ジーコの部屋

Que enrascada! 訳がわからない!

かつて膝の大怪我をした時には、周りにいた人達や友人達が私を励ましてくれた。何とかして私を手助けしようと頑張ってくれていた。奇跡的に膝が治った話しとか、祈りだの儀式だのとあの手この手でそれは大変なものだった!私は早く回復したい気持ちはあったので、そういう人達をがっかりさせるつもりは無かったが、その内の幾つかの治療話を試してみた。

最初に断っておくけど、私はクリスチャンである。だが、他の宗教を否定する気は毛頭ない。それぞれが信ずるものを尊重するのはそれで良いと思う。現実には色々試して見たけれどもどれもたいした効果を表わさなかった。それでもそれらについて興味も湧き、面白さもあったので、このコーナーでそれを紹介したいと思う。 

誰からのアイデアだったかは覚えていないが、何人かで薦められた事であるのは確かだ。それは何やらプレ・ビオチックという宗派の一種で、その治療のためにサンパウロはサン・ロッキという所まで出かけた。ホテルかクリニックに泊まる予定だった。 

そこはリハビリセンターみたいな環境で、体重の問題がありそうな人達が沢山いた。自然は多く、食べ物は自然の産物からのものが多かった。そこの責任者は韓国人のドクター・ユンでプレ・ビオチックの提唱者だった。その理論は自然に根付いていて自然の法則に従えばそこから治療効果の基を摂り入れる事が出来るのだと言う。ドクターはとても紳士的でプレ・ビオチックは既に戦争でも使われ大変効果を上げていると言う。医者達は傷を負った人間の体を土中に埋め、顔だけを外に出して置く。それが驚くほどに効果を出していると言うのだ。

私はそこへ膝の治療に行ったのだ。総てが個室だった。ベッドがあるはずの場所は固い地面で木の枕が置いてあった。まず朝一発目の驚きだ!スピーカーからいきなり日光浴を浴びる準備をしなさいだと・・未だ朝6時の事だ!それでも起きた。窓も扉も開けて部屋の中にいた。そこでの指示は素裸になって1分間風に当たっていなさい、というだけだった。次にはガウンを着て20分。その後は1分間冷たいの、1分間は暑い風にあたる。それに散歩に体操。さて昼食は、・・・お皿には緑の葉野菜と根菜類だけ。

そりゃあそう長く続く訳が無いね。午後も同じ事の繰り返しだよ!それでも二日目だ。一晩よく眠れなかったので、三輪車を提供して貰った。いまだ冷たい、暑いのを繰り返したお陰か風邪の症状も現れていたのだ。それよりとてつもなく腹が減っていたね。長い間水ばかりのダイエットを続けていたから余計だった。そりゃもう拷問といっしょだった!自問したね:僕はここで何をしているのだ?

三日目には我慢が出来なくなり、ユン・ドクターを呼んだ。大変好意的な治療を施してくれたことを丁寧に感謝して、自分は帰る気持ちを表わした。彼は理解してくれ、エジバウドに電話をしてくれた。今ではエジバウドはもう亡くなっていないが、当時はセレソンの左ウイングで鳴らした選手だった。彼に迎えに来てくれるように頼み、"ここから出してくれ、僕は気が狂いそうだよ"電話口に短くそう伝えたものだ。あそこを出られた時には正直、凄く安心したよ。結局、あそこでは膝の痛み以外に腰も痛くなり、三輪車で這いずり回り、少量の食事で飢えてしまい、風呂といえば冷たい水しかないし、治療効果は?   

今では笑い話だ。色んな事を試してやってみたけど、結局、一生懸命、ちゃんとした医者の言う事聞いて、リハビリのトレーニングをして回復に努力しなければいけないのだ。怪我の時にはそれに魂を打ち込む事だ。




2004.9.15

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