ジャパンコネクション

欧州クラブ勢による圧力

[2005.3.21]

私は先週末、セリエAで優勝争いを転じ、他の欧州大会にも参戦中の監督である、ユベントスのファビオ・カペロ氏と、ACミランのカルロ・アンチェロッチ氏のインタビューを見ました。彼らは、大会が終盤を迎えた今現在、主要メンバーを各国代表に失うのだと大いに異議を唱えていました。そして、これらを論証にクラブへ圧力をかけ、選手達を代表不参加にするか、又は試合の二日前の合流という意見で闘っています。

許しがたい議論だと思います。現在、FIFAの最大なる大会であるW杯の予選を闘っています。そして、私やパヘイラ監督、そして他の各国代表の監督も含めて、選手不足を肌で感じながら苦しめられています。FIFA自身がこの予選段階をW杯1stステージだと捕らえている訳です。

時には、FIFAの支持を得ながらも、各クラブが選手を束縛する事態は私が日本代表監督に就任以降抱える大きな問題でもあります。今まで何度も選手達は試合直前に代表に合流しました。このような環境で選手達自身が大変微妙な状況に立たされることを認識しています。だからこそ私は、クラブの意向をくみ取り和解することで、選手達に悪影響を与えないように心がけています。でも数日前、日本代表のミッドフィルダーでありオランダのフェイエノールトに所属する小野選手は、合流させられないとの情報が届きました。怪我からの復帰段階である彼は、日本代表に合流する様な状態ではないのだと言われました。しかし小野選手はチームの試合に出場していました。この様な状況に関して、選手が代表に参加できるように日本サッカー協会の調整が必要とされました。

この様なクラブとの葛藤の事例は、私達が望んでいるグループ練習に困難を及ぼすだけではなく、直前でメンバーを変更するという対応に精神的重圧も掛かるのです。何故なら、欧州クラブに所属する選手達の不在期間を補うために国内でプレーをする選手達を召集するからです。彼達は意欲を持って活気あるプレーで際立つも、海外組が前日に合流し試合に出場するのです。

この様な現状が、新たに代表に参加するメンバーの気迫低下をも招くリスクを負っているという重大な面も含んでいることにお気付きでしょう。これに対する解決策は何でしょうか? 「海外組」は経験を培っており、外せない状況です。その反面、日頃練習を共にしている国内メンバーには、リズムがあります。ここが板ばさみで辛いところです。どんな決断を下そうとも、批判は付き纏うことでしょう。

だからこそ、FIFAはこの件に対して、確固たる姿勢を示していなければいけないのだと私は思います。欧州の主要10~12クラブが、主導権を握ることを承認するか、この件に対して終止符を打つかの判断を下すべきです。各クラブが、選手達を確保するためには、莫大な金額を費やすことは理解しております。これに関しては発言しません。しかし選手達にとって、各国代表でプレーすることで評価も高くなります。私自身は、この様な状況が和解できる事で、選手達に6月に行われる試合はもっと安心して臨めるのだと伝えています。そして、ラストスパートを意味する終盤戦としても、日本にとっては重要な時期でもあります。

私の意見では、欧州サッカー大会の予定を整理することが、解決策だと思います。勿論、有名選手達を保持するためにクラブは莫大な収入が必要でしょう。そこで、チャンピオンズ・リーグを拡張し、更にUEFAカップも開催されます。でも、他の選択肢は存在しません。このクラブ特権方策には、欧州各国代表も既に影響を受けている状況です! だからこそ、代表を重視し、この問題を再検討する時期は、とうに過ぎたのだと再度繰り返し言います。そして、これが今週のジャパン・コネクションのメッセージです。

・・・と、いうことです。

それでは、また来週お会いしましょう!

皆さん、ウン・グランデ・アブラ

ジーコ直筆サイン

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