ジーコの部屋

Goleiro sofre キーパーは大変だ

ハウー・プラスマン、カンタレーリ・・・彼等と同じポジションの選手を何人も言える。ポジションの関係でいつも他の選手とは違うユニホームを着ている。彼等は試合の中で唯一手を使える。実際にはゴールを防ぐ為に手を使わなければいけない義務がある。そう、私はゴールキーパーのことを言っているのだ。何人かはあまり良い役目では無いと言うが、確かに彼等のいる周りは芝が伸びないね。それだけ酷使されるからだろう。多くのアタッカーがシュートミスする、ディフェンダーがクリアミスする、ハーフがパスミスをする事を思い返すが、チームが負けてピッチからうな垂れて出る時、ほとんどの場合に誰に責任が被せられる?それはゴールキーパーだ。彼等は見事なセービングを10回もしたけど、1回だけでもゴールを許したら・・・・・             

私が現役の頃はキーパーのポジションは一番大事だった。練習でも彼等と共にフリーキックの精度を磨いていた。

私がボールを持って行った時にはネットの前に立ちはだかる、それは大きな障害物でもあり挑戦させる意欲を駆り立ててくれた。私は彼等を尊重していた。だが、彼等がゴールのどちらかに寄っている時には容赦しなかった。私はサッカーの中で沢山の友人が出来たが、始めにも述べたようにキーパーも多かった。例えばカンタレーリ、現在私と日本代表のために働いている。         

今週はあるアマチュアチームのキーパーの話です。フラメンゴがブラジル国内を回っている頃のことだ。キーパーの名前は覚えていないが、試合はロライマで地元の選抜とやった時だ。 

二つのチームはレベルの違いが大きかった。前半には我々はもう4対0で圧勝していた。4点とも私のゴールだった。後半にはチームの内容を大きく変えた。パスを回して疲れないように戦い、結果はそのままで終わった。

この試合を巻き込んで面白いことが起きたのは翌日の出発の時だった。飛行機の出発時間をいつもフラメンゴに付いて歩くジャーナリスト達の横で待っていた。そこへ昔のでかいレコーダーを抱えた人物がグローボラジオの解説者、ルイス・メンデスに近づいてインタビューしても良いか聞いた。

その依頼に“チェ”(ルイスのニックネーム)は承諾した。そしてフラメンゴは前半で試合を決めた、とか後半はボールを走らせただけとか、何だとかコメントしていた。まだ試合は簡単だったなどと分析していた。 

それを聞いたレポーターはまだ不満で、メンデスに地元のロライマ選抜で何か気に入ったところはないかしつこく聞いた。解説者は社交的に話し、チームはアマチュアである事も指摘していた。

その頃にはレポーターも我慢し切れなくなってきてもっと具体的なコメントを待っているようだった。一息入れると、結論的な質問をまくし立てた。私達は距離を置いて眺めていた。   

「ルイス・メンデス、ゴールキーパーはどうですか?ロライマのゴールキーパーをどう感じましたか?」 吐き出した。  

メンデスは落ち着いて答えていた; 

「そうだね、前半のキーパーはとても小さかったね。ジーコはゴールの高い位置にシュートしたけど、キーパーが飛び上がってもバーに届いていなかったからね。だから頭上を越えるループ・シュートで3点取ったんだ。もう一つもフリーキックで彼の頭上を越えるものだった。後半になって別のキーパーが入ってからは少し良くなったね。」 

その答えにがっかりしたレポーターはマイクを引っ込め、イヤホンを外し録音も止めた。かなり落胆してか細い声を出して言った; 

「ルイス・メンデス、前半のキーパーは僕だったんですよ・・・」     

それを聞いた周りにいた者達は直ぐにその場から離れたのは言うまでも無い。その状況に笑い転げてしまった。誰が地元のレポーターがあのキーパーだったと思うかい? その場に戻った時、彼はもう消えるようにいなかった。 

ゴールキーパーというのは大変だ!このキーパーは二度も苦痛を味わったわけだ。


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