ジャパンコネクション

かけらを集めて

[2005.10.24]

金曜日の夜フラメンゴの宿泊先に出かけ選手達と話をした。翌日には降格から逃れるための大事な試合を控えていた。私の目的は別に形式ばったものではなく、ピッチの中で以前から眺めていた誰かのように単なる日々の会話的なものだった。最初は選手達が少し緊張しているのを感じた。今クラブの状態は非常に難しい時で、私が行く事で何かの役に立てることを信じていた。可能な限りその緊迫したような雰囲気を崩そうと心がけた。私がやろうとしたのは彼ら一人一人からそう言う緊張感を取り除き、やり返してやると言う意識を持たせ、ミスを少なくする事だった。

あそこに選手達と話に行ったのは呼ばれた以上に自分の心からの気持ちの方が大きかった。翌日にライバルのヴァスコ相手の試合があったからではない。それよりもブラジル選手権も終盤に近くなり順位も微妙な中で全員が出来る事はやろうという事を要求する必要性も感じていた。この私もあのユニホームを着て何年も過したし誇りを持ってきている。その間随分戦ったし大変幸せでもあった。幾度もチームを批評もしたが誰かを攻撃するわけではなかったし、クラブの現状に納得出来なければそのような心境になるのが普通だった。そう言う事を選手達に話した。

選手達の一人一人の目と目を見ながら幾つかの話をした。自殺点のミスについても話した。キーパーにバックパスをするのは常に危険であること。例え話しで、もしバックパスをした時にキーパーが心臓麻痺を起こしたらボールはネットの中に転がって行くだろうと。バックパスにそんな大げさな話があるかって?当然!私は強調した。

もっと話した。相手に挑発などされてそれに反応すると正常心を失いチームに迷惑を掛ける事になる。右側を殴られたら別の方を向ける。イエズスが言った事だが、我々の元仲間であり、世界チャンピオン監督でもあるパウロ・セザル・カルペジアニが相手の前でどう言う態度を取るかを言葉を借りて翻訳していた。

打ち勝つ事必要性も言った。これから先は試合一つずつが決勝だと思って戦わなければいけない事、彼らにはまだ何かを与えてやらなければならなかった。このままフラメンゴと一緒に二部に落ちれば彼ら自身にとって良いはずが無い。不名誉な記録が彼らの人生に残ってしまう。心理的な作用は大変大事な部分でもある。私は日本代表のことを出して話した。日本は決して世界チャンピオンほどの伝統は無いが力はあり、それを信じる事が大事なのである。信じて多くの練習を重ねれば自分の限界以上のものを発揮出来るのだと。 

打ち勝つ精神力を選手達に話せば、ジジーニョがいつも言っていた言葉も伝えた。ある時技術的にサッカーが上手く出来なければそれを補うためには戦う意欲を普通以上に持つことが大事だ、と。そこでホンジネーリを例に上げた。彼は国境を越えてもなおスパイクの先に心を込めていた。彼は完璧なる体力を持ってフラメンゴを前方に押し上げた。例えば名選手であるリベリーノとボールを競った時に相手は足を上げているのに彼は頭を突っ込むくらいの闘志を持っていたのだ。

チームと良い話し合いをした。選手達は少しずつ気分がほぐれて質問も出始めていた。私は彼らがリラックスしているのを感じた。しかし負け続けている事とチームの順位から来るプレッシャーを感じていることでチームが動揺しているのは明確だった。選手には監督に協力する事を要求した。今は規律を重んじる事、自身の状態を常に100%に保つこと。今はそれをもっと強力にする事が必要である。

不幸にも翌日の戦いはミスも犯し、ヴァスコに負けた。だが、全部負けた訳では無い。まだ試合は残っているので、この状況から抜け出せる可能性はあるのだ。又ここで、かけらを集めてチームを作らなくてはいけない。心の奥ではみんながフラメンゴは現在苦境に陥っている事を知っている。私も、多くの人々も。何年も企画不足の積み重ね、決断をする時のミスなどがサッカーでの腫れ物を膨らませている。膨らんで、膨らんで、今になってどうしたらいいかと皆が聞く。

サポーターも救い主は居ない事、簡単に奇跡は起こらないことを認識しなければいけない。アンドラーデ、アジーリオ、私、その他・・・我々はフラメンゴの黄金時代を築いた。それには現在のクラブとは違った一つの組織構造の中で多くの練習を積み重ねた結果だ。現状は大変違う。急激な改革は無理であるが基本的に日々仕事をしなければいけない。仕事をして、仕事をして、多くの対話をすること。降格を防ぐためにも。現実にフラメンゴは二部降格に近づくばかりである。教訓を学び苦境を覆し今後の試合に向かってやり直さなければならない。

ジョエール(新監督)、幸運を祈ります。

では又来週までご機嫌よう。 

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