ジャパンコネクション

道の途中

[2004.10.19]

先週の対オマーン戦での勝利で、日本は第一次予選をあと1試合残しながら、2006年W杯ドイツ大会アジア第二次予選への進出を果たしました。我々の最終目標は2006年ドイツ大会出場であることから、折り返し地点を通過したのだと言えます。でも、この第一難関を凌いだことで、その軌跡をじっくり振り返ってみようと思います。そして、これが今週のジャパン・コネクションのテーマでもあります。

6試合。この数字は第一次予選の合計試合数です。でも実際に、第一次予選は2カ国による争奪戦2試合を戦ったのだと言っても過言ではありません。我々のグループ3では、日本以外にはオマーンのみが予選突破への最低条件を満たしていたのです。そして、最終順位決定への第一判断基準は直接対決の結果であり、日本は第二次予選への進出を確実化するためには、2試合共に勝つ必要性があり、我々はそれを成し遂げたのです。但し、別の解説をすれば、日本は僅かに2試合の結果で予選敗退をしていた可能性があったと言うことです。私自身、この大会方式は再検討されるべきだと思っております。

日本、韓国、中国、サウジアラビアは、アジア大陸では伝統的なサッカーへの投資国です。これらの国は、長年に渡りサッカーの発展とプロ化に努め、更には競争力の強いプロクラブも所有しているのです。決して誤った解釈をして欲しくはありません。ご理解いただきたいのは他の国々に対する数カ国への特権に関して言っているのではありません!伝統国を多少なりにも保護できる方式が正当性且つ認知の問題ではないかと思うのです。結局のところ、どんな刺激がこれら新たに浮上したサッカー国に与えられると言えるのでしょうか? アジアカップ決勝戦の日本対中国では、テレビはW杯決勝戦を凌いで記録的な視聴率を挙げたにも関わらず、中国はクウェートにW杯予選敗退を迫られる危機に立たされているのです。公平な結果だと言えましょうか? 私はそうは思いません。

名前は述べませんが、「Copa Sao Paulo de Juniores」(毎年1月にサンパウロで20歳以下の大会)に参戦する「即席チーム」のように、大会終了後にはエージェント達が選手達を移籍させてしまう、「即席代表チーム」が出現しないように、質と誠実さを保護できる大会であることが基本ではないかと思います。これに値するトラブルがカタール代表で発生寸前にまで至りました。ブラジル人選手3名をカタール国籍にして代表チームを強化しようとした事態はFIFA(国際サッカー連盟)の仲裁が余儀なくされた程です。この様な代表は国の発展には貢献せず、他国同様にスポーツ及び経済面での責任を負っていません。

話を大会方式に戻しますが、南米では例えばベネズエラのように伝統国ではない代表も18試合を消化して敗退するのです。上記でも述べたように、両大陸を対比すると、アジアは僅かに2試合で敗退してしまう可能性を秘めているのです。若しかしたら比較対照は過酷かもしれません!でも、アジアのシステムは「いちかばちか」が優遇されるのです。オマーンは、レギュレーションの利を片手に、このようにして我々に挑んできました。即ち、試合での時間の経過を主として来日したのです。第一戦目は試合終了間際に得点を決めての僅差での勝利を得たのですが、全てのサポーターが大量得点による圧勝を望んでいたのです。そして、今回の第二戦目では、大勝を欲していた同サポーター達は敗北を恐れていました。正に「いちかばちか」を醸し出す空気なのです。だからこそ、第二戦目を闘うにあたり鈴木通訳に次のように話したのです。もし、対オマーン戦で勝利または引き分ければ、我々は第二次予選へ進出できるが、仮に敗北を喫した時には私は解雇だと伝えたのです。

でも、オマーンは依然としてアマチュアサッカーであるにも関わらず、決して弱くはありません。若い世代で競争力の強いチームを編成しており、紛れもなくアジアではトップクラスの実力を誇ります。彼等は、シンガポールとインドとはアジアカップ予選で対戦したことで、条件を知り尽くしており、対象外だと認識していたのです。そして、我々は彼等との2戦に備えて最大限に準備を整えました。結果が伴いましたが、負わなければならないリスクは決して公平でないのだという私見を主張したいのです。

理想な大会方式は、この32カ国の大半が事前に敗退して、8~9カ国に絞ってのホームアンドアウェイ形式のリーグ戦ではないかと思います。これにより、強国のみが集結することで、仮に一敗を喫しても全チームに盛り返す可能性が存在するのです。そして、クオリティーの保持が確保されます。

今回の結果にて、来年から始まる2006年W杯ドイツ大会アジア第二次予選に関して熟考することが出来ます。ラオスに一勝さえすれば進出が決定するイランや、突破を目前としているバーレーンは既に我々と対戦しており、アジアカップの再現に近いのです。そして、アジアカップを4位で終えたバーレーンとウズベキスタンは私に好印象を与えたチームだと言うことを忘れてはいけません。第二次予選への進出を決めた国では、北朝鮮のみが大きなサープライズであり、私自身にとって未知の存在だと言えるのです。親善試合を僅かに一度だけしか観ておらず、今後スカウティングを行わなければなりません。

日本は第二次予選突破の可能性を十分に秘めていると私は確信しています。8カ国が2グループに分けられ、各グループの上位2カ国が自動的にW杯出場権を獲得するのです。そして、3位同士が共に対戦をして、勝者はConcacafの総合4位とプレーオフを戦います。第二次予選で最重要となってくるのはホームで勝ち点を絶対に落とさないことです。そして、アウェイでの勝率を維持できれば突破への必要条件は満たされるのではないかと思っております。最大の課題は、既に出場権を得たかのような心構えで臨まないように意識づけをすることです。確かに第一次予選の方が比較的に困難だったのは事実ですが、これからも決して楽な道程ではありません。現段階では、我々の計画通りに進んでいることもあり、プラス思考で今後も献身的に努めて行きます。でも、今週のジャパン・コネクションのタイトルであり、冒頭でも述べた通り、あくまでも「道の途中」だと言うことを常に念頭においておかなければならないのです。

…ということで、皆さん、ウン・グランデ・アブラーソ!
それでは、また来週!

ジーコ直筆サイン

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