ジーコジャパンレポート

2004.8.7 アジアカップ 決勝 中国戦(北京工人スタジアム)

日本 3(前半1-1)1 中国

得点者【日】福西(前半23分)、中田浩(後半20分)、玉田(後半ロスタイム)
【中】李明(前半32分)

日本のメンバー
GK川口、DF田中、宮本、中沢、MF加地、遠藤、福西、三都主、中村、FW鈴木、玉田

日本がアジア杯連覇を達成した。日本代表は決勝で開催国の中国と対戦した。6万6000人収容のスタジアムは9割以上が中国人サポーター。完全なアウエーの中の戦いだったが日本は冷静に試合を進めた。前半23分に左からの中村のFKを鈴木が頭で折り返し、飛び込んだ福西がヘディングで先制した。この日もメンバーは過去5試合とほとんど変わらず。出場停止の遠藤が中田浩二と代わっただけだった。中田は攻守のバランスを取り、遠藤の穴をしっかり埋めた。
今大会では逆転勝利が多かったため、この試合は初戦のオマーン戦以来の先制点。しかしスタジアムが最高に沸きあがった瞬間は前半32分だった。左サイドの突破を許し、中央に折り返されると、李明が左足でボレーシュートを決めた。これまでの中東のチームと違いスピードのあるカウンターはなく、ボールを回してくる中国。日本は個人の能力の差を生かしてペースを握ったが失点を機に中国も挽回してきた。
ハーフタイムにジーコ監督は「落ち着いてやろう。虎視眈々と2点目を狙うなかで、絶対に焦ってはいけない。ボール回しをスキを狙っていこう」と指示。19分にはボール回しから左の鈴木へ。鈴木のクロスを玉田が頭で合わせるがGKにはじき出された。しかし右のCKで中村からのボールを中田が腰の辺りで押し込んで再びリード。その後は途中から投入された李毅のスピードある突破やワンツーで中国も反撃を狙うが、GK川口の好セーブや中沢、宮本らの安定した守備力で跳ね返した。後半44分からは選手らも肩を組み、優勝の瞬間を待つ。そしてロスタイムに中村のスルーパスに玉田が飛び出す。ドリブルからGKを決めて3得点目。その瞬間勝利を確信したジーコ監督もガッツポーズした。
試合が終わると選手1人1人を抱きしめ、選手の前で日の丸を掲げたジーコ監督。胴上げで宙に3回舞い「感動した」と興奮した様子だった。
中国の大ブーイングと重慶の暑さ。完全なアウエーでの戦いだったが、絶対絶命になりながら窮地を這い上がってきた。そしてつかんだ栄光。ジーコ監督は「これだけアウエーの中でも自分たちのサッカーができるようになったことが収穫だ」と話した。中田英寿、久保竜彦、稲本潤一らはけがで、小野伸二は五輪代表に選ばれ主力は出場できなかった。それでもチームは1つにまとまり手にしたタイトル。優勝カップを手にしたジーコ監督には自信と充実感がみなぎっていた。

ジーコ監督のコメント

-苦しい優勝だった。
「どんなときでもバランス崩さず、自分たちのサッカーをやった。最初から下馬評も低かったが、困難を克服しながらひとつひとつ登り詰めて、集大成を飾った。主役の選手たちに心からの賛辞を送りたい。大変だということは最初から分かっていた。自分たちの力を信じて、どうしてもタイトルを取りたい、渡すものかという意地を見せた、素晴らしい大会だった」

-この3週間で何を得たか。
「大会の初日からどのスタジアムも4万人のお客さんが相手のことを応援していた。どの試合も状況は同じ。決勝戦は6万人が応援するなかで自分たちのサッカーができたことが大きな収穫だ。今までは海外では力を発揮できないと言われてきたが、こんな本当のアウエーの中で力を発揮できた。我々のこのチームは8人のメンバーが欠けている。五輪のために戦っている選手もいればけがをしている選手もいる。貴重な8人を欠いた中でアジア杯のために作ったチーム。穴を埋める選手の活躍や精神力は光っていた。いない選手も含めて全て全力を尽くす。日本を代表する1つの大きなグループとしてかなり成長した」

-中国について。
「まず私の立場として中国についてどうこう言える立場ではない。今大会通して実力があって決勝戦に進んできたのは事実。力強いチームだと思う。決勝は必死で戦い勝ちを収めたが、中国は真価をしているチームと受け止めている」

-ラッキーなゴールだったと見る人もいるが?
「例えばそいうことがあったのなら、主審や副審はなんのためにいるのか」

-交代はなかったが。
「前半から最後まで非常にフィジカルコンディションがいいと感じた。選手たちの動きもポジショニングも良くて質が落ちていなかった。だから代える必要もないと思った」

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