特にアジアの国々では研究されている。精度を上げていくしかない。これだけチャンスを作ってゴールライン上にボールがいっても入らない。サッカーの怖さでもある。ただ、これだけあそこ(ゴール)に近づいているし、次の試合ではゴールが決まると確信している」

-FWの鈴木が元気がないようにみえるが。
「自分がこの場に座っているのは選手の評価をああでもない、こうでもないというためではない。彼の特徴や良さが出ていないかもしれないが、チームのために何ができるか、走って体をぶつけて必死でやっている。彼がゴールを決めて助かった試合もあったはずだ。彼はがんばっていたし、私はそれを笑うことはできない。ベッカムでもPKをふかしてスタンドに蹴りこんでしまうこともあるが、それでもベッカムという価値は失われない。選手を大切にして明日は彼の良さで勝つんだということを信じてほしい」

-追加招集する中田英の起用法は?
「彼のベンチスタートは今のところ考えていない。柳沢、中田英寿、中田浩二、中村を呼ぶが、アブダビで彼らのコンディションをチェックしてどう配置するかを決めたい。ただ、今のところベンチスタートは考えていない」

この日、バーレーン戦に向けた遠征メンバーに、中田英寿、柳沢敦、中田浩二、中村俊輔の追加が発表された。29日にUAEへと出発し、中東合宿に突入する。上記の4選手はそこから合流予定。

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