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MAGICAL FORM 魔法の方策

[2003.09.30]

遙か遠くから、私はブラジル全国選手権の大会方式に付いての討論を見守っているのです。現在、クルゼイロが大差でトップを独走している事でこのテーマは更に論争を巻き起こす事でしょう。貴方がどの様な意見を持っているかに関係なく、事実として言える事は、W杯5回優勝を誇る「フッチボール・ペンタカンペアォン・ムンジアル」は未だかって同じ大会方式を2年連続して繰り返えした経緯が無いと云う事です。世界最強とも言われるサッカー大国がピッチ外では依然として最良な大会方式を追求出来ていないというこの現実は到底許し難い事なのです。

今年度の大会自体が誤った構想の下進められて来たのです。まるで、現時点で目の当たりにしている状況を引き起こし、ワンステージ制はベストシステムでは無い事を知らしめるかの様にです。私自身は、各国の権威有る大会でも取り入れられているこの方式がベストオールタナティブだと思うのですが、考慮しなければいけないのはホーム&アウェイ方式で24クラブが参戦する大会は世界には例がないと云う事なのです。間違いは正にこのクラブ数であり、批判の対象となっている大会方式ではないのです。もしかしたら、これ程多数クラブが参戦し膨らんだ大会でありながらも、盛り上がり熱戦が繰り広げられる大変興味深い大会にしてくれる「魔法の方策」でも期待していたのでしょうか。だとすれば困難すぎる条件なのです!

今迄に、南米に於ける諸大会も含めシステムを試す機会は数多くあった筈です。例えば、コッパ・ド・ブラジルは負ければ敗退するトーナメント方式なのです。州大会ではグループによるリーグ戦又はステージ制等とありとあらゆる方式を実験済みなのです。国内最重要大会であるブラジル全国選手権は、今回同様のホーム&アウェイで戦い総勝ち点により優勝が決定するワンステージ制が最も相応しいと云うのが私の意見なのです。但し、最大18クラブにより開催される事が必須条件でもあります。ホーム&アウェイで戦う機会を与える事が最強チームを決めるにふさわしいのです。この設定により全出場チームにとって優勝争いを転じるチャンスが訪れるのです。ここで気を付けなければいけないのが、例えば大会終盤に、あるクラブがリベルタドーレス杯への出場権を確保する為には僅か勝ち点1を必要とし、ある一方でクラブが降格争いから免れる為にも同じく引き分けを必要とした場合、両チームお互いにリスクを負わないゲーム展開をする事で試合自体つまらない内容になる危険性が生じる事です。この様なシチュエーションは大会自体の信頼性の低下を招く可能性があるのです。過去にイタリアや更にはW杯ででも起こった状況なのです。

特にこの方式に固執する必要も無いのです。クラブ首脳陣、スポンサー、そしてファンの皆さんがあくまでも決勝戦を行うシステムにこだわるのであれば、Jリーグ方式の導入を推薦します。私は、今迄にあらゆる大会に出場し、そして計り知れない数多くの大会を観察して来ましたが、日本はシンプル且つ明確で解りやすい方式を見出したのではないかと思います。各ステージをホームorアウェイで争う2ステージ制、そしてステージチャンピオン同士による対決で年間チャンピオンを決定するチャンピオンシップ制度なのです。降格の対象にのみ年間総勝ち点が適応されるのです。日本はこの方式を改善しながら何年もかけ完成させたのです。更に、順位に同位が存在しない為、判断基準として第一に得失点差が適応される訳です。ステージ序盤で挙げた僅か1得点が最終的にタイトルへと導く可能性もあるのです。ステージを通じ終始真剣勝負なのです。如何でしょう。これも解決策ではないでしょうか。

このシンプルな秘訣によりJリーグは今年大変均衡が保たれているのです。1stステージは最後の最後まで行方が解らず4チームが優勝争いを展開しました。そして、2ndステージは現時点で8節を消化し、既に4チームが首位に入れ替わり、16チーム中7チームが優勝戦線に加わっているのです。1チームが首位を独走する事が大変困難な状況であり、不調により出遅れても十分に回復するチャンスがあるのです。同時に下位争いでは4チームが降格争いを転じており、最終的には2チームが降格します。結局、ほぼ全チームが何かを目標に戦い続けている訳です。

ブラジルの場合、最も安定したクラブが報われると云う公平なシステムを適応する為にはクラブ自体がベストな状態で組織化されていなければなりません。クラブ首脳陣達は、大会直前又は開催中に選手を獲得するのでは無く、しっかりと計画性をもってチーム編成を行わなければいけません。ここが重要なポイントなのです。リオ・デ・ジャネイロ州のクラブが今ブラジル全国選手権での不調の原因は正にここにあるのです。フラメンゴ、ヴァスコ・ダ・ガマ、フルミネンセの不振が大会方式とは何の関連も無い事をしっかりと明確にしておかなければいけないのです。如何なる方式の大会であってもリオ・デ・ジャネイロ州のチームは屈辱を味わっていた事でしょう。ボタフォゴとフルミネンセは過去既に降格を経験していますが、総勝ち点方式による大会での降格ではありませんでした。でも、残念な事にこの混乱状態はほぼ全国化しているのが現状なのです。そして、州大会でも波紋を呼んでいるのです。サッカーに於いて最大の魅力である「競争心」を取り除く様な処置をしてしまったのです。ライバル対決が観られないのです。この気の長くなるようなブラジル全国選手権でのクラッシコ(伝統的な)フラメンゴ対フルミネンセ戦など魅力が薄れてしまうのです。事実ライバルチーム同士の試合数が少なくなり過ぎたのです。ファンは街角やバール(一杯飲み屋)での話題に悩まされているのです。リオの場合、せめてもの救いとして、サポーター同士はお互いライバルチームの不調さ加減を皮肉る程度なのです。ブラジルサッカーのカレンダーの問題が頻繁に取り上げられます。でも、実際には意欲が欠けており、機能させるにはさほど難しい問題では無いかの様にも思えます。州大会に関しては、計11節ワンステージ制の総当たりの決勝戦を含む短期決戦が良いのではないかと思います。この方式を用いる事で地元ライバル意識は守れるのです。ローカル大会であるリオーサンパウロトーナメントは引き続き開催されても良いのですが、各州4チームの出場に抑えるべきであり、あくまでも短期決戦なのです。ブラジル全国選手権は既に述べた通り、18チーム参戦での開催です。セリエBに関しては、2チーム昇格制の最大24チームにより開催されるべきです。そして、セリエCはコスト削減を図る為にも地域別に展開するのです。全国を4地域に分け、優勝チームはセリエBへ昇格出来るのです。

考えても見て下さい。今年のセグンドーナ(セリエB)がハイレベルなパフォーマンスを披露しているのであれば、更にセリエAの6クラブが加われば一体どうなるかを想像して下さい。紛れもなく、大会自体が興行として収益アップに繋がり、選手達はモチベーション向上により現ブラジルサッカー状況を見越しての海外への脱出意向を考え改め、それに対してファンが観客席で応えてくれるでしょう。センスとそれにも増して強い意欲を持って臨めば、特に「魔法の方策」を探し求める必要性などはないのです。
それではみなさんまた来週!

ジーコ直筆サイン

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