ジーコの部屋

Raca inesgotavel 疲れを知らない闘志

何事も難しい状況で試合がきつい時、私はいつもホンジネーリを思い出す。フラメンゴでの古い同僚で現在はサッカー監督をしている。彼はピッチの中でまるで疲れを知らないかのようだった。私たちは彼のプレーを見ては何事でも可能なのかという印象を持っていたものだ。彼を見ていて私は戦わない理由を見つけられなかった。彼の話はつきないが、あのヴァスコにヘッドで優勝を決めたゴールなどみんなが覚えている。今週は他の二つの話も紹介しようと思う。あまり知られてはいないが、私にはとても記憶に残っているものだ。 

1971年、マラカナンで行われたバングーを相手にしたあるジュベニール ( U-17 ) 選手権試合でのこと。前座試合、前半0-0で引き分けていた。試合は拮抗していた。ハーフタイムの時、ホンジネーリは第2更衣室へ手を洗いに入った。ところが洗面台が壊れた彼の上に落ちたのだ。ホンジネーリは手を切ってしまい出血が激しかった。私たちは驚いているのに彼は目を輝かせて“試合に行こうぜ”と言う。その時すでに彼は相手と競り合った時につけた傷で頭に包帯をしていたのだ!彼はそのまま血を流しながらピッチに戻り、何事も無かったようにライオンのごとく戦った。その姿は私たちを動かした。私も思った、彼がそうするならわれわれもやるぞ。そして私の得点で試合に勝った。   

幾人かの選手がホンジネーリを振り向いて言った。 

『 君は狂人か?そんな状態で試合にでるのかよ? 』

彼の返事はいつも同じだった。“やってやろうじゃないの、僕は調子良いよ”。そのホンジの闘志は選手から選手に伝わり、チームに伝染し、感染したあのフラメンゴがお陰で何度も勝つことができた。 

もうひとつのエピソードも忘れることが出来ない。ホジネーリが一度だけ頭でボールを止めたのだ。フルミネンセとの試合だった。局面はフラメンゴ・サポーターの目前で起きていた。リベリーノがボールをコントロールしてまさにシュートしようとした時だ、ホンジネーリはいきなり自分の頭をリベリーノの足めがけて突っ込み接触した。リベリーノはびっくりした。彼はまさかそんな事が起きるのを考えてもいなかったからだ。補欠選手のベンチ前、珍しい光景だった。リベリーノはホンジネーリの頭を思い切り蹴っていたかもしれなかった。まるで狂人沙汰である。マラカナンはまるでゴールが決まった時のように大いに湧いたね。

『 君はどうかしてるぞ、ホジネーリ!?僕は君の頭を蹴ったかも知れないんだぜ!?。 』  ピッチでリベリーノは見たばかりの場面にうろたえていた。 

だが、ホンジネーリは知らない顔をしていた。何も心配するふうでもなかった。私はこのようなプレーを何度も見てきた。度胸満点か、怖いもの知らずなのか。自分の体がでかいのもあってそれが心配させない関連性があるのかも知れない。  

彼はフラメンゴの歴史にただ入ったわけではない。そうしたプレーに対しサポーターから“闘志の神”というニックネームをもらったのもうなずける。


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