ジャパンコネクション

さらばトヨタカップ

[2004.12.14]

日曜日に世界サッカーは、その歴史に多くの記録を刻んだトヨタカップに終止符を打ちました。 1980 年から綴り続けられた、世界一のクラブを決定する世界クラブ選手権は、 25 回にわたる優勝の雄叫びに今回、ポルトがオンセ・カルダスを PK 戦の末に優勝を果たして、トヨタ ヨーロッパ / サウスアメリカ カップにピリオドを打ったのです。 1981 年に、正確には 12 月 13 日に東京の地でリバープールに勝利し、フラメンゴがクラブ史上最大のタイトルを獲得したことでこの大会は私にとっては特別な思い出があるのです。私には感謝の意も含まれた美しい想い出が記録されており、紛れもなく全ての仲間達の記憶にもこの歴史が宿っていることでしょう。 

トヨタカップ第 22 回までは東京の国立競技場で開催され、そして最終 3 回の会場となった横浜国際競技場で得た情報によりますと、来年からはトーナメント形式の大会が開催されるそうです。初年度と 2 年目は日本で開催されることが決定されており、第 1 ラウンドはアジア、オセアニア、 Concacaf (北中米・カリブ地区)とアフリカの各代表クラブによって行われ、決勝ラウンドから南米とヨーロッパが参戦するとのことです。トヨタカップは名残惜しさと多くの想い出を残しながらも、この新しい大会形式は大いに理にかなっているのではないかと思います。

事実上の世界クラブ選手権は、常にヨーロッパと南米の対決として、 1960 年に初めて開催されました。レアル・マドリードがペニャロールを敗って初代チャンピオンに輝いたのです。かの時代には開催国は固定されておらず、ホームアンドアウェイ形式で行われていました。但し、この形式は会場でのプレッシャーに悩まされるとの理由でヨーロッパ勢の批判を浴び不満を募らせたのです。試合会場は主にボカ・ジュニオーレスのラ・ボンボネーラ スタジアムのような真の坩堝だったのです。そして、 1980 年に自動車メーカーがこの大会をスポンサードするようになってからは、名称変更が行われ、開催地を東京へと移行して、 1 試合による決戦へ変わりました。これがトヨタカップ誕生の瞬間だったのです。

そして、丁度この大会 2 回目の年にフラメンゴがタイトルを獲得したのです。興味深い点は、ヨーロッパ勢がこの決戦に向けての事前準備の必要性に対して軽視していたことです。彼らは直前に来日することで結果は自ずと見えており、初めの 5 年間は南米が連勝しました。時の経過と共にこの捕らえ方が変わり、東京で熱戦が繰り広げられるようになったのです。サンパウロが 1992 年と 1993 年にバルセロナとミランを下しての連覇、対ヴァスコ・ダ・ガマ戦でのレアル・マドリードの勝利や、ポルト対ペニャロール戦…、多くの決戦を観ることが出来たのです! 正午や午後 7 時のキックオフ、雨天、晴天、更には降雪などの気象状況下でのゲームもありました。トヨタカップはあらゆる状況において開催されるも、感動に事欠くなどは殆んどなかったのではないかと言えるでしょう。

でも、最終節となった今回の PK 戦にまでもつれ込み、ポルトが 8 対 7 で勝利したオンセ・カルダス戦では、多少ながら感動面で不足したというのが、私の正直な意見です。特にコロンビアのチームに関して言いますと、終始引き分けを目指しての展開が見受けられました。輝きが欠乏していたのです。もしかしたら、最終回を飾るにあたり、南米は他チームの方が相応しかったのかも知れません。

更に日曜日の決戦の日に、私はミシェル・プラティニーと再会する機会に巡り合い、試合中継したテレビ局のブースでハーフタイムに対談することも出来ました。大変有意義な時間を過ごし、私の ビデオ 「 Zico - Futebol Pra Quem Comeca」に も素晴らしさの余りに収録した、彼の「トヨタカップでの素晴らしいゴール」を想い出しました。このプレーは残念なことに無効と見做されましたが、ゴール自体はトヨタカップの歴史の 1 頁に刻まれたのです!

全てにおいての運営が整備された中立な会場で、常に満員状態を誇ってきました。これが世界クラブ選手権の特長だったのです。でも、こちら日本では新たな大会形式による大陸決戦の野望に向けてのモチベーションの兆しをクラブに感じ取ることが出来ます。オセアニアに関しては他地域よりも多少出遅れており、大きな意識変化は視られないとは思いますが、アフリカと Concacaf (北中米・カリブ地区)についてはアジア同様な現象が起る可能性があるでしょう。

この世界クラブ選手権の新たな大会形式が継続性のあるものとして、終わりを告げたトヨタカップ同様に成功を収めることを願うのです。新生チャンピオンよ、いざ、来たれ!

…ということで、 ウン・グランデ・アブラーソ!

それでは、皆さんまた来週!

ジーコ直筆サイン

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