ジーコジャパンレポート

2005.3.14 代表発表

日本サッカー協会は14日、W杯アジア最終予選のイラン戦(25日・テヘラン)と事前合宿(17日~22日・ドイツ)、バーレーン戦(30日・埼玉)に向けた日本代表メンバー26人を発表した。中田英寿は約1年ぶりの復帰。イラン戦出場停止の田中、三都主は帰国後の26日に合流する。

メンバーは
GK楢崎、土肥、曽ヶ端、
DF加地、中澤、宮本、松田、坪井、茶野、三浦、
MF福西、遠藤、小野、稲本、中田浩、小笠原、本山、中村、藤田、中田英、
FW高原、鈴木、玉田、大黒、(田中、アレックス)。

ジーコ監督

「松田に関しては、痛めていたもも裏が再発したということで、最近は実戦には出ていなかったんですけれど、里内(フィジカルコーチ)が(横浜Mの)練習場に足を運んでくれまして、トレーニングにも十分対応しているということです。今度の16日のゲーム(アジアチャンピオンズリーグ)には、通常通りプレーしてもらうということです。16日の動きをもちろん見ますけれど、問題なくやれるというような考えで招集しました。中田英寿ですが、ここ数試合は出場機会に恵まれないということですけれど、フィジカル的なコンディションも非常に戻ってきているということです。試合に出る出ないはやはり監督の戦術的な問題もあるでしょうし、もし彼が17日からサッカーできるようでしたら、一緒にトレーニングをして、その中で詳しい話を含めまして彼との時間を持とうと思います。彼ほどのインターナショナルな経験を持った選手が、試合に出て日本のために活躍できるような状態であれば、日本代表の大きな武器になるということも期待しまして、今回名前を入れました。いずれにしてもできるだけ早く、もし彼が今週末の試合に出なければ、クラブの方からもご配慮いただき、17日あたりで合流してもらいたいという気持ちを強く持っています。また非常に残念なことなんですけれど、GKの川口がけがをしまして、まだ十分に回復していないということで今回は外れましたけれど、1日も早く復帰してもらいたいというふうに思っています」

-楢崎選手のスタメン出場する可能性が高いが
「彼の力は十分に分かっていますので、いつも通りの、イラン戦で日本に勝利をもたらしてくれるようなプレーを期待しております」

-中田英のポジションについて
「彼だけではないですが、すべての選手において、一番より良いパフォーマンスができるというところで。彼が早く合流できれば、そういったいろいろな話し合いもできますし。彼の場合は数試合自分の下でやってくれていて、本当にどこのポジションでもこなせるというか、いろいろなポジションをやってもらったわけですけれど、今回もまったく同じです。今の状態で彼が一番貢献できるところ。そういったことを含めてこれから考えますけれど、本当にどこのポジションでも非常にいい力を出してくれるんじゃないかという期待を持っています」

-2試合とも勝ち点3を狙うか?三都主らはドイツに連れて行くのか。
「非常に難しい質問です。と言いますのは、どの試合でもとにかく勝ちにいくことはいつもの通りなんですけれども、今回の2試合に関しては両方ともまず勝ち点3をしっかりとした気持ちの中で狙いますが、今置かれている状況の中で一番求められているものが、本大会への出場権ということです。過去の統計を見ましても、いずれにしても非常に難しい相手です。ホームで試合を落とす、勝ちを得られないということは、後々厳しいことになると思います。ですから、両方とも勝ちを狙いますが、やはりホームでの試合(バーレーン戦)は絶対に落とせないという気持ちを持っています。ホームですので、選手たちはプレッシャーもあるでしょうし、しっかりとした成果を出すのは非常に難しいことですけれども、とにかく、3ポイント、3ポイントを取れれば、ベストだと考えています。1位でも2位でも、ワールドカップ本大会の切符を獲得するということを考えますと、あと2つ残されているホームでの試合を確実に取って、アウエーで1つでもいい形が取れれば、確実にワールドカップに行けると思います。ですから、1位をという考えではなく、確実に本大会への切符を手にするということを考えますと、やはりホームでは落とせないと思います。
アレックスと田中に関してですけれど、彼らはあくまでも26日に日本に帰ってきてからのみの集合となります。というのは、彼らはレギュレーション上、試合ができないわけで、移動も考えて余計な体力を使う必要はないと思います。日本でしっかりと調整をしてもらって、26日からの日本国内でのトレーニングから参加してもらって、試合で働いてもらうということになります。チームを構築する時期であれば、練習だけでも連れて行くということも考えられますが、もう今はチームがある程度まとまって、戦術的にもかなり浸透している中で、できるだけ不必要なエネルギーの消費というのは避けたいということです」

-DFに関しても不安はありますか?
「確かに不安がまったくないということはありませんが、今回の試合は25日ということで、いつもよりは試合まで時間が残されて、多少余裕を持って状態をチェックできます。松田ですけれども、筋肉のけがということで、16日の試合で、かなり厳しい状態の中でどういった動きができるのかを見ることができます。中澤はひざのけがということですが、どういう状況かまだ完ぺきには把握できていませんが、2、3日別メニューで調整すれば戻れるということであれば、問題はないと思っています。坪井に関しても、合宿で日本でずっとやってきていますし、ちょっと試合に出ていない期間が長かったんですけれども、この前の試合には出場したということで、試合勘も含めて、ある程度行けると思っています。もし必要があれば、多少コンバートすることが考えられる選手も何人かいますし、非常に楽観的に考えています」

-中田英は先発かまたイラン戦は3バックなのか4バックなのか?
「中田英ですが、彼はいろいろなコンディションの時がありますけれども、その時々で最大限のものをチームのために発揮できる強い意志の持ち主です。それプラス、サッカー選手として持っている高い資質というものを考えますと、今回の長引いたけがは彼にとってキャリアの中で最初の体験だったと思います。今はだいぶコンディションが戻ってきていると思うのですが、やはりけがの影響で、今まで体験したことのないほどのつらい時期だと思うのです。ですから、今回の合宿の中でまず考えられるのは、彼が来られればですが、彼が今どういうことを考えているのか? どういうシチュエーションのに陥っているのかを、電話とかではなくて面と向かって話せるということがあります。そしていろんなことを打ち明けられる。そうすれば、気持ちの部分でだいぶ楽になると思います。今回の合宿では、そういったことを話し合ってみたいと思っています。気持ちが中にこもらないよう、ぶちまけるチャンスになればと思っています。それで、ベストのコンディションであれば、いつものようにスタメンと考えています。彼はチームのために自分の身を投げうってやってくれる選手だと思っていますので、まずは話し合ってみて判断したいと思っています。メンバーについては、フォーメーションを含めて、北朝鮮戦のメンバーをまず最初に考えています。これは今の時点での考えですので、これは変わるかもしれません。

-キャプテンは宮本か? 中田英か?
「中田英寿がプレーすれば、彼がキャプテン。中田英寿がプレーしなければ、宮本と思っています。キャプテンについての考えですけれども、勝つために全員が同じような強い気持ちで戦うということはこのグループはみんなが思っていますし、宮本選手は中田選手がけがしているときにキャプテンを引きついでチームを引っ張ったということがありますけれども、中田英が戻ればキャプテンは中田英にやってもらおうと思っています。もし、この2人がプレーしないということがあれば、前にもありましたけれど、中澤を考えています。ただし、1人がということではなくて、全員がそういう気持ちであってほしいと思います」

-サイドのバックアップメンバーがいませんが
「自分の時期ではないですが、2人の選手、あえて名前を挙げれば小野、中村選手がこのポジションを過去にやっています。他にも名前を挙げませんが、自分が考えているバックアップのメンバーがこの中にはいると考えています」

-今のイラン代表について、どのようなチームだとお考えですか。
「イラン代表については、この前のアジアの戦いでも彼らの強さは分かりました。経験も実力もある選手が非常に多いということで、強敵であると、やってみて再認識しました。今回の試合はアウエーということもあり、非常に厳しい戦いになると思います。特にイランは第1戦を引き分けていますので、ホームで勝ち点3にこだわって攻撃を仕掛けてくると思います。しかし、私たちもアウエーでありながらもいい仕事をして勝ち点3を狙うチームですから、いい試合をしたいと思っております。
メンバーを見ましても、アジア最優秀選手になったカリミやダエイもおりますし、とにかく全員が経験豊富で、どんな状況でも試合をひっくり返すような実力を持っていますので、決して楽観視はしておりません。10万人の敵サポーターに囲まれた中での試合ということで、すごい雰囲気になると思います。私も現役でやっていたころは、アウエーであれホームであれ、本当にたくさんのお客さんの前でプレーをしましたし、そこに喜びを感じました。今の選手たちもそうだと思っています。
だいぶ前の話になりますが、アジアクラブ選手権でジュビロが同じスタジアムでやって結果を出したことや、前の北朝鮮戦でもそうですが、とにかく自分たちの気持ちをしっかりと持ち、自分たちのやることをしっかりと出せる精神状態であれば、アウエーであってもお客さんに喜んでもらえる試合をできると思っています」

-欧州組が集まるのは久々ですが。
「今回、何人の選手が最初の合宿から参加できるかという、私たちの置かれているシチュエーションを考えますと、いつもよりは多少はいいかもしれませんが、厳しい状況であることは変わりありません。前回のワールドカップの予選でもそうだったのですが、FIFA(国際サッカー連盟)の方に「予選の2日前の招集」というようなルールがあって、それはサッカー自体のレベルを落とすことになりますし、選手にも移動の面も含めて大変な(日程の)中でやるわけですから、けがの問題などもあり、各チームの監督にとっては、頭痛の種となっています。やはり、世界一を決める、国の威信を懸けて戦う大会ですから、特にその予選に対しては、さらに1週間ほど余裕を持って選手を招集できるような状況を、協会が先頭に立ってFIFA、あるいは各クラブに働きかけるのがいいと思っています。
世界のサッカーが本当に商業主義に走っていて、試合を数多くこなせば、それだけ集客があり、金銭的にも多くの収入が見込めるという状況になっています。確かに時代の流れからは、ある程度は理解できることではありますが、やはりサッカー全体のことを考えると、お客さんに質の高いサッカーを提供することが大切だと思っています。それができて初めて、お客さんがまたサッカーを見たいと思い、さらにサッカーの価値が高まるのだと思います。前回のワールドカップでは、ヨーロッパの選手たちが本大会に対する十分な準備ができない中、ほとんどのサッカー強国が実力の半分も出せないまま、不本意に大会を終えてしまいました。これはサッカー界全体から考えると、決していい状況ではないと思います。ですから、FIFAによってもう少しスケジュールを改善できれば、それぞれの国に対して非常に有意義なものになると思いますので、そのような行動を起こす一端になれば、と思っています。今回も何人の選手たちが試合の前に来られるか、まだ(各リーグ)1試合残していますので分かりません。しかし、できるだけ全員が17日から同じピッチで練習を始めてほしいと思っています。こういう状況が続けば、今後の日本サッカーを変えるような大きなことになると思います。そういうことを考えますと、全員で練習できるかどうかも分からないという現状が非常に情けないものだと思います。ですから、これは(日本サッカー)協会も含めて、世界全体がFIFAを通して考えなければいけない問題だと思います。自分でも、その転機になるようにやっていきたいと思っています。とにかく、今回も集まれる選手たちで最高の準備をしたいということには変わりはありません」

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