ジャパンコネクション

ワールドカップでスリップしない為に

[2006.2.13]

先週の金曜日、我々はサンフランシスコにて対アメリカ合衆国との親善試合に敗れました。私は敗北に関して考えさせられました。日本は前半、著しく展開が悪くてアメリカに圧倒されましたが、後半での反撃が試合に対するマイナスな衝撃を緩和させたと言えるでしょう。この結果は、学ぶべき新たなる教訓であり、敗北も進化の過程だと言えます。しかし、私に残念な思いを与えたのは、我々の選手達の足元であり、これに関しては受け入れる事ができません。従って、リオ州グァナバラ杯でのボタフォゴの優勝などにも関わらず、今週のジャパン・コネクションのテーマはスポーツ用具に関しての話題です。

FIFA W杯2006ドイツ大会の年であることからも、今年は万全の注意を払わなければいけません。昨年のコンフェデレーションズ・カップでも既に選手達に、対メキシコとの序盤戦で頻発したスリップの問題に対して警戒しておりました。そして、このドラマはアメリカ合衆国戦でも再び発生したのです。

敵の優位のみならず、試合中はピッチコンディションに不適切なスパイクを選手達が使用したが為に、終始あらゆる局面でスリップが繰り返されました。そして私は試合終了後、ゴールキーパーが使用していた、唯一滑らなかったスパイクを手にして、選手達にスパイクの件に関してしっかりと見極めるように話ししました。彼等には、今回の試合では、例えば前面部に2個、中央部に2個、そして後部に高めの金具2個の、計6個の金具を有するようなスパイクでなければいけなかったことを伝えました。昨年のメキシコ戦での出来事を想起し、ワールドカップで好結果を望むチームには、決してこのようなアクシデントが生じてはいけないことを明確に伝えたのです。

勿論、内容は専門的な分野であり、一度もスパイクを履いた経験の無い者には理解し難いでしょう。解りやすく説明をします。例えば、スキーを普通のシューズを履いて滑る光景を想像出来ますか?では、ハイヒールでテニスをプレーする姿は如何でしょうか? そして、ビーチサッカーを長靴で行なうのはどうですか?勿論、上手く行く筈がなく、選手が効率アップを図るためには適切な用具を使用することが基本的なのです。そして、現代の技術をサッカーに用り、アメリカ航空宇宙局であるNASAに比例する実験をも考慮すれば、スパイクの影響でスリップする選手が存在するなど考える余地すらあり得ません!

足元は基本であり重要です。適切な用具を身につけていなければバランスを失います。サッカーはバランスが保てなければ出来ません。ダッシュの瞬間やシュート時に影響を与え、自信までも喪失しかねないのです。今日では、色合いやデザイン性などの美的感覚への追求が強くあります。このマーケティング志向が製品開発をまごつかせていないことを信じたいと思います。既に私はアディダスとも相談をしており、他のメーカーとも話をするつもりです。何故なら、この様な問題で決定的な試合を落としたくありません。ありえない話です!どの選手に対しても用具契約を害する意向は毛頭ありませんが、この件に関しては選手にとっては基本だと注視すべきではないかと思います。更に彼等は真剣にこの問題に取りくまなければいけません。

私がイタリアでプレーをしていた当時は、硬いピッチでは、正に足をも負傷する、6個の金具がついたスパイクを使用していた記憶がよみがえります。だからこそ、この種のスパイクで練習を行い、多少でも慣れるようにフィジカルトレーニングではアルミの金具を使用していました。しかし現代の技術を持ってすれば、選手達は異なるピッチに対して効率的なスパイクを常時2~4足は持ち備えていることを願うのです。そうすれば、事前にベストを選択することが出来ます。

このスパイクの件を熟考することで、ブラジルでは多くの論争を巻き起こしているオレンジ色のボールが脳裏を過ぎります。そこで、これらを近年発展しつつあるも、依然として不適切な照明と複雑なライン引きの野球場でサッカーの試合が行なわれているアメリカ合衆国の実状と関連付けるのです。でも、もうこの様な事態を受け入れる訳にはいきません。現在では、サッカーは何百万ドルという金額を巻き込み、それが故にあらゆる要素が含まれています。私は1976年にサンフランシスコで、野球場ということもあり、ペナルティーエリアが土のピッチで代表戦に出場しましたが、それは既に30年も前の出来事です!そして、今は2006年なのです!

冒頭でも述べましたが、今年はW杯の開催年です。教訓は、大工にとってのハンマー、画家にとっての筆の如く、スパイクは選手達の仕事道具であるということです。スパイクは重大な問題であり、終始注意を払わなければいけません。何故なら、W杯では些細なことが栄光か又は失望を意味する可能性があるからです…。

…ということです。

それでは皆さん、来週またお会いしましょう!

ウン・グランデ・アブラーソ!

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