ジャパンコネクション

決戦の週

[2005.5.31]

3年間積み重ねて来た練習の成果を今週の試合で出す事ができるかどうかで日本の行方が決まる。ドイツのワールドカップへの予選突破の運命が懸かった2試合を我々は戦うのだ。今回のジャパンコネクションではこれを取り上げないわけには行かない。

我々はUAEの首都、アブダビで調整練習に入っている。その前に行われたキリンカップではモチベーションをアップするために良い結果を出したかった。しかし逆にプレッシャーを感じるような立場に追い込まれる結果となった。ホーム試合でペルーとUAEに負けた事が周りの人達にも心配させる事になったのは自然であろう。だが私は落ち付いている。それはハッキリしている。

負けが続く事が良くないのは当然である。しかし今回の試合は今までと別のものであり、そこに勝点3点があるのだと思い返すことが大事である。現実としてキリンカップでホームで戦った相手とは親善試合的で結果についてはそれほど重視してはいなかった。しかし今は違う!それに代表選手にはヨーロッパでプレーしている選手も加わっている。この選手たちは前回の2試合には出場していなかったのだ。

次の金曜日のバーレーンとの試合が特に大きな試合だと考える。何故なら2つの枠の内の1つに入るために戦うチーム同士の直接対決であるからだ。現実に彼らにとっても重要な試合である。それだけに彼らの意気込みがアップしていることは間違いない。我々はそれ以上の気持ちで戦わなければならないのだ。もし彼らが負ければプレイオフの望みも遠ざかることになるのだ。

私のチームを見ると、最近の負け試合がメンバーに動揺をもたらしたことは否定できない。幾つかのタイトルを取りアジアのナンバーワンになった。そこに今回のキリンカップでの結果は急激な煮えきれないイライラも感じたであろう。しかしそれを良い方に考え、チームのバネにすることが大事である。

良い練習はできている。選手たちは創造性を持ち、キリンカップにおいても上達が見られた。その中で何が足りなかったかと言うと、フィニッシュの段階での落ち着き、冷静さである。 

今我々のやるべき事は、チームの一人一人が能力の最大限、それ以上のものを出し切る大事な時が来ていることを自覚することである。この時に誰もエネルギーを節約する必要はない。後で“あそこでもっとやれたのに”と悔やまなくても良いようにだ。

選手の中に今まで勝利を味わって来たのに、今は敗北のプレッシャーと一緒になっている者がいる。心理的な仕事が必要な時でもある。 

アブダビの気候は暑い。バーレーンのマナマではどうであろう。まず快適であろう。中国では大変暑い思いをしたが、克服して結果を出せた。力強いリズムで良い練習は出来る。そして彼らの上に全てを出し切って戦うのだ。彼らはホームでサポーターの勝利を求めるプレッシャーの中にいる。

その後では北朝鮮戦が控えている。それも無観客試合という稀にない状況の中でである。当然のことながらバーレーン戦は大切な試合である。だが、バンコクで観客がいないのは中立地以上の環境でやるのと同じ位全く違った環境である。この予選の中だけでも随分と話の種が出来たが、これもその内の一つに入るのは間違い無しだ。

この3年の間に大変質の高い良い練習をして来たと自負している。これから先は確信を持つことと慌てずじっくり攻める事。そして試合は相手の力をねじ伏せるような方向に持って行く強い気持ちを持つことだ。チャンスは無駄にせず利用しバランスを保つ。これが私の処方箋と考える。

そして次の回ではもっと希望的な言葉がドイツの大会に向けて発せられるようにしたい!

ジーコ直筆サイン

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