ジャパンコネクション

信頼感と云う絆

[2004.02.10]

日本代表の2006年W杯予選へ向けての最終調整合宿も早3週目に突入しました。先ず、宮崎で選手達のフィジカル面を集中的に、体力測定及びフィジカル・コンディショニングを目的とした強化合宿を行い、その後、鹿島へと向かい、ボールを使ってのテクニコ(技術)とコレチーボ(紅白戦)を主とした練習に専念しました。そして、マレーシアに対しての4-0での圧勝よりも、本コラムを通して取り上げる数多くの要因により、グループ内での信頼感が高まって来ているという実感の方が収穫として得る事が出来たのでは無いかと確信しています。

東アジア大会を闘った選手達とほぼ同じメンバーで構成されたグループと今回引き続き生活を共に出来ている事はとても有意義なのです。日々の接触を密に行う事で、我々が打ち立てた方針がようやく実ったとも言えるのです。ヒエラルキーとリーダーシップを常に保つ事で、以前の消極的で遠慮深い姿勢をこの練習期間を通じ緩和出来たかのように感じます。積極的で前向きな雰囲気が現在では練習時に大変良い環境をもたらしているのです。

通常代表に与えられる2~3日間の合宿では、なかなか選手達個々と腹を割って会話をし、サポートする事が困難です。しかし今回は、数々の測定などを行いながら、日々彼達を見守る事でこの壁を乗り越えられ、今ではスムーズに修正点などを指摘し、補うべくアドバイスが出来、我々の趣旨が浸透したとの確信が持てた事で、彼達一人一人が成長出来るように常に専念出来るようになったのです。そして今後は、今回同様の期間が無くても彼達は自然体で我々のコンセプトを実行してくれるのだと信じて良いでしょう。

マレーシア戦での勝利は更にこの事実を確立する為に一役かってくれたのです。先にも述べた様に、相手が格下という事もあり、結果自体に対して言っているのではないのです。ここで、主張したいのは我々自身の姿勢なのです。チームが好調な時は、どんな相手に対しても自信を持って挑めるのです。その反面、緊張気味で挑むと、通常以上にプレッシャーがかかる局面では例え相手が格下であっても、思うようなパフォーマンスが出せず最悪な結果を招く可能性があるのです。今回の練習試合で感じたのは正にこの事なのです。チームは誠心誠意練習に専念した事で、試合での疲労も考えられたのですが、選手達は闘う姿勢をしっかりと最後まで保ち、安定した試合展開を披露してくれたのです。

ただ、今回残念に感じたのは、各クラブの良き理解があって成立する訳ですが、ヨーロッパ組の不参加でした。しかしながら、今回のベースである日本国内の選手のみで構成されたこのグループに絶対的な信頼をおいている事も強調しておきたいのです。ここで、以前にも言った事を再度繰り返します。もし、必要であれば彼達のみで2006年W杯予選を戦うことすら考えられるのです。

とかく、2004年は素晴らしいスタートを切ることが出来、そして、しっかりと根付いた、我々の仕事が実る時が近づいているのです。その第一歩は、今月18日の2006年W杯予選初戦であるホームゲーム対オマーン戦なのです。来週、オマーンも予選へ向けての最終調整を行っている事もあり、エドゥーが韓国へと偵察へ向かう予定でいます。アジアカップでのオマーンの結果を考慮すると決して侮れません。そして、初戦というのは常に普通以上の緊張感が伴う事もあり、オマーンはほぼ確実に一次予選での最大のライバルだと言っても決して過言ではないでしょう。

特にグループ全体の精神的な面を考えると、ここでの勝利は大変貴重な一勝だといえます。去年のコンフェデ杯以来、我々は選手達がミスを恐れず、独創性を持ち、自信を持ってドリブルを仕掛け、あらゆる判断を下す正確なタイミングが見極められるように、脳裏からプレッシャーを取り除くべく働きかけをしているのです。サッカーでは予測ができない突拍子もない事が起こり得るのも事実ですが、私は日々の我々の仕事に於いての進化に確信が持てるのです。

オマーン戦は、今回グループが一つとなってきた約4週間の締めくくりとなり、それ以降は再び限られた期間内での合宿に戻るのです。とは言え、日本サッカー協会は今年度行われる各試合に際し、日本国内組の選手達に関しては1週間の準備期間を与えてくれるとの保証をしてくれたのです。そして、W杯予選の開催日に合わせてJリーグは一時中断されるのですが、ヨーロッパ組に関しては相変わらず慌ただしい状況が継続します。更なる苦悩は、登録選手23人中、ベンチ入り要員も含め18人のみが試合に臨めると云うFIFAの規定により、試合当日に5人の選手を外さなければいけない事なのです。

但し、嘆く理由など存在はしないのです。逆に今は、我々の目標達成に向け、怪我や疾病などによる大事に至る事なく、前向きな姿勢でしっかりと挑める事を感謝すべき時でもあるのです。我々は対戦相手への尊重心を決して失わず、目標を見据え、闘争心を持ってゴールを目指すのみなのです。選手達の高い能力と献身的にハードな練習に真剣に臨む姿勢、そして応援してくれているブラジルの皆さんのパワーも得て、我々は必ず終着点へと辿り着く事が出来るのだと信じているのです。

それでは皆さん、また来週お会いしましょう!

ジーコ直筆サイン

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