ジャパンコネクション

コンフェデ杯総括

[2005.6.28]

リオ・デ・ジャネイロに到着するなり、如何に日本がコンフェデレーションズ・カップで世界サッカー・シーンを賑わせたかを察することができました。だからこそ、最初に各方面から届く数々の暖かい声援の表示に感謝の意を伝えたいのです。正に難しい行動だと理解はしていますが、反ブラジルの姿勢で私を応援したとの声が届きます。これらの力強い支持をアリガトウ!

興味深いのは、私が日本代表の指揮官であり、つい最近ワールドカップ予選を突破した事実を知りながらも、実際にはなんの代表なのかを認識していない人々が多かったことです。この遠距離からなる知識の無さが、アジア大陸に於けるW杯予選は他よりも安易だと人々は考えがちなのです。他地域同様、アジアでもライバル心が激戦化を招くことを理解していません! アジアのトップの座に着いている、現在の日本に関してですが、我々の敵は困難を強いるためにあらゆる手段で挑んでくるのです。

これらの背景に於いて、我々は1stラウンドで敗退を余儀なくされるも、ドイツの地で日本が実践した内容には多くが驚きを抑え切れなかったことでしょう。未経験の選手達で編成された潰しやすいチームに遭遇することを期待していた人達は特にです。我々は、敵が全力で挑んで来ることを考慮して準備を整えました。されど、既に日本は要注意だと言われつつもあったのですが、その事実を証明できたのではないでしょうか。更に私見ですが、我々は最も困難なグループで闘ったのです。

メキシコ戦では立ち上がりの15分間は素晴らしい内容の展開でした。先制し、ボールも思うように繋がったのです。更には、認められなかった日本サイドへのペナルティーキックも存在しました。でも事実は、我々は好内容を維持できずに、失点を喫してしまい、不手際な後半となってしまったことです。そして、試合終了間際に再びプレッシャーをかけて反撃を転じることが出来ました。でも、既に時遅しで、敗北を強いられたのです。当然なことでもあるのですが、チームにはデビュー戦による緊張感が影響したのではないでしょうか。更に残念なのは、相手チームの出場選手で最低でも2名が薬物使用に対する疑惑が後に発覚したことなのです。

2戦目は、闘志を改めてピッチへと臨みました。我々の持ちえるサッカーを発揮すれば勝者としてピッチを後に出来ると確信を持って、更にオフェンシヴな戦術へと変更したのです。敵は長身選手を前線に置いて、ハイボールをエリア内に供給して来る作戦でした。対して我々は素早いパス出しによるスピードあるチームを組んだのです。更に、相手チームは足を使ってのプレーを疎かにしたのではないでしょうか。我々は終始堅守で臨み、積極的に攻撃を仕掛けて、実際には追加点を挙げて更に有利なスコアを構築してピッチを後にすることが出来ていたのです。記者会見でも、最終的に逃した数得点が行方を左右することも有り得るのだと述べました。そして、現実と化したのです。

2戦目を終えた時点で我々は既に大きな収穫を得ていたのです。現欧州チャンピオンを下したことで、驚きを多くの人々に与えました。我々が勝利を必須条件とした決戦で、ブラジル自身も不意を突かれたのではないでしょうか。我々が好む攻撃的なサッカーを展開したからです。敵の陣地を抉じ開けて、タイトに仕掛けたのです。母国を敗退させねばならない境遇は体験したくはありませんでした。でも、これも使命なのです。立ち上がりから急襲攻撃で挑み、線審のオフサイドジャッジがなければ、前半僅か3分で先制していました。完全に試合の流れを変えるべき一点だったのです。ブラジルは逆行に立たされ、押し上げる必要性を強いられたでしょう。選手達は敗退の危機に対して焦りがでるのです。敵の激しい不安による攻撃に対して、我々の得意とするスピードを生かしての反撃も可能だったのではないでしょうか。もしかしたら、別の結末が待っていたかも知れません。

どんなチームであれブラジル相手に今回のように8回ものチャンスを作るのは至難の業だと言えます。稀に見る展開です。ブラジルは必要に応じて何時でも点が取れるとの思いでゆったりと構えていたのだと言う声もありました。でも、ピッチ内ではそうはいきません。この様な大会では、試合をのんびりと展開させることは出来ないのです。チームの活発な動きと選手達の才能が試合内容を決定付けたのだと言えるでしょう。

勿論、私自身は喜んでおりません。メキシコ戦では選手の薬物使用疑惑、そしてブラジル戦では無効となった得点とロスタイムに対する判断及び試合終了間際での意味不明なレフェリーのジャッジなどによる損害を被りました。でも、好内容の展開を披露することが出来たのです。既に我々は予想外な存在ではなくなり、今後はこの事実に基づいて取り組んでいかなければなりません。フィジカル及びテクニカル面での素晴らしい教訓を得ることが出来、更にはピッチ内外に於いて勝利しなければいけないことを教えられました。ワールドカップへ向けての大きな期待感を与えたこともあり、今後も向上を目指して更なる献身あるのみです。

・・・と、いうことです!

それでは皆さん、また来週!

ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

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