ジャパンコネクション

アフリカの獅子達の真の実力

[2003.07.22]

先週、私は日本代表での一年間を振り返った際にアフリカ勢の近年の進化とゲームメークの要請について語りました。このプロセスは僅か21年間、正確には1982年のワールドカップ迄時代を遡れば明確になります。1982年はアフリカ勢のコンスタントな進化の兆しを垣間見る事が出来た年でもあります。アルジェリアの素晴らしい活躍が印象的且つ象徴的な大会だったと思います。アルジェリアは初戦ドイツを2-1で破り波乱を呼びました。2戦目オーストリアにはつまずくも、3戦目対チリを3-2で下したのです。ヨーロッパ勢2カ国共が試合の結果・得失点差で決勝ラウンド進出可能な状況を狙うかのように、ドイツがオーストリアに1-0で勝利を収めた事により結果アルジェリアは一足先に大会を去る羽目になってしまったのです。FIFAはあの当時、恥じるべき一戦に対し何らかの処罰をドイツとオーストリアに与えるべきだったのではないでしょうか。

1986年はモロッコ代表の活躍が傑出した大会です。ブラジル人監督ジョゼー・ファリアスの指揮の下、モロッコは予選ラウンドでは強豪イングランド・ポーランド・ポルトガルを相手に堂々の決勝ラウンド1位進出を果たしました。ベスト16では、ドイツ相手に主導権を握りゲームを優勢に運んでいる時間帯にマテウスにPKを決められ惜しくも敗退を強いられたのです。

1990年イタリア大会では、カメルーンが初戦アルゼンチンを素晴らしいパフォーマンスで1-0で破り注目を集めました。但し、この年はアフリカ勢の組織サッカーに対する意識の薄さが浮き彫りになった大会でもあります。彼らは試合の中で決定的な時間帯に組織的な動きができない事が常につまずく原因となり勝利を逃しているのです。準々決勝でカメルーンはイングランド戦を2-1でリードしているにも関わらず逆転を許し3-2で敗退してしまったのです。

1994年にはナイジェリアが頭角を現し、ベスト16のイタリア戦迄素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。再びアフリカ勢の組織的なうごきができない試合運び、即ち自由なサッカーと勝利に対する執念と責任感に欠けた姿勢が原因となり、4年前のカメルーン同様にナイジェリアは1-0でリードしながらも、対戦国がバッジオ率いる伝統国イタリアだと云う認識不足から逆転負けを喫してしまった。バッジオは後半44分とロスタイムに得点し、スコアを2-1とするのに僅かに2プレーで事足りたのです。

1998年大会は、1982年から継続していたアフリカ勢の各大会での活躍ぶりを覆すというべき意外な結果でした。ナイジェリアとカメルーンは失望的、南アフリカも特に予想通りの参戦のみ。収穫が無かったと言わない為にも、モロッコの存在を讃えたいと思います。モロッコは、不運にもブラジルがノルウェーに敗れた事により決勝ラウンドへの進出を逃し、全アフリカ勢予選ラウンド敗退という結果になってしまった訳です。

昨年の日韓共催の大会では、セネガルがアフリカサッカーの輝きを蘇らせてくれました。1990年のカメルーンの活躍ぶりを再現させるかの様に、初戦ディフェンディングチャンピオンのフランスをハイレベルな試合展開により1-0で下し、選手達のフィジカル面の強さとハイテクニック、更には守備面での改善も見受けられました。但し、チーム全体の成熟さが欠けているという部分があり、ベスト8の対トルコ戦で惜しくも敗退を喫してしまったのです。

成熟とプロ意識という面では、今回コンフェデ杯で準優勝を果たしたカメルーン代表にそれを感じる事が出来ます。バランスが良く統率が取れており、競争力のあるチームに仕上がっています。多くの選手達が海外、特にヨーロッパでプレーする事により以前アフリカサッカーに欠けていた経験及び闘争心等が身に付いているのです。

着実にアフリカ勢はワールドカップ王者を目指して発展しつつあります。その日は現実として確実に近づいているのです。近年のオリンピックに於いて2度にわたる金メダルを思い起こせば確信が持てます。1996年には、ナイジェリアが準決勝でブラジルを4-3、決勝アルゼンチン戦を3-2で破り優勝。2000年シドニーではカメルーンが決勝戦をPK戦でスペインを破り優勝を成し遂げています。

上記述べた内容の通り、アジアサッカーもアフリカ同様、彼らを参考に今後発展を遂げなければなりません。私は、日本人、そして海外でプレーしている選手達も含め、彼達が高いモチベーションをもって日の丸を背負い、闘争心とスピード溢れるサッカーでこの様な困難に立ち向かって行ってくれる事を信じております。勿論、組織的なうごきと個人の能力もしっかりと重視しながらやって行かなければなりません。もう既に今年、アフリカ勢と3試合がゲームメークされております。1戦目は8月20日に国立でナイジェリア戦。年末迄にはセネガルとカメルーン戦も決まっております。

それでは、また来週!

ジーコ直筆サイン

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