ジーコジャパンレポート

2004.7.31 アジアカップ 準々決勝 ヨルダン戦(重慶オリンピックスタジアム)

日本 1ー1(前半1-1、延長前後半0-0)PK戦4-3 ヨルダン

日本のメンバー
GK川口、DF田中(延長後半9分→松田)、宮本、中沢、
MF加地、遠藤(後半11分→中田浩)、福西、三都主、中村、FW鈴木、玉田(後半27分→本山)

劇的勝利で準決勝進出!日本代表は準々決勝でヨルダンと対戦。
前半11分にW杯予選でイランを破っている新勢力、ヨルダンのシェルバイエに左サイドからのクロスを決められ先制された。しかし日本はその3分後、右サイドのFK、中村からのボールを中沢が合わせ、こぼれ球をFW鈴木のゴールで同点。その後は日本がロスタイムにFKから三都主がボレーで合わせるなどチャンスを作ったが決められず。
後半も一進一退。後半19分には玉田がドリブルからミドルシュートを放つがわずか右へ。42分には福西のミスからボールを奪われてピンチを迎えるなど両チームともチャンスを作ったがノースコア。
15分ハーフの延長戦も延長後半5分に三都主のスルーパスを左サイドから俊輔がクロスを上げるちなどチャンスを作る。しかし6分にはヨルダンの途中出場のスブンがカウンターから抜け出しシュートを放つがゴール上へ。両チーム決定機を作るも点は入らず勝負はPK戦に持ち込まれた。

この日もスタジアムは完全にアウエー。日本の国歌斉唱の時から5万5000人のファンは大ブーイング。PK戦は日本の番になると大きなブーイングが起き完全に不利な状況だった。

PK戦 日本 オマーン
1人目 中村×
2人目 三都主×
3人目 福西○
4人目 中田浩○ ×
5人目 鈴木○ ×
6人目 中沢× ×
7人目 宮本○ ×

PK戦はボールを置く場所の芝の状態が悪く中村、三都主が上に打ち上げてしまった。その時点で主将の宮本が場所変更を申し入れ、反対側のサイドで行われた。
日本は不利な状況からGK川口が2本を止めるなど、最後は逆転勝ち。8月1日に準決勝が行われる地、済南に移動し、3日にバーレーンと対戦する。

試合後のジーコ監督の会見

-今日の試合について。
ジーコ監督「厳しい戦いになるだろうと、試合前から予測していた。彼らは強いチームで、W杯予選も含めてほとんど失点がなく、グループの首位をキープしている。今日の試合は先制されながらもすぐに追いつくことができ、120分戦ってPK戦になった。PK戦で最初の2人が失敗したが、我々は日本を出るときから、このタイトルを絶対に持って帰るんだという執念をもって、この大会には臨んだ。審判が最後の笛をふくまで、絶対に試合を捨てるなと選手たちには伝えてきた。だから何かが起きると信じていた。何が起こるか最後まで分からないのがスポーツだからだ。ヨルダンは何人かの選手が勝ったと思って踊ったりしていた。この行為によって高いツケを払わなくなってしまったと思う」

-選手時代も含めてPK戦が途中でサイドが変わるような場面を見たことがあるか?
「実際見たことも聞いたこともない。だが試合の最高権限を持っているのは主審だ。あの時、ピッチコンディションがPKにそぐわしくないのなら彼が決定する権利を持っていると思う。ただ我々が蹴って、それからヨルダンの選手が蹴ってから(サイドを)変えるべきだったと思う」

-宮本は、主審に何を言っていたのか?
「2人目のキッカーが蹴ったところで、宮本がキャプテンとして(蹴る)スポットの芝が悪すぎると判断してチェックしてくれと話をした。それが受け入れられた。このことは、私の指示ではなく、キャプテンとしての彼自身の判断からなされたものだ」

-今日もブーイングが多かった。
「若い選手たちが、歴史的、政治的なもののためにブーイングを受けるのは、スポーツマンとして自分の国のために戦っている彼らにとって、非常に残念。スポーツとは歴史や政治的なものとは関係ない。特に国歌斉唱でのブーイングは残念だ。ゲーム中であれば、まだ仕方がないとは思うが。だがおかげさまで、勝てているので、勝てるのなら甘んじて受けてる。次の地区(済南)でも日本チームをサポートしてくれとは言わない。だがチームは今まで通りにやって欲しい」

-PK戦前の指示は。
「最初に言ったのはペネルティスポットの状況を確認しろということ。ボールもかなり動きやすいのでしっかりセットして蹴るように。私の経験から120分やっていると足にきているのでインパクトを強めて、サイドを決めて打てと言った。宮本がPK戦が始まる前に審判に芝の状況が悪いと言ったが受け入れられず、(2本目に)サイド言ったが最終的には主審の判断だった」

-終わった後にも円陣で何か話していたが。
「40年間サッカーをやって生きているが、終わるまで何が起こるか本当に分からない。最後の1球が終わるまで諦めないということがいかに尊いことか。その気持ちを持ち続けて欲しい、と言った。相手は勝ったと思って踊ったりした。それは許されない行為だ。相手を挑発するようなことは私もサッカー人生でやったことはない。それによってヨルダンは高いツケを払った」

-相手は攻撃的に来た。
「こういった一発勝負は向こうも攻めてこっちも攻める。前半に関しては向こうの守備も固いところがあった。後半は自分たちの形をしっかり取り戻そうと思った。球際の強さを見せないと、技術的もしくは戦術的なところだけでは勝てない。その中からいろんな形が生まれた。本山からのチャンスであったり隆行のチャンスがあったり。相手も死力を尽くしてきたが、ノックアウト方式で次に行くために気合の表れだと思う。今日の試合はまるでラジオのサッカー中継を聞いているみたいに、ネットの近くに相手のファンがいたみたいだった。あれは確実に選手に影響があったと思う。その中で確実に最後まで試合を捨てない選手の姿は立派だと思うしこの経験を生かしてやって欲しい。ディフェンシブなサッカーをやるのは面白くないので、興奮や感動を生むようなサッカーをやりたい。しっかりとした守備の守りから攻撃につなげるサッカーをこれからもやっていきたい」

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