ジャパンコネクション

真正なるフラメンゴ

[2004.11.29]

私が番組「 Bem Amigos 」で最近、対ヴァスコ・ダ・ガマ戦を観て、フラメンゴの問題に関して皆さんに忠告し私がチームに望んでいたことは、正にパルメイラス戦で魅せてくれた精神です。テクニックをも凌ぐ闘志と勝利への執念という、勝つ為へのプラスアルファをチームに期待していたのです。ところが何故、崖っ縁に立たされた時にのみ実行するのでしょうか?どうしてこの精神を持って大会序盤から臨めないのでしょうか?

私は以前から、世界中のどんな場所においても、技術レベルにはそれほど大きな差は無いのだということを述べています。組織化・計画性・施設の必要条件を取り除けば、ピッチ上での差はあくまでも闘志であり、どれだけ胸の奥に秘められている闘おうとする意欲を出せるかなのです。そして、選手がピッチに魂を捧げ、スパイクに心をこめて臨む精神こそが、正にフラメンゴの常なる特徴でした。私以前の世代がそうであり、そして、私自身が体感したフラメンゴなのです。

今週の日曜日の試合で我らがフラメンゴのこの精神を目の当たりにすることが出来て、レフェリーのタイムアップの笛を聞いて、喜びを感じ苦痛が和らいだ気持ちでした。普段は録画にして起床後に観るようにしているのですが、この試合に関しては、こちら東京では時計が午前 5 時を刻もうという時刻にも関わらず、あえて私は寝ずに生放送を観ることにしました。インターネットを通じて情報を読み、 Parque Antartica (パルメイラスのホームスタジアム、サンパウロ市)でのフラメンゴの勝利を何となく感じており、良い結果の予感がしていたのです。期待に応えてくれて、夜明けと共に床に就いたことを後悔しておりません。

フラメンゴの戦士達は終始ピッチを走り回り、ボールへの執着心を持って闘いました。私が指摘していた闘志とは正にその瞬間に目前にしていたことであり、給料云々などとは関連しない意識なのです。問題の有無には関係なく誰しもが持たなければならない感覚です。常に心の奥深くに己を動機付ける強い意志を持って挑めば、必要とあらば我が身をも犠牲に出来るのです。

この様なことを思い巡らしながら、順位表を一見して、フラメンゴはパルメイラスに勝ち点 25 も引き離されている現実に直面しました…。いったい何たる事だろうか?パルメイラスには十分に敬意を払いながらも、フラメンゴのこの成果は許し難い事実なのです。

フラメンゴは闘志と勝利への執念を存分に魅せてはくれたのですが、特に基本的な「シュートとパス」に多くのミスが見受けられました。決定的な場面でのミスが目立ち、更に数選手に関しては過度にミスを犯したのです。苛立ち、それとも緊張なのか?何れにしろ、プレッシャーは中途半端ではないでしょう。でも、幾多のタイトルを既に手中に収めており、 3 千万人以上のサポーター軍団を代表するチームに対してプレッシャーがかからなかった時など果たして有り得るのでしょうか?ガーヴェア(フラメンゴの本拠地)でプレーをする選手は戦士であり、一試合毎に戦場であるピッチ上で敵を倒さなければならない事実は心得てなければいけません。そして、フラメンゴには選手たちに進むべき方向を示すことが出来る有能な人材が実在するのです。

フラメンゴの象徴とも言うべき人材の一人が、我が同僚の選手としては勝者であり、監督としても有望なアンドラーデ自身なのです。ブラジル全国制覇 5 回、そしてリベルタドーレス杯、更にはトヨタカップ優勝という輝かしい実績を持つアンドラーデが、このプレッシャーを知り尽くしており、共存方法に精通しているという事実に、何らかの疑いの余地を持つ人物が存在し得るでしょうか?私自身、アンドラーデを監督に招き、彼によって CFZ do Rio 史上最高のチームが編成されたこともあり、逆に私が語ること自体が疑わしいのかも知れません。ジュヴェニール・カテゴリーで主要なタイトルを獲得し、プロチームではリオ・デ・ジャネイロ州リーグで、 Camacho 、 Fabio 、 Tiano 選手等を率いて後一歩で 1st デイビジョンへの昇格を逃したのです。正にアンドラーデは有能且つ前途有望であり、選手達は彼を模範とし、首脳陣はサポートしなければいけない人材なのです。私自身は、彼がチームの指揮を執る一回目(アンドラーデはブラジル全国選手権第 17 ~ 19 節で監督代行として指揮を執っている。)の機会が訪れた時点で継続していなければならなかったのだと思っております…。

でも、今はゴールライン目前であり、ミスや不安などは振り払う時なのです。降格の危機から遠ざかるためには、勝ち点 4 を要します。今は、瞑想して全ての要因を取り除き、試合にのみ集中する時なのです。決して何事も遅すぎることなどはなく、個々の選手が向上心を持って練習に励み、昨日のミスを明日繰り返さないようにしなければいけません。チームには数多く欠点はあるものの、対パルメイラス戦で披露してくれた闘志を持って闘えば、このフラメンゴは紛れもなく大会上位グループに名を連ねていたのだと、確信を持って言えます。この確証は、対サン・カエターノ、ゴイアス、サンパウロ、更にはアトレチコ・パラナエンセとサントス戦でも示してくれました。では、いったい何が欠如しているのでしょうか?不足部分は多々ありますが、最も重要なのは、対パルメイラス戦で魅せてくれたスピリットを繰り返すことなのです。これができれば恐らくは、チームが現時点でも直面しているこの困難な状況と多くの混乱を回避できていたでしょう。

チームの戦術面での機能のみではなく、団結力による素晴らしい勝利でもありました。決して誰にも劣っておらず、この状況から抜け出せるのだという選手達への教訓になればと思うのです。そして、この勝利によってチームが多くを学んだことを期待しております。降格争いには、過去のチャンピオン勢も加わっており、更にはトヨタカップの覇者でもあるグレミオには既に一部残留の可能性すら消えたのです。

フラメンゴは、現在直面している全ての難題よりも遥かに巨大であり、クラブの偉大さを熟知しているからこそ、変革をもたらすがための必要な教訓として、この様な苦難の道を歩んで欲しくはないのです。

そして最後に、サポーターの皆さんに誠意をこめて語ります。私もサポーターであり、正に今嘆願し要求している闘志を、過去に私はピッチ上を駆け全力を尽くして実行してきました。だからこそ、双方のサイドを理解しているのです。でも魔法の杖は存在しません。今の状態は長年に至る原因が蓄積された結果なのです。私個人では何ら改善は出来ません。皆さんもご存知の通り、現時点で私がフラメンゴに我が身を置く可能性すら考えられないのです。私はフラメンゴを熱愛しているのですが、同時にプロでもあり、多くの契約が存在している状況です。今後も私はこちら日本から、フラメンゴがこの状態から脱出できるように支持をしながら応援し続けます。奇跡ではなく、高い信頼度に基づいてなのです。

そして、単独での力は限られており、団結すれば我々は一国の国民に匹敵するのだということを、皆さんに伝えたいのです。対コリチーバ戦ではマラカナン・スタジアムへ足を運び、チームに動機を与えてアンドラーデを支援し、この苦痛に終止符を打つべく闘かうべきです。フラメンゴは現状打開が必須であり、我々の支援が基本です!フラメンゴのサポーターはどんな時でも 12 番目の選手なのです!

それでは皆さん、ウン・グランデ・アブラーソ!

また、来週お会いしましょう!

ジーコ直筆サイン

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