ジャパンコネクション

交流 ~ 情報交換

[2004.06.01]

経験。それは、込み上げる激しい不安を抑制し、精神的な安定を与え、パスの正確性、又はゲームを読む能力、更には得点力を高めるためのキーワードです。今週のジャパン・コネクションは正確には、 2006年FIFAワールドカップドイツ大会アジア地区一次予選第3節対インド戦に備え、日本代表がフレンドリーマッチを2試合戦いに来ているイングランドのマンチェスターより直接に皆さんへ配信しております。今回の本コラムのテーマは交流の重要性であり、国から遠く離れた遠征先と深い関連性があるのです。

全てにおいてのスポーツがそうであるように、情報交換、視野を広める、新しいコンセプト(概念)を吸収するなど、いわゆる、違いと共存して最良を抽出していきます。サッカーも例外ではなく、これらは経験を得る過程で絶対に不可欠な要素であります。私は、プロとして初期の頃に参加した遠征や、 1971年のコロンビアでのオリンピック予選でブラジル代表の一員として日が浅い頃に直面した困難な状況などを清明に記憶しています。アレルギー性疾患により咳が止まらない病状に至ったのです。

更には、異なる環境の中でチームメイト達と日常の場から離れて共同生活を営むという側面も考慮しなければなりません。言葉や文化の違いなど、これら全てが修練と個人的な円熟への糧となるのです。私自身もこの様な過程を歩みプロ選手として形成されていったのです。この「やりとり」のプロセスを我々は「交流」と呼びます。

一例あげると、ブラジルは近年、ルイーザ・パレンテやダニエーレ・イポーリトなど有能な女子体操選手を育てていたのです。常に進化しつつありました。でも実際に、このプロセスを加速化させたのはウクライナからプロの指導者 2名を招聘してからです。彼女達は、このスポーツ種目では世界のトップに君臨するプロ達の練習スタイルを深く体験するようになり、そして、もっと頻繁に海外へ出て行くことで「やりとり」も増えたのです。結果は自ずと表れました。現在、ダイアーネ・ドス・サントスは 床運動 で世界のトップ選手であり、彼女名義のエクササイズ(練習・特訓)まで存在するのです。

他の例はさておき、サッカーに特定した話題に戻りましょう。私は 1990年代初頭に来日を果たし、南米と欧州から多くを学びサッカーの発展を積極的に試みようとする国と出会しました。感受性の高い国民であり、スポーツ界においての交流の重要性を認識している経営者陣にも恵まれております。私自身、日本代表の指揮を執るにあたり、構想の一つが正に「東洋サッカー」の発展でもあるのです。勿論、目標は 2006 年 FIFA ワールドカップドイツ大会アジア地区予選突破なのですが、挑戦すべく前途は更に険しいのです。即ち、日本を東洋圏での初のタイトルへと導くことでもあります。

世界の如何なる国とでも対等に戦えると感じると同時に、逆に注視される存在になれるように、選手達が今後もっと多くの経験を身に付けて行くことでこれの実現が可能となり得るのだと確信をしております。それだけのポテンシャルは秘めているのです。日曜日には、 日本は長年に渡り達成出来なかった逆転勝利という強固とした反撃力が要求される試合を展開しました。私が代表監督に就任して以来、日本は 25試合中、フランス、イングランド、ハンガリー、チェコ共和国でのアウェイ決戦を10試合行いました。私は親善試合での勝敗よりも、如何に修練を積んだかに比重を置いていることからも、5勝という数字はまずまずの勝率なのです。更に、欧州への遠征はヨーロッパ組の体力の消耗を抑えると同時に私自身が理想とするグループとの練習期間を増やしてくれます。

これが目指すべく道なのです。辿る道のりは長くも、日本人選手の根本的概念を優先しながら、交流を意図としたフィロゾフィー(哲学・原理・人生観)を選手達が理解してくれていることが重要なのです。このコンビネーション(組み合わせ、配合)が行く行くは「日出ずる国(日本)」のサッカーを世界で傑出した地位へと導いてくれることを確信しているのです。

…ということなのです!

それではまた来週!ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

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