ジーコの部屋

Alta velocidade 高速

おおよそサッカー選手は速く陸上選手の様な能力を発揮する。それはもう私が現役の頃からそうだった。特にウイングやサイドバックで今日ではそれが普通であり、サッカーではもっとフィジカル面での要求は大きくなっている。
君は聞いたことがあるかどうか、サポーター席からある選手に「彼は走る,走る・・ けど陸上のチームの方が良かったね。」それか逆に選手がもう少しでボールに追いつくところだったのを「ああ、彼がもし100メートル・ランナーだったら・・・」。

本当のことを言うと私自身何度か仲間のロングパスに追いつくべく足を伸ばしたこともある。その時思ったね、全く仲間がそれこそ足が速ければ歴史は違っていただろうとね。数学の問題だ。マラカナンスタジアムのフィールドは長さが110メートル有る。-公式サイズ最大-そして100メートルランナーの世界記録はほぼ10秒を切っている。そうするとランナーは殆どボール に追いつくことになる。 プロとしてはそれを立証するする機会は無かった。ところが、1990年にブラジリアでスポーツ局長をしていた時、恒例の水曜日ペラーダを夜やった。それで日頃のストレスを解消していたものだった。大体は政治家や他のスポーツ選手が参加していたが、その日は陸上選手のロブソン・カエターノが居た。彼は100,200,400メートルのレコーダーで、2年前のソウルオリンピックでは100メートルを10秒で走り、5位に食い込んだ。またそれは南米 大陸記録でもある。現役バリバリだった。 。

その偉大な短距離走者は私のチームに入ったのを見て直ぐに囁いた。 「ロブソン、右サイドバックをやってくれ。私が前方にボールを出すから、絶対誰も獲れないよ。」 そうしてボールはそう良くない芝の上を転がった。フィールドは少し坂の中間に作られていた。最初にボールを前方に蹴ったら、ロブソンはダッシュした。 本気になって走っている。タダ、サイド前方とコーナー奥はライトが無く薄暗くなっていた。さて、我らのサイドバックは走って、走って、、、走って、、、、、、 ボールは見えるがロブソンはゴールラインから消えていなくなってしまった。 「オイ、ロブソンはどうした? あいつは何処までいったんだ?」私は先が見えないままに聞いた。

そしたら相手のデフェンダーはロブソンが戻るのは時間がかかる、と怒鳴った。 みんなプレイを止めて何事かと見に行った。そう、君が考えている通りだった。 ロブソンは余りにも速かったからボールを通り越して止まる事が出来ずにフィールドの端の坂を駆け下りてかなり遠くで止まった。今度は爆笑を止めることが出来なかった。誰かはそれこそ10秒切っているぞ、とふざけた者もいたが。

まあ、技術的な面で考えたようには上手く行かなかったけど、これだけは言える;誰もロブソン・カエターノを止めることは出来なかった。

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