世界紀行

美しく、慎ましく、魅惑的なブタペスト

今年遠征した二つ目の欧州の街はプラハだが、その前にもう一つの東欧の首都を訪れた。それは、ブラジル代表が行くよりも一瞬早く、ハンガリー代表と親善試合を行ったブダペストの街である。試合はアウエイでの不利な判定により敗北してしまったが練習の合間に市内観光をすることが出来た。以前にも訪れた事のあるこの街だがプラハでの印象にも似た感触を得た。

東欧の国々に共通する特徴は、長き時代に渡り内戦と共産主義による独裁体制の鎮圧に対する苦悩が建築物に受け継がれて反映していることではないだろうか。その反面、今日では国民は独創性を望んでいるように見受けられる。ハンガリー国民はブラジルサッカーに熱烈である。そして、彼達は人間味を持つことを心得ている。我が名誉カメラマン(右記作品の一部も彼の協力による)でもあるリカルドは、滞在中に40歳の誕生日を迎えて独特な贈り物をもらったのである。

なんと言っても、ハンガリー国民の特長は手工芸の巧みさに優れているところである。繊細な完成度を誇る色彩豊かな手芸の刺繍品や人形、磁器製品、宝石などの手工業は最大限に洗練されているのだ。そして、資本主義への開放後にはこの様な現地手工業品の付加価値を観光客へアピールする店舗が数多く点在している。市民の生活は大変活発的だとも言える。山の手ブダ地区と平坦なペステ地区を隔てて流れる有名なドナウ川に掛かる彫刻的な4本の橋が両地区を繋ぎ、街の平面図もとても華麗である。

興味深いのは、ブダペストの広々とした公園の景色がリオの名所に似通っていることだ。広い歩道を人々がゆっくりと散歩をする様はまるでコパカバーナを想わせる。あてもなくウオーキングを楽しむ人達がいるのだ。

参考として、街最大の橋はオーストリア・ハンガリー王国のエリザベス王妃を称えて架けられた。1903年に完成したこの橋は1929年まで世界一を誇る吊り橋として知られたのである。第2次世界大戦時に破壊されたこの橋は後に再建され、今日でもその美しさは変わらない。

芸術に関しては多種多様であり、あらゆる趣味の人々を満足させるものがある。数々の劇場、博物館、街に同化して点在する情緒ある古城など。その中でも一際目立つのがハンガリー国立オペラの建造物である。数百にも上る彫刻や絵画が至る所に建物の内外を含め陳列されており、正に芸術の宝庫と言える。
でも、決して観光はこの様な芸術面のみで成立している訳ではない。プラハ同様に夜の盛り場は若者達にとって熱狂的であり、更に運試しを試みたい者には、ブラジルでは賭博は禁じられていることもあり、カジノは最適なオプションとも言えよう。 

多表現様式がこれ程融合する位に多くの建築物が建ち並ぶ場所では自然は疎かにされているのではないかと思いがちですが、それは全くの見当違いである。市内の公園はアトラクションの一つでもあるのだ。「シティーパーク」は、ドナウ川の中央に位置するマーガレット島の公園に次いで2番目に広大なものである。そこは緑に囲まれた家族連れのレジャーの場で、温泉や公営プール、遊園地、動物園、植物園、ボートを楽しめる池などの様々な娯楽施設と共に古城があり、市民に憩いの一時を与えている。そして、右記写真はマーガレット島の景色を撮ったもの。我々の限られた観光時間は瞬く間に過ぎ、名所巡りも制限されてしまい記念ショットもままならぬ状態だったほどだ!

私が食について述べ忘れていると思っている方には、先ずブダペストは観光地にも関わらず物価が余り高くないという利点があることを指摘しておこう。そして、食のバリエーションは豊富だということも付け加えたい!

この街は情緒がありながらも節度が感じられるのだ。ブダペストは、まるで慎ましく身なりを整えながらも魅力的な女性の様である。世界紀行を続けるには忘れてはならない街…、それがブダペスト!

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