ジャパンコネクション

横並びの勢力図 グローバリゼーション

[2003.11.18]

以前にも取り上げたのですが、決して避けられないテーマなのです。私の最近のあらゆる局面からの観察と分析により、紛れもなく世界のサッカー勢力図は横一線を描きつつあるのです。サッカー大国とサッカー発展途上国との実力の差が日々縮まっている現実から目を背ける事は出来ないのです。このコラムで言った事を繰り返します。世界サッカーシーンに新たなる勢力が出現する日が近づいており、近々「驚き」が必ずあるのです。

動機は数多くあるのですが、先ずその兆しに付いて話します。「EURO 2004予選」ではレトニアが2002年W杯3位のトルコを下したのです。それもアウェイ・イスタンブールにおいてです!そして、スコットランドがオランダに勝利を収めているのです。オランダ自体以前とは違い低迷期間が続いているのも事実です。トーナメント戦でのウエールズとスロベニアの存在も見過ごせません。ロシア・スペイン・クロアチア戦を控えているとは云え、全代表にチャンスが残っているのです。これがヨーロッパ勢代表の現状です。クラブチームが戦うチャンピオンズリーグでも同じ様な現象が見受けられます。仮に、ブラジルがロベルト・カルロス、ロナウジーニョ・ガウーショ、ロナウドが体調不良、ドイツがカーンとバラック欠場、そしてフランスがジダン、アンリ、ピレス抜きで戦う事で、現在ヨーロッパで起こっている様な結果は驚きではなくなってくるのです。決して他の選手達にタレント性が欠けていると云う訳ではなく、いかに「クラッキ(名選手・天才)」と言われる選手達の存在がワンプレーで試合を決定づけることが出来るかなのです。サッカーでは、仮にタレント揃いの強豪軍団であっても、「クラッキ(名選手・天才)」不在で試合に臨む事で、チーム戦力に相応しくない結果を招く事があるのです。このような結果は珍しくはないのですが、実力差が平準化するにつれ際立って来るのです。

理論上、この様な分析は抽象的にも見えます。でも、前回のコンフェデ杯でのカメルーン代表の活躍ぶりを見てもわかるように、悲劇的なアクシデントに見舞われなければ、もっと良い結果を出せていた事でしょう。アフリカ勢は総合的な力を持っているのです。南米では、パウロ・アウツオーリ率いるペルー代表がブラジルに一泡ふかせたのです。彼は、ブラジルサッカーを知り尽くしており、この試合の為にチームを仕組んだのです。今では決して驚くべき結果ではありません。そして、近年ベネズエラが大きく進化を遂げており、コロンビアが犠牲になったのです。例を挙げれば限がありません。

こちらJ.LEAGUE 2ndステージでは激戦が続いております。何チームもが対等に上位に加わっており、一節毎に首位が入れ替わる状況です。一体何処が2ndステージを優勝するか等予測ができないのです。あと僅か2節を残し、いまだ8チームが優勝争いを繰り広げているのです。現段階では、ここ一番に強いジュビロ磐田が一歩抜きん出ているかのように思えますが、実際にはジェフ市原の方が残りカードが有利だとも言えます。

だからこそ、メンタル・トレーニング及びマインド・トレーニングが不可欠になってくるのです。目標を定める事で執るべき手段も決まってくるのです。多くの戦力的に不利なチームが試合を想定した戦略を練って戦いに挑むのです。このような試合運びはブラジルでは国民性も伴いあまり頻繁ではありません。但し、ヨーロッパではホームでチーム本来のゲームをこなし良い形で勝利を得、アゥエイでは自分達のサッカーを見失ってしまうと言うケースが日々コンスタントになってきているのです。戦術を変えて挑んで来る相手に対し同様に戦術を変更して戦う事により、結果大差で敗北を喫する事は普通に有り得る事なのです。

現在では技術を屈指し、インターネット、TV、チームのバーチャル・スカウト等の存在により、相手に不意を突かれる事等無くなったのです。正しく、グローバリゼーションなのです。サッカー水準も平均化しているのです。ブラジル全国選手権を見てみますと、コリチーバが突出したタレント性を有せずとも、現在4位につけており、チーム総合力でビッグクラブを相手にキッチリとチャンスをもにし金星を挙げているのです。サン・カエターノも同様、本大会での得点力不足にも関わらずリベルタドーレス杯出場権を視野に入れて戦っています。その反面、フラメンゴは既にただの脇役にしか過ぎません。ヴァスコ・ダ・ガマも同じ状況です。フルミネンセに関しては降格を免れるかの瀬戸際なのです。ここであえて計画性を持ったしっかりとしてビジョンに付いて語る必要は特にないでしょう。クルゼイロとサントスを例に挙げれば一目瞭然だと思います。

私は、第一に試合相手を考えてチーム構成をする監督では決してありません。相手が誰であろうと、一般的にはまずチームが試合に臨めるようにしっかりと仕上げる事を好みます。勿論、相手の弱点、試合戦術等のスカウティングはしますが、あくまでも最優先は我々がいかに自分達のゲームをするかなのです。効率良く実動に移す事によって必ず勝利の女神は微笑んでくれると信じているのです。

我々にとって、真のワールドカップへの道は来年の2月にスタートを斬るのです。そして、それへ向けての集大成とも云える最後の準備は12月に開催される東アジア選手権なのです。現時点では、W杯予選のカードは未だ決定していませんが、1stラウンドが一番危険であり注意をしなくてはいけないでしょう。今までのケースを考慮しますと、抽選はFIFAのランキングに基づいて行われるという事もあり、強敵との対戦の可能性が高いのです。絶対につまずきは許されないのです。1グループ4カ国で行われるという厳しい状況の中でミスを取り戻すのは大変困難な事なのです。2ndラウンドは、相手は紛れもなくレベルアップするのは事実ですが、上位2カ国が突破出来るのです。アジア・カップでの知名度の低いいわゆるサッカー小国の重要な勝利等は実際に危険信号です。正しく世界サッカー勢力は平均化の道を辿っているのです。
…と云う事で、みなさんごきげんよう!

それでは、また来週お会いしましょう。

ジーコ直筆サイン

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