ジャパンコネクション

フットサルの重要性

[2003.10.07]

ここ一週間、元職業仲間である偉大な二人のコリンチャンスとの契約締結が話題となりました。一人は元私のパートナーであるジューニオルの監督就任、そしてもう一人はリベリーノがテクニカル・ディレクターとして就任した事です。この二人の成功を心より応援して次第です。不思議な事に、私はサッカー選手の育成においてフットサルの重要性に付いて語りたいと思っていた矢先にこの情報を知り、書く決断を下しました。何故なら、この偉大なる二人のクラッキ(天才)はフットサルの経験者だと云う事を思い出したのです。我々の時代、リベリーノは若干年上ですが、このスポーツは当時「フッチボール・デ・サロン」と云う名称で、ルールも多少今とは異なり、ボール自体今より小さく殆どバウンドしない物を使用していました。この様な変化にも特性を失わず、ブラジルで生まれたこの種目は最もポピュラーなスポーツの一つと化したのです。フットサルは、常に狭いスペースでのドリブル、そしてショートパスや強烈なシュートを放つなど、とっさの判断を伴う反射神経が多大に要求される種目なのです。

私が挙げた数多くの得点はフットサルで得た経験のお陰だと思っています。フラメンゴでは、長い期間トップチームと平行して、アヂ―リオ、ジュリオ・セーザル、ジューニオル等とフットサルのチームを設けており、リオ・デ・ジャネイロ州の主なプロ選手達と共にSADEF(身体障害者友の会)主催のチャリティーゲームに出場していました。毎回と云って良いほどこのイベントが州の年間行事の終わりを告げたのです。ブラジル全国でも他の選手達が同様の習慣を持っていたのです。そして、あのペレ―でさえもフットサルに触れたのです!試合の特徴から考慮すると、前線でプレーする選手の方がこの二つの種目を上手く調和する事によってより良いアドバンテージを得る事が出来るのです。現代サッカーにおいてワールドベストプレイヤーの一人であるロナウドがその良い例です。彼の馬力あるダッシュ、そして短いドリブルに加え素早いシュート等がフットサルコートでの育成が重要かを物語ってくれるのです。他にも同じような道を歩んだ選手達を数多く挙げる事が出来ます。

フットサルがブラジルで生まれ、これほど迄にポピュラー化したのは、フィールドサッカーよりも、試合を行う会場の確保が比較的にシンプルだと云う事が理由ではないかと思っております。狭い面積、コンクリート張りのコート、そして小さいゴール2個でフットサルコートが比較的に低コストで完成するのです。道端であれ、学校であれ、子供達はフットサルが出来る場所を確保する事が難無く出来るのです。そして、チーム編成も楽なのです。10人集まれば試合は成立です!更には、ゲームエリアが狭い事もあり、体力に自身の無い方や年輩の方もチャレンジ出来、尚かつチームメイトも同条件であれば尚更です。フィールドサッカーでは走る距離も長く、コンディションが整っていなければ試合は成り立たず、決してフットサルの様にはいきません。

選手がフットサルのアドバンテージをフィールドサッカーで有効に生かす為には、両種目を並行してやる事が最も重要なポイントだと思うのです。コートで巧みな技を信じられない様に難なく披露するファルカォンとマノエル・トビアスがその例なのです。彼らはフィールドサッカーに挑戦し、色々な理由から成功を収める事が出来ませんでした。順応が困難なだけでは無く、コートで披露する技術を期待され、プレッシャーが重く圧し掛かるのです。マノエル・トビアスにとっては、世界ナンバーワン選手の肩書きが更に難関だったのです。

日本でも、フットサルは徐々に普及されつつあります。述べた様に、狭い場所で行うには最適なスポーツなのです。そして、更には季節の問題もあります。冬は厳しく、寒さだけではなく、天然芝は枯れてしまい土のグランドに変身してしまうのです。だからこそ、数多くスポーツセンターが点在しており、そしてここが唯一と云って良いほどスポーツが可能な施設、特に子供達にとっては最適なスペースなのです。人工芝のコートも国内では普通に選択肢として活用されており、フットサル愛好者は若者を中心に増え続けているのです。ここにもブラジルサッカーの貢献があるのだといっても決して過言ではないでしょう!そして、近い将来にはサッカー日本代表自体もこのフットサルの発展から多くを得る事が出来ると確信を持っているのです。フットサルの進化を担い、フットサル日本代表のコーディネーター及びか子供達へクリニック活動を行ってもらう為にセルジオ・サッポ氏を招聘したのです。彼は、ブラジルフットサル歴史に於いて偉大なる選手の一人であり、1989年に世界大会でブラジルが初優勝を果たした時の代表メンバーでもあるのです。そしてその素晴らしい経歴には世界クラブ選手権2連覇も含まれております。
サッポはブラジルフットサル黄金期を生きた選手なのです。我々が世界の主導権を牛耳っていた時代です。現在でもタレント溢れる選手達に恵まれており、フイニンニョやファルカォン、そして未だ現役のマノエル・トビアス等のプレーを一見すれば一目瞭然です。但し、チーム総合力では覇権を失いつつあるのです。最近の国際大会3回の内ブラジルは2度、現在ではプロリーグをも有するスペインに敗れているのです。ルール改定が多少試合自体の平準化を図ったのも事実ですが、主な原因はブラジルスポーツ界全体に荒廃しているオーガニゼーションとプロ意識の無さなのです。そして最終的に選手達は、この種目に真剣に目を向け投資し始めている諸外国へ渡りフットサルの技術を伝授するしか選択肢が無くなるのです。フットサルはオリンピック種目に加えられる可能性も高く、首脳陣達はこの現実を見極めるべく目を覚ます時期なのです。何故なら、我々はフットサルでも「ペンタカンペァオン・ムンジアル(世界選手権5回優勝)」であり、決してメダルのチャンスを見のがす訳にはいけないのです!

それでは皆さん、ごきげんよう…。また来週!

ジーコ直筆サイン

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