ジーコジャパンレポート

2004.7.20 アジアカップ 1次リーグ第1戦 オマーン戦(重慶オリンピックスタジアム)

日本 1ー0(前半1-0) オマーン
◇得点者【日本】中村(前半34分)

日本のメンバー、
GK川口、DF田中、宮本、中沢、MF加地、遠藤、福西、三都主、中村、FW鈴木(後半40分→西)、玉田(後半25分→本山)

一次リーグD組の日本代表は重慶オリンピックスタジアムで、初戦でオマーンと対戦した。

日本は序盤から大苦戦。前半13分に三都主のヘディングでのバックパスをあわや相手に奪われそうになる。16分には右CKからブザイディに頭で合わせられた。ペースは完全にオマーンに握られたが、前半34分にトップ下の中村が見事なテクニックを見せて1点をもぎ取る。左サイドの三都主からのグラウンダーのクロスを相手DFがパスミス。それを拾った中村がDFを交わし左アウトサイドで技ありのゴール。ゴール右隅に突き刺さると、喜びを爆発させた。「たった1つの1人のプレーでリズムを変えられる。ファンタスティックだ」とジーコ監督も絶賛だった。

このゴールでペースが日本に傾いたが、それも一瞬だけだった。その要因となったのは、予想以上の暑さ。光化学スモッグなどが原因で、あまり晴れ上がることがない重慶だが、この日は晴天。気温の公式発表は33度だったが、体感気温は40度近く。代表が15日に重慶入りしてからは30度に達する日が少なかっただけに「この日は一番暑かった」(GK川口)。これまで体感していない暑さが試合の日にやってきてしまった。選手の足は止まり動き出しは遅い。パスはうまく回らず攻撃の組み立ては悪かった。

ハーフタイムにジーコ監督は引いたところからカウンターで相手DFの裏を狙うよう指示。しかし明らかに動きだしが悪く、パスは出ない。逆にスピードのあるFWを擁するオマーンにDFラインの裏をつかれ後半はピンチの連続だった。後半8分にFKからFWマイマニが合わせた場面は決定的。23分にもスルーパスにマイマニが反応したが、GK川口が落ち着いて飛び出しセーブした。

日本の苦戦の要因はもうひとつ。アウエーのようなスタンドの歓声だ。大会が進めば中国のライバルとなることが予想される日本のファンは少なく、3万5000人の中国人はオマーンへ大声援を送った。

39分には後方からのロングパスにMFドゥールビーンに通りこれも決定機だったが、シュートはヒットせず、救われる形となった。ロスタイムもドゥールビーンのクロスをFWホスニが合わせる。最後のドゥールビーンのミドルは川口がセーブしたが、最後の最後まで息を抜かなかった日本が1点を守りきった。

W杯一次予選でも同組のオマーンだけに完勝したかったが、思わぬ苦戦。DFのコミュニケーションの課題や攻撃のパターンを増やさなければならないなど、課題は多かったが決勝トーナメント進出に向けて勝ち点3を取ったのは大きい。

日本は24日にタイと対戦する。また日本・オマーン戦後に行われたD組のもう1つのカードではイランがタイを3-0で下した。

ジーコのコメント
ジーコ監督会見

-厳しい試合でした。
ジーコ監督「ディフェンディングチャンピオンということは表向きのことで、4年前のこと。変なおごりを持ったらうまくいかない。厳しい試合をしようという気持ちで重慶に入ってきていた」

-試合内容について
「オマーンに一方的に攻められたように思うが、最終ラインがしっかり対応できていた。攻撃は少ないチャンスを確実にものにした。引いてカウンターという作戦だった。2月(W杯予選)はオマーンがディフェンシブだったが、今回は逆の展開だった。後半は日本が引きすぎた。裏のスペースを狙って押し上げようと思ったがなかなかできなかった。ただ少ないチャンスをものにした。勝利したことに満足している。勝ち点3を稼いだ」

-ハーフタイムには
「引いて裏のスペースを攻めようと指示した。オマーンもすぐれた攻撃していてスペースにボールがいかなかった」

-ポジティブなものはあったか
「大きな目標に進んでいる。下馬評やディフェンディングチャンピオンというのあるけど、相手も必死に来る。これからもっと厳しくなる。それが分かったことがポジティブなことだ」

-W杯予選も1-0という試合だった
「お互いの力がきっ抗している。厳しい試合に勝つのはチャンスをものにしたほうだ」

-交代はFW2人だけだった
「DFがしっかりしていたので変なところで代えるとリズムが変わってしまう。フリーでシュートを打たれていたらまずいけど、そうではなかった。シュートを打たれてもうまくコースを消していた」

-10月にW杯予選でまたオマーンと対戦(アウエー)します
「タフなゲームになる。だが向こうもタフなことをしなければいけない。今日のスタンドはアウエーの雰囲気でいい経験になった。今度もそうなると思うので」

-課題は
「どんな大会でも勝っていけばどんどん上がっていく。下馬評はあてにならないのは身にしみて分かった」

-川口のプレーは
「偉大なGKであることを証明した。(楢崎が戻ったら?)楢崎もチャンスを狙ってつかめばいい。川口もそうやってチャンスをつかんだ」

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