ジーコの部屋

Ferrugem em Paris フェフージェンのパリ

先週パリでのフェフージェンの話をする約束をしたね。約束は貸しにしてもらおう!今回は、ジョアン・カルロスが特に我々の主役・フェフージェンに仕組む必要も無かった。彼自身でややこしくしていたから。

前回紹介した水電話事件の後、フェフージェンは用心深くなっていた。彼はジョアン・カルロスがいつでも何か企むことを知ったからだ。そこで、出来るだけ彼に近づかないように心掛けていた。フェフージェンは休みの時間でも一人で部屋に閉じこもることが多かった。 

そんな状況での遠征中のある休日の午後、私とホンジネーリとジョアン・カルロスは連れ立って町の観光に出かけた。たまにはホテルから脱け出して外の空気を吸いに出かけるのも大事だ。でもフェフージェンは皆と一緒に出かける事に言い訳を作って辞退した。そして自分だけの数時間を作った。

おおよそ3時間ほどの時間は問題を起こすには十分だった。私達が部屋に帰った時、フェフージェンは冷蔵庫から飲料水の缶を取り出していてとても焦っていた。この「取り出す」ということを説明しよう。ホテルの冷蔵庫にはどの部屋にも同じものが置かれているが、我々の泊まったホテルは進んだシステムで、缶を取ると自動的に精算登録されるように出来ていた。

問題は一度取り出したものは元に戻せない事だ!コインを入れて物が飛び出す自動販売機と同じようなものなのだ。ホテルの冷蔵庫は少し違っていて、取り出すと請求書に載せられる。彼はフランス語など分からないから、次々と20品ぐらい取り出していた。3種類の清涼飲料など沢山あって私もよく覚えていない。覚えているのはベッドの上に缶やら、包みやら、どっさり乗っていて、フェフージェンが青くなっていた事だ。

「これは何だか訳が分からないよ。僕が冷蔵庫から取る度に元の場所に戻せないんだ。戻すのを手伝ってくれないか!」 

私にホンジとジョアンはもう笑いたくて死にそうだった。私達はフロントに連絡して開けてない商品については消費してない申告をすれば良い事を知っていたから。三人の間で素早く目配せをして何も知らない彼ひとつに企むことにした。

「オー、マイゴッド!フェフージェン!君は何て事をしたのだ。キャビアまで取り出して君はその値段を知っているのかい?それは元には戻せないのだよ。君は取り出したこの山の様な品物を全部払わないといけないぞ!」ジョアンが広報担当に早代わりして説明した。 

フェフージェンは大いに困ってあっちこっちと歩き回った。あれを全部払ったら一文無しになるので何とかそれを食い止める方法はないものか・・・・とぶつぶつ言いながら。そして品物を持ってチーム仲間の他の部屋を回り買って貰おうとし始めた。そこでフェフージェンに私達はどうしたら良いかを説明した。そう、開けて消費した物だけ払えば良い事を。そしてフェフージェンのアドベンチャーに又皆で大笑いしてしまった。

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