ジャパンコネクション

モチベーションを持って

[2004.10.12]

辞書を調べると、「モチベーション」という言葉は「人を行動へ駆り立て、目標へ向かわせるような内的過程。行動の原因となる内部の動因、その目標となる外部の誘因がもととなる。」と記載されております。実際に、目的を達成するためにはモチベーションを持っていることが基本だと我々は理解しています。結果は人々のモチベーションに直接関連しているのです。我々は、単に能力に長けているだけでなく、しっかりと焦点を定める必要性があります。成し遂げるためのモットーは進化にあります。歴史は普遍的に、常に向上心を持って献身的に努め、更に洗練しながら課題を修正する者が、望ましい成果を得ることを証明しています。即ち、常に先見の明を持っていることなのです。

でも、私達は個人的に各々が、ルールを尊重しながら常に障害を乗り越えるべくモチベーションを日々の生活に求めなければなりません。興味深いことに、人々が一見有り得ないような所へ力を求めた例も少なくないのです。私も膝の回復時にはこのような境遇に直面し、自我にモチベーションを求めざるを得ませんでした。でも、何かを心底に熱望し、あらゆる要素の調和が取れていれば、人間は信じ難い成果を得かねません。我々は想像も出来ないところに力と道を発見するのです。

このモチベーションに関しては、ズィズィーニョの言葉が的確であったことを常々思い起こします。頻繁に彼は、技術面が機能していないので、ここ数日間思うように効率が上がっていないのだと言っていました。フラメンゴが調子が悪くてグランドで引きずるような足取りで臨んだ事実を記憶しています。そこで、我々は神が授けてくれた才能の枠を乗り越えて根性で闘ったのです。私のモチベーションに対する経験は、外部からの影響でした。はち切れんばかりのマラカナンスタジアムで、サポーターが熱狂的に跳び上がりながら声援を送り、刺激を与えてくれる光景は、選手全ての心を揺さぶり落胆も吹き飛ばしたのです。我々にとってのエネルギーの源であり、モチベーションでした。

正に、生涯を通じて個人のモチベーションをある一定のレベルで維持するのは大変難しいことです。そこで重要なのは、ある目的を達成しようとも、常に新たなる大きな目標が待ち受けているのだということを認識することなのです。仮にあなたが世界一であるならば、更に洗練してその地位を確かなものにしなければいけません。頂点を極めるよりも、維持する方が困難なのです。全てのライバル達が己の敵と化し、彼達が打ち負かすべき大きな一つの標的へと変身するのです。

今、私は日本代表とオマーンに滞在しており、この意思の伝達をするように努めているのです。今日では、我が日本代表はアジアの強豪国ですが、もっと強い願望を持たなければいけません。我々は更に前進できるのです。でも、現在は頂点に君臨しており、標的化されていることを忘れてはいけません。シンガポールはオマーン戦の戦術とは異なる戦い方で我々に臨んできます。彼等のモチベーションは別物となり、我々も同様に変化しなければいけないのです。常に真剣な眼差しで相手を見つめながら、最大限に注意を払い、勝利への意欲を絶えず強めていかなければいけません。そして、可能な限りに敵を急襲するように創造力を使わなければいけないのです。

何度となく、個人またはチームが制覇を目前にして、何かが欠けていたことで勝利を逃してしまいます。いったい何が原因なのでしょうか? それは様々な要素なのです。指揮官の地位に就く者は、進路を正して真の進むべき道を発見できるように、感性を持って冷静に手助けを施さなければなりません。若い世代は、敗北と直面したときに困難にぶつかり、更には頂点に達した時にリスクが伴います。その反面、熟練者は、その結果は一時的なものだと推測ができ、単に義務を果たすのみではなく、最終目的を達成する必要性を認識するのです。即ち、サッカーではタイトル制覇であり、そして、スポーツ全般で言えば、記録であり、個の闘いでもあるのです。

例えば私の場合、自分の現況を想像したことなどかってありません。でも、私は自己向上のために四六時中献身してきました。日々の練習、合宿参加、食事摂取などに対するモチベーションを持ち、これら全てがいったい何を意味するのかを理解するように努めたのです。決してサクセスは名誉、勝利、記録のみで成り立っている訳ではありません。勝利の為には犠牲も余儀なくされ、不都合に直面し、困難を乗り越えるべく勇気が必要とされます。それには絶対に不可欠な要素があります。それが、正にモチベーションなのです。

…ということで、皆さん、また来週!
それでは、ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

>一覧へもどる