ジャパンコネクション

監督去就騒動

[2004.07.13]

監督があるチームを指揮する為に契約するということは、自動的に彼は「延長期間が可能な辞任届け」に署名する事です。まあ、これは冗談だとしても、ブラジルにおいて特に計画性に欠ける首脳陣により経営され、即結果を熱望するサポーター軍団を有するビッグクラブにとっては実際にこれが世の常でした。しかしながら今日では、この「監督去就騒動」という傾向は全サッカー界まで伝染したかのように思えます。

旧大陸でも「 UEFA EURO 2004」が監督業に対する雇用安定が既に崩れ去ったことを明確にしてくれました。世界サッカー勢力の均衡化が進む中、結果に対する要求も激しく、長期雇用への保証を確保することは日々困難になって来ています。強豪国であるイタリア、ドイツ、スペイン、オランダ、更にはブルガリアも含めた代表監督は、ヨーロッパ最大の大会での不満足な結果に持ち堪えることが出来ませんでした。

開催国ポルトガルのブラジル人ルイス・フェリッペ・スコラリ監督も、初戦でギリシアに敗北を喫し、一時は危機に立たされたました。でも首脳陣は、決勝戦では敗れたものの、ヨーロッパ 4強へ導いて選手達に自尊心を取り戻させたフェリッペの重要性を再認識することで監督との契約更新を行ったのです。

ドイツでは、 Rudi V_llerはユーロ敗退直後、解任を待たずして自ら辞任を申し出ました。その反面、フランスのJacques Santini、そしてオランダ、ブルガリア、スペインにおいて、監督は解任を余儀なくされました。 逆に功績により威信を得たのはギリシアのドイツ人監督 Otto Rehhagelです。大会以前には母国で無名に等しかった彼は今ではVollerの後任候補に挙げられております。まるでシーソーゲームの様です!

南米に関して語るならば、アルゼンチンのマルセロ・ビエルサ監督はコパ・アメリカでメキシコ戦での敗北後には解任の危機に直面しました。更にはアルゼンチン・チームであるボカ・フニオールスのカルロス・ビアンキ監督はリベルタドーレス杯決勝戦でオンセ・カルダスに PK戦による敗退を喫したことで辞任を決意したのです。

そしてこちらアジアの韓国では、ポルトガル人のウンベルト・コエーリョは大変困難なミッションを強いられました。 2002年W杯で世界の4強に食い込んだことに伴い責任も拡大したのです。東アジア・チャンピオン、そして2006年W杯予選グループ首位にも関わらず、一試合をモルディブ島に引き分けたことが解任劇には十分だったのです。

本コラムの冒頭に話題を戻しましょう。監督の去就問題は常に典型的なブラジルの習慣だと述べましたが、結局のところ大多数のチームは計画性を最優先においておらす、実際には今日も頻繁にブラジル内で勃発しているのです。それでは皆さん、サンパウロ、ボタフォゴ、コリンチャンス、クルゼイロ、サントスの共通点は何だと思いますか? これらのチームに限りませんが、ブラジル全国選手権は折り返してもいない時点で、前述全てのクラブのチームが監督交代を行いました。

私は、チームの成功には計画性の重要性を執拗に強調する必要性に駆られます。決して監督は永久雇用でなければいけないという意味ではありません。構想に基づいて成果が出ない場合は監督自身も責任を負わなければいけません。でも、あってはならないのは折角の素晴らしいプロジェクトにも影響を来たしてしまう様な即効性を求めることなのです。一例を挙げますと、仮にギリシアサッカー協会が「 UEFA EURO 2004」の予選ラウンド序盤戦での2敗に不安を露呈していたら、祝杯を現時点で挙げていることは無かったかもしれません。

だからこそ私は、この様な使命を受けた者は決して敗北を恐れてはいけないのだと、現在は監督当事者として平穏に語れるのです。献身的に臨み、自己を信じて、チームが哲学を理解してくれることを願うのみです。そして、私自身はこの精神で日本の指揮を採っており、思想を変えることなく今度はアジアカップへと向かいます。でも、常に 2006年W杯出場を視野に入れて突き進むのです。但し、幻想を抱くことなく、もし結果が伴わなければ私にも同じ宿命を辿る可能性が存在することを肝に銘じているのです。

…ということで、また来週!

それでは皆さん、ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

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