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ブラジル全国選手権 ~ 持久力

[2004.05.04]

私が世界で最も険しい大会だと判断するブラジレイラォン(ブラジル全国選手権)が既に 4節を終えました。多くのサポーターが予期せぬ最悪な結果に仰天しており、その反面で幾つかのチームは既に首位争いに浮上しているのです。果たして、それ程までにサープライズ(意外な事、驚き)なのでしょうか?そうなのかもしれません。でも、実際に戦はまだ序盤戦であり、行く手は長く、ヨーロッパサッカー市場が動き出すこれからの2ヶ月が勝負なのです。私が今節までに拝見した限りでは、決して大きな番狂わせではありません。ブラジル全国選手権は約12チームの優勝候補を連ねて開幕をし、序盤戦で首位が入れ替わるのは至って普通なのです。正に実力の均衡化による結果でもあります。

ヨーロッパを観察してみますと、例えば今日曜日に優勝を決めた ACミランが属するイタリアでは、常に3~4チームが優勝に絡みます。ACミラン以外には、インターミラノとユベントスのみが順当なのです。その他はサープライズ(意外な事、驚き)とも言えます。スペインに至ってはバルセロナとレアル・マドリッドです。そしてイングランドでは、アーセナル、マンチェスター、リバプールであり、時たま他のチームが出現します。オランダでは、PSV アイントホーフェン とアヤックスなのです。更にはブラジルの隣国アルゼンチンでもリバープレートとボカ・フニオールスぐらいです!

ブラジルは数多くのチームがカップ(優勝杯)を手にするチャンスを秘めて参戦します。出場 24チームの内、15チームは最低でも一度は優勝を遂げているのです。比較的に安定してリオ・デ・ジャネイロとサンパウロを中心とした権威は変わらないものの、地方勢力は交替を繰り返し、過去には南部と北東部からも優勝チームが生まれています。

私は、公平に国のナンバーワンを決定するに相応しい、現在の大会形式であるリーグ戦方式の支持者だと常に強調しています。地方大会など、コッパ・ド・ブラジルやその他は異なる大会方式を維持してもかまいません。また、 24クラブという数字は多すぎ、これを減らすことは可能であり、必要なのだと主張し続けています。

本コラムの冒頭で、特に大きな番狂わせはまだ見受けていないと述べたのは、実際にリオ・デ・ジャネイロ州の各クラブの不調な結果がある面で以前から予測出来たからなのです。 4節を終えてリオ・デ・ジャネイロ州外のチームと対戦して、未だに勝利がないと言う事実は、ブラジル全国選手権史上において前代未聞のマイナス結果でもあります!そして、この件に関しては以前から触れていたことなのです。この現象は今始まった事ではなく、リオ・サッカー界の乱脈な政策が徐々にクラブのサッカーへと影響を及ぼし、衰えは明確となり、ブラジル全国選手権で他州のサッカーとの試合時に更にこの事実は際立つのです。コリンチャンスの現況も決して新奇なことではありません。サンパウロ州選手権の成果を見れば一目瞭然なのです。何と降格寸前という結果でした!

多くの関係者が、比較的に満足できる観客動員数やその他も含め、地方ライバル心に意欲を燃やしつつあります。素晴らしい事であり、私自身も好感を持っており、競争心の観点からもそれぞれの州大会は大変重要であると思っています。でも、全国大会の様な規模になると計画性と組織化を要するのです。 40節以上もの試合数を熱意と意欲で戦い抜くことなど決して出来ません。現在は、大会スケジュールがある程度は事前に設定されていることからも、しっかりとチーム編成に取り組まなければなりません。長期戦の大会では、数多くの節で主要選手を欠いての闘いを強いられる状況は逃れられないのです。そこで、安定性が最重要要素となります。そして、ミナス・ジェライス州のクルゼイロに関しては組織維持をしたことで既に結果が伴っているのです。

例えば、フラメンゴの場合は、他のクラブ同様に待ち惚けの状況です。更には代表の親善試合対ハンガリー戦に選出されたフェリッペ選手の欠場にも害されました。クラブに影響を与えない為にも CBF(ブラジルサッカー連盟は)は代表の試合日に大会の試合を開催するべきではありません。そして、フラメンゴはフェリッペ選手に依存している面もあり、この様なタイミングで本人の結婚式が行われないように相談すべきだったのです。ブラジル全国選手権では勝ち点1が大変貴重であり、フーブロ・ネーグロ(フラメンゴ)は未だ勝利を得ていないのです。

そして、全クラブが直面し共存しなければいけない問題が選手達の「 Exodus(大移動・脱出)」であり、何らかの対応策を再検討する必要があります。この件に関しては去年も起こった現象であり、今年は更に悪化する可能性があるのです。ヨーロッパのシーズンは一時中断をし、選手市場が活性化する今後2ヶ月間は欧州クラブがチーム編成の為に選手達を観察し契約をする期間となります。そこで、ブラジルで活躍をする若き 有能な選手達が 大会途中で 海外へと移籍して行き、幾つかのチームが基盤を損なってしまいます。だからこそ、関係者は要注意が必要なのです!

この様な状況からも伺えるように現時点で何れかの有力候補を予測するのは早すぎるのです。全試合が大変重要であることは事実ですが、 3?4連勝すれば全てが変化します。去年のゴイアスが最も良い例です。前期を最下位で折り返し、後期にはリベルタドーレス杯への出場権を争いました。現段階で上位チームに関して語るのが早すぎるのであれば、下位グループに関しても同様だと言えます。最も重要である、精神的なプレッシャーがチームに影響を及ぼす連敗だけは絶対に避けなければいけません。終盤戦に勝利への義務に対するプレッシャーを背負って戦うのはとても困難なのです。

ブラジレイラォン(ブラジル全国選手権)は言わば長距離競技のマラソンの様なものです。上位で終える為には良いスタートを切り、常に安定性を維持する事が大事です。でも、最も重要な要素は、終盤で息切れをしない為にフィジカル面も含め万全な準備を整えて臨むことなのです。やっと戦いの狼煙が上げられたに過ぎません!

それでは、ごきげんよう。また来週!

ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

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