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リベルタドーレス杯決勝

[2005.7.5]

南米大陸で最も重要なタイトルを決定するタッサ・リベルタドーレス・ダ・アメリカ(リベルタドーレス杯)で、史上初となるブラジル国内のチーム同士による決戦が実現します。南米においてのサッカーの権威を示すべく、アトレチコ・パラナエンセとサンパウロFCが決勝進出を果たしました。以前は大会レギュレーション自体が、このような対決を過去一度も成立させませんでした。同じ国のチーム同士は、決勝以前に強制的に対決するように試合が組まれていました。

しかし仮に過去、同国のチーム同士による決勝戦が認められていたとしても、アルゼンチンやコロンビアのチーム同士、あるいはウルグアイのペニャロールやナショナルの絶頂期による決戦となっていたことでしょう。今回の決勝戦は理にかなっているのです。この2チームはブラジル全国選手権をも差し置いて、この大会に全力を注ぎました。タイトルを獲得するためには全力を出して戦う必要性があります。同時進行で2大会制覇を狙えば、二兎を追うものは一兎も得ずの如く、両方を逃す可能性があり今回の目論見は適切な方策だったと言えるでしょう。

唯一思うのは、ブラジルサッカー連盟がアトレチコ・パラナエンセとサンパウロFCの両チームの状況を敏感に感じ取り、試合スケジュールを考慮しても良かったのではないかと言うことです。ブラジル全国選手権を2週間休戦させても、然程大きな問題は生じなかったのではないでしょうか。でも、ブラジルサッカーの最高権威である組織は、この試合の歴史的重大性を注視していないようにも伺えます。

これら一連で嘆かわしいのは、CBF(ブラジルサッカー連盟)は決勝第一試合目の開催スタジアムの決定にも仲裁できていたことです。決勝進出48時間経過後も、試合がアレーナ・ダ・バイシャーダ(アトレチコ・パラナエンセのスタジアム)又はポルト・アレグレ市のベイラヒーオ・スタジアムで開催されるのかが判らない状況でした。結局、インテルナショナルのホームスタジアム(ベイラヒーオ)に決定しました。全ての理由は、収容力4万人以下のスタジアムでの開催が許可されないレギュレーションでした。その最中、フラカォン(アトレチコ・パラナエンセ)は試合開催を可能とする、特設スタンドの増築を実行し時間と闘っていました。歴史は異なっていたかも知れません。

私が、事前に定められたルール履行の愛顧者であることも明確にしておく必要があります。でも、この件に関しては、入念なレギュレーションに対して良識を生かす価値があるのではないかと思いました。アレーナ・ダ・バイシャーダは、尊重されるべき構造を有するクラブの近代的なスタジアムであり、そこでの重大なトラブル発生の記憶はありません。だからこそ、それ以上のキャパシティーを要求するのは難しいことでもあります。サンパウロFC自身もこの件に関しての交渉は落ち着いて対応していても良かったのではないかと確信しています。でも、サンパウロFCはアドバンテージを得ることを優先したとの一言に限ります。

試合自体に関しては、均衡の保たれた試合になるのではないかと思います。体質が完全に異なる2チームは、準決勝でホームの利を有効に活用して試合をものにした熱意と闘志が一致しています。ミスを少なくしたチームがタイトルを制する可能性を秘めた決戦だと言えるでしょう。PK戦で決着がつく確立の高い決勝戦ではないでしょうか。

両チームの指揮官も経験豊富な人です。ロペスとアウツオーリ監督は既にリベルタドーレス杯決勝戦を過去にも戦っており、このような大戦を知り尽くしています。予期せぬ出来事が生じない限り、とても感動的な試合を期待することができるでしょう。強豪同士によるビッグゲームなのです! プラス思考のトリコロール(サンパウロ・ファン)は、経験豊富な選手達と強力な攻撃を構築するアモローゾとルイザォンの存在が勝負を決める可能性を秘めており、サンパウロが若干優勢だと思って良いでしょう。

その反面、アトレチコ・パラナエンセは準決勝での得点で士気が高まっているリーマ選手、経験豊富な選手の域に達しているアロイージオがいます。即ち、同じような攻撃力を有しております。ブラジル全国選手権での不振のみがハンディキャップとも言えるかも知れませんが、チームは何も落胆する必要などありません。昨シーズンのクリシウーマがその実例です。昨年のこの時期には首位争いを繰り広げていたにも関わらず、降格してしまいました。としたら、アトレチコ・パラナエンセはその逆を辿れないのでしょうか? 先ず、リベルタドーレス杯を念頭に置き、その後に遅れを取り戻せば良いのです!

ベンチにはイバラの道を知り尽くしている人物が存在し、ピッチ上では、闘志溢れるチームがトロフィーの争奪戦を繰り広げます。そして、これら全てにおいて恩恵を受けることができるのがブラジルサッカーなのです!

・・・と、いうことで、皆さんまた来週!

ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

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