ジーコの部屋

Peu conta historia ペウーは語る

以前のこのコーナーでペウーが主役になる話はまだ沢山あると私は言いましたが、今週も又特別に我等アラゴアーノ(ペウー)とのブラジルを旅行した最中での出来事を選んでみました。

ペウーは本当に純朴な人間だということはもう言うまでもありません。フラメンゴ時代にチームの中で大変面白いキャラクターであったのです。私達はよく彼をからかっていたのですが、それは彼のことがとても好きだったからです。ペウーは時折、真面目な顔でとんでもない話しをし始めるのですが、そんな時私達はそれをネタにしていつも面白可笑しくからかっていました。

とある合宿中の出来事。いつものようにサッカーにちなんだ話をそれぞれが持ち出しては語っていました。一人がやって来ては面白い話をし、また次に来たのが別の面白い話をする。私達はその都度笑い転げて楽しんでいました。その内にある監督の話題が始まりました。それを話すのはあの変わった仕草で話すペウーで、その監督があるチームに紹介された時のことを語り始めました。  

「みんな話は真剣だよ。笑い話しみたいだけど、だけど本当に真剣だ。僕の田舎では凄く話題になっていたよ。」

私達はもう笑いがとまりませんでした。最初からペウーの話はおかしいのは分かっていました。その話しというのはこういう話でした。

選手達はみんな芝の上に腰を下ろして座り、練習前の点呼を受けていた。

「カルリーニョス・・・カルリーニョス―  」監督が呼んでいた。 

「ハイ。」 ― 本人が '返事をしていた。 

点呼は続き、一人のその場に居ない選手の番になった・・・・・・ 

「ジョゼー・・・、ジョゼー・・・ジョゼー・・・ジョゼー― 」監督は二秒間ごとに呼ぶのを繰り返していた。

目を剥いて選手全員の名前を書いてあるリストを睨み、監督はジョゼー何とかを一分以上呼びつづけていた。座っている選手達はどうもおかしいと思いながらも聞いていたが、いよいよその難解に終始札を打つのに一人の選手が立ち上がり言った; 

「監督、監督・・・ジョゼーは今日来ていませんよ。このグラウンドには居ないですよ!」

ジョゼーの名前を呼び返事を聞くために起こした難問に取り返しつかなくなりバツが悪くなったのを誤魔化すつもりなのか、それとも誰かが本当の事を知っているとでも思ったのか、監督は更に収集がつかなくなりひどいことを言った;  

「彼は来ていないのか?じゃあ彼が来ていないのなら、来ていないと彼に返事をさせろ。」そして続けた。

「ジョゼー・・・ジョゼー・・・ジョゼー・・・」―それは延々と二時間近くも続けてやっと監督は諦めて他の名前を呼んだ。         

ペウーはその話しを驚くほど真面目に話していました。私達はその彼の表現の仕方「みんな本当なんだよ」の方が話しよりも可笑しくて随分楽しませて貰ったものです。 

偉大なペウー、偉大な人物でいつもこのコーナーで思い出させてくれる・・・・・ 

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