ジャパンコネクション

クラッシコ(伝統のある大試合)での大量得点による圧勝

[2005.11.7]

日曜日、サントスとの伝統のある大試合でコリンチャンスが7―1と云う歴史的な圧勝をしました。私はこちら日本の地でこの試合を観て、今年のブラジル全国選手権でのこの様なさまざまな試合結果を思い出しながら、いったい何故このような現象が起こっているのかを熟慮していました。

この同じコリンチャンスが、フラメンゴに6―1で圧勝しているサンパウロに、5―1で大敗を喫しているのです。そして、依然タイトル争いに加わっているフルミネンセはクルゼイロに大量得点の6ゴールを浴びせたにも関わらず、パラナーに6―1という大差での敗北を強いられています。更に、パラナ州とリオ・デ・ジャネイロ州の対決を言うならば、アトレチコ・パラナエンセがヴァスコ・ダ・ガマに7―2で大勝した一戦もあります。結局のところ、特に伝統のある大試合と呼ばれる大一番でこれ程までに点差の広がったスコアーを招いている原因は何なのでしょうか? これが今週のジャパン・コネクションに選んだテーマなのです。

先ず、第一に考えられるのは、選手は一般的な傾向として、現在では7失点して大敗を喫する事実に対しての執着心が欠けているのではないかと言うことです。頻繁なる移籍の繰り返しが、チームに対する選手の意識の同一性の稀薄化をしています。そして、クラブへの愛着心の薄い選手達で編成されるチームはこの様な状況に直面し易くなるのです。

唯単なる理論で終えないためには、時間を遡って話す必要性があります。私がフラメンゴで現役だった1970~1980年代当時、所謂ビッグクラブ同士の対決で7失点を喫する大量得点による大敗は極稀でした。勿論大差での圧勝は数多く存在しましたが、格下のチームに対してでした。快勝と呼ばれるスコアーは良くても4得点だったのです。それでも、「caiu de quatro(四つん這い)」にさせられ
たと言われた程でした。伝統のある大試合での圧勝の殆どはこの様な結果に留まっていたのです。

かの時代に大量失点を許さなかった最大なる要素は、一丸となって選手達が混乱を招かずにプロフェッショナルとして戦っていました。更にはサポーター、そして一人間としての自尊心を揺るがすであろう「屈辱」を如何様にしても裂けるべく立ち向かっていたからではないかと思います。即ち、闘う姿勢も異なり、全員が更なる失点を食い止めるために守備に貢献していたのです。不名誉なスコアーは、チームへのサポーターの怒りを駆り立てて、首脳陣は事態への処置を余儀なくされました。今日では、5失点した時点でディフェンダーはセカンドボールなどに対しても腰に手を当てた状態でボールへの対応へ走りません。大敗など気にも留めていないのです。

但し、ここで明確にしておきたいのは、私はサポーター陣の暴動には断固として反対であり、更には監督を犠牲にするブラジルサッカーの即結果主義的な見解にも徹底して賛成出来ません。実際には、主にブラジルのビッグクラブに所属する選手達は屈辱に対する恐怖心と恥じらいを無くしたかのように思えます。イタリアやスペインでは、トップレベルのチーム同士の対決で一方的に6~7点差のスコアーで終了する試合はめったに見受けられません。でも、ブラジル全国選手権では目新しくない現実と化しつつあるのです。

試合には出場せずともボタフォゴに6失点喫して負けた苦痛と、何が何でも雪辱を果たしたことを想起すると、現状は何らかが間違っているかのような感覚に駆られるのです。決して滅多打ち状態を自然に受け止めて、見逃してはいけません。我々はのた打ち回ったものです。ある大会でパルメイラスに4失点した試合では、6点挙げてリベンジを果たせた次の大会まで苦悩は続きました。この試合に先駆けてのボタフォゴ戦では、4得点を挙げるも、6ゴールには及ばずにサポーターのブーイングを受けた程です!

現代理論に基づいて言うならば、常時移籍を重ねるジプシー的プレイヤー達で構成されている事が大敗に対する無関心さに繋がっているという説明も可能ではないでしょうか。仮に我々が注視すれば、日曜日に出場した何れかのサントスの選手が来期にはコリンチャンスに所属している可能性が多々あることに気付くでしょう。そして、来年のブラジル全国選手権でのチーム編成は異なる顔触れになるのではないでしょうか。

結論を言いますと、この大差での圧勝に対して特定の原因はありません。でも、ピッチ内でのこの無関心なる姿勢の大部分は、グランド外で活動するブラジルサッカー界の首脳陣による無責任な行動が深い影響を及ぼしているのではないでしょうか。即ち、クラブ経営陣に就任し経営状況を以前よりも悪化させて去り、非模範的な行動を示す者達が根源なのです。正にこれら全ての情況は、嘆かわしいとしか言い様がありません!

・・・ということです!

それでは、ウン・グランデ・アブラーソ!

皆さん、また来週お会いしましょう!

>一覧へもどる