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ZEBRA(ゼブラ)  番狂わせに非ず

[2004.04.13]

【ゼブラ:直訳=シマウマ、意味=番狂わせ・予想外の結果・思い掛けない結果】

スポーツ界に於いての実力の均等化と新たなるクラブ勢力の出現に関しては以前にもこのコラムで取り上げたテーマです。決して目新しい内容ではないのですが、実際に先週、ブラジル及び世界のサッカーで生じた幾つかの思いがけない結果が世界を仰天させました。多くの人々が、ヴァスコ・ダ・ガマとボタフォゴの敗北、サンパウロ選手権の決勝進出チーム、そして、レアル・マドリードと A.C.ミランの敗退をゼブラ(番狂わせ)だと判断をしました。果たしてそうなのでしょうか?実際にはこの現実に関して分析を行う必要があります。

現代サッカーでは、ピッチ内での試合では絶対的な優勢など有り得ないことを先ず強調しておかなければなりません。結果のみを考慮すれば驚くべき事実かのように見えるのですが、常時ヨーロッパ・サッカーを見守る者にとっては、ホームゲームで 3~4失点することなど決してアブノーマル(異常)な出来事ではないのです。特に、A.C.ミランのようにラ・コルーニャに対し大きなアドバンテージを得ることで、必然的に第2戦では下がり気味になり、裏目に出る可能性にさらされます。

テクノロジーの発達により、世界中の試合が衛星放送でリアルタイムや録画などで伝えられ、現在ではチーム間での新鮮さは失せたのです。差異するのは選手個人のタレント(才能)、又は、ユニフォームが持つ権威に対するレフェリーの解釈です。この二つのファクター(要因)はブラジル及び世界に共通するのです。 CFZ do リオでビッグクラブとの対戦時にレフェリーのジャッジに被害を被る事を肌で感じた経緯があります。判断に躊躇すれば、レフェリーはユニフォームの重圧に影響され、誤審によるワンプレーで試合の勝敗を決定づける可能性を秘めているのです。

サッカー界に於いて幸いにも、先週の結末はこの様な状況が招いたものではありません。レアル・マドリードのモナコ戦でのつまずきは、予想外の結果ではあるものの、実際にはフランスのクラブの献身的な取り組みの賜物でもあります。内容に値する公平な勝利なのです。ラ・コルーニャは既にスペインの強豪クラブの一員であり、 A.C.ミランに関しては決してゼブラ(番狂わせ)とは言いかねます。そしてブラジルでは、ヴァスコ・ダ・ガマとボタフォゴはピッチ内で期待に値する内容を展開しておらず、当然の結果を得たまでです。

そこであなたは疑問視するかも知れません。サンパウロ選手権でパルメイラスとサントスを蹴落とし、決勝進出を果たしたサン・カエターノとパウリスタ・デ・ジュンジァイーは一体どうなんだと?比較的近い過去にブラガンチーノとノーヴォ・オリゾンチーノが主役となり、同様の現象を巻き起こした経緯はあるにしろ、今回のこの事態を鵜呑みにすれば、正に意外な結末なのです。でも、アズラォン(サン・カエターノの通称)に関してはブラジル全国選手権準優勝、そして、リベルタドーレス杯準優勝の実績を持つ、既にビッグクラブの仲間入りを果たしているチームでもあります!あとは優勝というタイトル奪取のみです。そして、ジュンジァイーのチームは、殆どの人達にとっては無名ですが、実際には中期計画で組織化に着手してきたクラブなのです。

現代サッカーの現実は、誠心誠意仕事に専念し、精一杯汗を流す事です。同等な条件下での闘いにおいての結果は未知であり、いかに選手達に適合した戦術を用いて、チャンスを効率よく生かすかで、アドバンテージ(優位・優勢)を得る事が出来るのです。勿論、決戦の時には大抵の場合に経験と伝統は重要な要素でもあります。繰り返しますが、それはあくまでもクリーン(誠実)で適切なジャッジングが行われ、全員が精力を尽くし真剣勝負を挑める場合の事です。そして、ここアジアでも同様なのです。今後、日本も韓国も決して楽な試合など一切あり得ません。韓国は既に 2006年W杯予選で勝ち点を取りこぼすという大変苦い経験も味わったのです。

世界のサッカー界にはエリートと言われるチームが存在し、彼らはメディアの注目を引き付け、伝統という名の下でクラブを維持しているのです。そこに加わる新たなチームの出現、いわゆる、この限られたグループに対等に闘いを挑むべく頭角を現す事は大変困難極まりありません。そして、この様な事実も踏まえた上での先週の、サープライズ(驚くべき・仰天)とも言われるチームがチャンスで実力を発揮した事は興味深いのです。この出来事は、リオ・デ・ジャネイロ州選手権大会の2 ndステージで、フリグルゲンセがボタフォゴを破り、もう一歩のところでサッカー史にその名を刻みそうになったケースに似通っています。

ここで注視しなければいけないのは、トーナメント(負けたら敗退)戦や短期決戦の大会などでは、殆どの場合はモチベーションの高い中小クラブが有利に戦えるという事です。安定性がファンダメンタル(基本・重要)となる長期の大会では、最終的に経済力を有するクラブがアドバンテージを得るのです。とにかく私が重要視しているのは、このテーマが反響をもたらした故に本コラム取り上げているとのです。即ち、変革の兆しへの希望が持てるのです。例え組織が蝕んでいようとも

という事で…、また来週!

ウン・グランデ・アブラーソ!

ジーコ直筆サイン

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