ジャパンコネクション

新たなる歴史へのKICK OFF
CFZ de BRASILIA vs FLAMENGO

[2004.01.20]

その日、ジーコはジューニオルと共にマネー・ガリンシャ スタジアムのピッチ脇でフラメンゴの選手達の入場を微笑みながら一人一人握手で出迎えた。既に、隣には自分のチームである、CFZ de ブラジリアが入場を済ませ整列を終え刻一刻と迫るキックオフ時間を待ち望んでいた。フラメンゴとCFZ de ブラジリアのプロチーム対決は史上初であり、この二つのクラブに対する熱いパッション(情熱・激情)がジーコの心を二つに裂いていた。「ガリーニョ(ジーコの愛称)」には記念プレートが授与され、更にキックオフ直前にはサンペドロ(雨の神様)が1月の熱い夏の日を和らげてくれたのです。真夏の雨の中、キックオフの笛が鳴り響き、フェリッペのボーリタッチによって試合開始が告げられた。但し、数日前からこの様な天候が続いており観客動員にも影響を与えたのである。

この雨の中、CFZ de ブラジリアはフラメンゴ対決の新たなる歴史への記録を刻んだのです。そして、FW・ビスポがこの使命を受けて、試合開始後僅か2分で相手のゴールネットを揺らし記念すべき初ゴールを決めたのです。更にチーメ・カンダンゴ(カンダンゴ=ブラジリアの住民)は、試合前半25分にもFW・アレッサンドロ・ボカォンのゴールにより追加点をもぎ取ったのです。CFZ de ブラジリアは2度に渡りスコアを優勢に持ち込んだのだが、それでも、勝利の二文字を掲げてピッチを後にするには十分では無かったのです。巧みなプレーによる司令塔・フェリッペの活躍で、後半14分に逆転弾を決められ2対3でフラメンゴに敗れたのです。フラメンゴは、前半の17分にハファエオ・ガウーショと27分にジューニオル・バイアーノの得点で前半を2対2で折り返したのです。

試合自体は、双方にとって満足のいくものであり、公正な結果だったのです。今年はチーム強化に着手しているフラメンゴにとっては、何千万人のサポーター群集に対しての希望の勝利であり、そしてCFZ de ブラジリアにとっては大変困厳しい状況でこの僅差での敗退は悲観すべき結果ではないのです。我々は2度に渡りスコアを先行し、時間で云うと約17分間フラメンゴに対しアドバンテージを維持していた事になるのです。そして、チームはヘイナルド・グェルヂーネ監督の指揮の下、終始プレスへの意識を高く持ち、闘争心を強く持って挑んだのです。特に、中盤でのフェルヂナンドのゲームメークとFWのビスポとボカォンのゴールへの嗅覚が光った試合でもあったのです。

そして、フラメンゴ同様CFZ de ブラジリアも、今月25日に開幕する「カンペオナット・ブラジリエンセ(ブラジリア州選手権)」へ向けてチーム作りの真っ最中なのです。

【選評】
キックオフ早々の前半1分、先ずフラメンゴがFKによるチャンスをゲット。MFフェリッペがゴール左隅に上手くシュートしたボールをGKヒカルドがダイレクト・キャッチを出来ず、前方へ弾き危険を招きそうになったのである。そして、その直後に今度はCFZ de ブラジリアが素早い攻撃で前線へとボールを供給し、それを相手DFジューニオル・バイアーノがクリアミスを犯し、攻撃に参加していたFWビスポがすかさずこのボールを奪い、相手GKジューリオ・セーザルの足元にグラウンダーのシュートを放ち先取点を決め、1-0としたのである。この2チームに於ける初対戦での記念すべきファーストゴールをホームCFZ de ブラジリアが挙げた瞬間だったのです。

フラメンゴは先制されるも躊躇せず、攻撃へと転じて来たのだ。その直後、フラメンゴに同点のチャンスが生まれた。右からのCKに対し、DFジューニオル・バイアーノが失点のクリアミスを自ら打ち消すかのようにダイビングヘッドでボールを捕らえゴールポストに命中させたのである。前半09.分には、FWハファエオのハーフエアライン付近からのクロスが今度は直接ゴールバーに直撃。相手の強い攻勢は続き、前半15分には、MFフェリッペが右から鋭いシュートを放ちGKヒカルドのナイスセービングを誘ったのである。それでもヘイナルド・グェルヂーネ監督の指揮の下、チームは何とかその後も2分間持ち堪える事が出来たのだ。そして、フラメンゴの得点はデビュー戦を飾ったMFダ・シルヴァが中盤から駆け上がり放った強烈なシュートから生まれたのだ。GKヒカルドがこのシュートを弾き、飛び込んで来たFWハファエオ・ガウーショが一度は外すも、2度目のシュートを確実に決め、同点とされた。

フラメンゴがゴールネットを揺らし、まるで勢いは止まらないかの様に見えた。しかし、現実は違ったのだ。ルーブロ・ネーグロ(フラメンゴ)の支配力の優勢にも関わらず、CFZ de ブラジリアは、戦術への忠実とプレスに対する意識をしっかりと持って集中力を保っていたのである。そして、前半19分にはMFフェルヂナンドが右へのセンタリングを上げ、これをペナルティーエリア内でMFカルリンニョスがヘッドでゴールバーの上へ流すように捕らえたのである。あくまでも、CFZ de ブラジリアのこれからの展開へのリハーサルに過ぎなかったのだ。チーメ・カンダンゴ(カンダンゴ=ブラジリアの住民)は、しっかりとボールを繋ぎながら試合を運び、前半25分には2度目のチャンスが訪れ、これを確実にものにしたのである。右からのCKに、相手DFが再びミス、これをDFカルロス・アンドレーが逃さず捕らえゴールポストに当てたのだ。弾いたボールに、FWアレッサンドロ・ボカォンがフリーで素早く飛び込み、確実にゴールネットを揺らしたのである。

しかし、CFZ de ブラジリアは2-1のスコアを祝う間もなく、2分後にはフラメンゴの左からのCKでピンチ。DFジューニオル・バイアーノが今回はゴール脇に正確に力強くヘディングで押し込み、試合開始早々自ら犯したミスを帳消しにし、再び試合は2-2。中盤での攻防戦が続き、フラメンゴの優れたパスワークに対し、これをCFZ de ブラジリアは闘志で補ったのだ。そして、前半を双方のゲーム内容に値する正当なスコアで折り返したのである。

フラメンゴは後半、チームでテスト生として参加しているDFヂミーツリをDFジューニオル・バイアーノに代え投入して来た。後半に入り、雨も上がり「カピタウ・フェデラウ(首都)」に陽射しが戻ったのだ。

後半3分、先ず得点チャンスはCFZ de ブラジリアに訪れた。MFカルリンニョスが強烈なロングシュートでGKジューリオ・セーザルのファインセーブを誘ったのだ。3分後には、今度はフラメンゴが仕返しをするかの様に、FWハファエル・ガウーショのFKがゴール枠を僅かに逸れたのだ。その僅か1分後にも再びフラメンゴのチャンス。MFジュリアーノがエリア左への零れ球を拾い、飛び出したGKリカルドの裏のスペースにクロス、ディフェンダーがこれをクリア出来ず、FWジェアンが反応し透かさず左ポストすれすれにグラウンダーのシュート。

そして、後半14分にとうとうフラメンゴはスコアを覆す事に成功したのだ。素晴らしいパスワークからボールはフェリッペへと繋がり、これを弾丸シュートでゴール左隅へ押し込み、3-2で逆転。このアドバンテージがフラメンゴに落ち着きを取り戻させ、CFZ de ブラジリアのヘイナルド・グェルヂーネ監督は選手交代を強いられたのだ。MFカルロス・アルベルトに代え小柄のMFマルセリンニョ選手を投入。そして、フラメンゴのアベオ・ブラガ監督もテストも兼ねてベンチ入りして選手全員の投入を決意。先ずホージェルとハファエオ・ガウーショをテスト生でチームに参加中のDFニェオセンとFWフラーヴィオに交代。

試合は一時停滞気味になりCFZ de ブラジリアは更にアクションを起こす。2点目を決めたFWアレッサンドロ・ボカォンに代わりFWレオナルドを起用。後半途中には、ジュリアーノに代えイーゴル、ファービオ・バイアーノに代えジョナタスを投入、この時点でフラメンゴは既に5人の選手交代を行っていたのだ。そして更に、フェリッペに代えアンドレー・バイーアを入れ6人目の交代を行ったのである。ここ迄変更すればチームは特徴を失い、クォリティー(質)の低下は必然である。徐々にCFZ de ブラジリアは試合の流れを引き戻し、ゲームを支配し始めたのだ。後半30分には、レオナルドがスピードで突破しペナルティーエリア付近からシュートを打つも、GKジューリオ・セーザルに弾かれ、惜しくも同点ゴールにならず。

ヘイナルド・グェルヂーネ監督は更に双子の兄弟であるホドリゴ・メーロとヘナット・メーロを交代させ、ビスポをチアーゴ・ハーモスと交代させたのだ。同時にフラメンゴのアベオ監督はファビアーノ・エーレルに代えホビソンを投入。試合終了間際には、選手間による軽いいざこざが起こり不本意にもイーゴルが退場を命じられた。結局、スコアはこのままで試合終了の笛が鳴り響いたのである。

[公式記録]


■日 時 : 2004年01月18日(日) 16:20キックオフ
■会 場 : マネー・ガリンシャ スタジアム (ブラジリア)
■中 継 : RECORD TV ネットワーク
■試合結果: CFZ de ブラジリア { 2 ? 3 } フラメンゴ

■審判員 ⇒ 主審: マウロ・マルチンス
       副審: マッフヂソン・メーロ、リスレア・サントス 

■CFZ de ブラジリア (監督:ヘイナルド・グェルヂーネ) ⇒ リカルド、パトリック、カルロス・アンドレー、ホドリゴ・メーロ(後半23分→ヘナット・メーロ)、アデミール、ホベルチンニョ(後半26分→グィード)、カルロス・アルベルト(後半16分→マルセリンニョ)、カルリンニョス、フェルヂナンド、ビスポ(後半44分→チアーゴ・ハーモス)、ボカォン(後半19分→レオナルド)

■フラメンゴ (監督:アベウ・ブラガ) ⇒ ジューリオ・セーザル、ハファエオ、ジューニオル・バイアーノ(ヂミーツリ)、ファビアーノ・エーレル(ホビソン)、ホージェル(ニェオセン)、ダ・シルヴァ、ジュリアーノ(イーゴル)、ファービオ・バイアーノ(ジョナタス)、フェリッペ(アンドレー・バイーア)、ジェアン、ハファエオ・ガウーショ(フラーヴィオ)

■警告 ⇒ CFZ de ブラジリア: カルロス・アルベルト、グィード
      フラメンゴ: ハファエオ・ガウーショ、ファビアーノ・エーレル

■退場 ⇒ CFZ de ブラジリア: イーゴル

ジーコ直筆サイン

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