ジャパンコネクション

ブラジル人選手~日本での現実

[2004.05.11]

今週のジャパン・コネクションでは、日本サッカーにおいて頻繁に起こりつつあるブラジル人選手達の現状を分析したいと思います。ブラジルの試合日程の錯乱的なリズムに慣れきっている選手達は、日本へ移籍しても、同様なパフォーマンスを披露出来ないでいるのです。それに対しての原因は数多くあり、その内幾つかは大変複雑だと言えます。

根本的には、試合数が少ない国に訪れたことにより生じる選手達の驕りがあるのではないかと思います。その反面、日本のサッカーはとてもスピーディーであり、テンポの遅いスタイルのサッカーでは適応性がないのです。ざっと比較して見ますと、ブラジルのチームは日・水・日と戦い、年間 70試合はこなすのに対し、日本では55試合に達すれば例外とも言えます。それも、Jリーグ、ナビスコカップ、天皇杯、その他諸々を全試合戦っての数字なのです。

若き選手達は、満足のいく年棒と不動のレギュラーを思い描き来日を果たします。彼らはブラジルのハードな試合日程により、ゆったりとしたテンポの試合の流れに慣れきっており、すぐに日本のチームが強いるスピードに戸惑いを覚えます。その事で彼達は、本来のサッカーが発揮出来ないのです。中にはベンチ要員へと廻され、結局は活躍出来ずに帰国を余儀無くされる選手も出てきます。そして彼らは、不正な扱いをされ、監督の戦術に順応出来なかったのだと主張するのです。

実際にブラジルでは大会は混乱状態であり、ブラジル全国選手権だけで 46節も行われ、更には世界中のリーグで例を見ないチーム数により開催されます。これには、参戦チームを増加させ本来の趣旨を損ねている他の大会であるコッパ・ド・ブラジルは含まれておりません。繰り返しますが、大会のハードなスケジュールにより、試合のリズムはゆったりとしたテンポになるのです。テレビでの試合観戦でも見受けられる事実なのですが、少々コンディショニング不足の選手でも多くのブラジルのクラブでは実践で通用します。

但し、日本での現状は異なります。年の初め、シーズンに備えて約 40日間に至るコンディショニングを目的とした合宿・練習が行われます。試合数は少なくても、試合内容はハードなのです。日本のサッカーに馴染める環境が整っていない訳ではありません。勿論、文化や言葉に関する問題は存在します。ピッチ上でのコミュニケーション、発言やチームメイトへのコーチングなどに関する多少なりの困難さもあります。私自身、来日時の鹿島で同様な難題に直面しました。でも、サッカーそのものが世界共通語であり、徐々に歩調が合わせられるのです。

しかしながらプロ選手として、この様な過失に対しての言い訳は通用しません。そして、結果は自ずとグランドで明確に現れます。ブラジルでは将来が期待され、傑出した存在の選手達が、日本では期待通りの活躍が出来ないのです。

現在では、日本のサッカーはブラジルのテレビでも放映されていた一時期の様な浸透度は無く、こちらで如何に活躍をしていても、セレソン(代表)へ収集される可能性は低いのです。日本への若き選手達の移籍への決心は経済的な面が深く関連づけられているのです。セレソン(代表)を視野に入れている選手達は移籍への決断を下す前に慎重に考慮すべきです。

但し、日本においてブラジル人選手の別の側面観も伺えます。進化を求め、自分の存在を確立すべく献身的に努める選手達は日本で報われます。中にはブラジルでは脇役又は無名だった選手達でもこちらでは傑出してチームのアイドルと化します。如何なる職業であっても、特にハイレベルなサッカーでは、変動への順応力、練習に臨む献身的な姿勢、そして苦境を乗り越える強い気持ちと常に向上心を求める心構えが、成功への基本的な要素なのです。

…ということで、また来週お会いしましょう!

ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

>一覧へもどる