ジーコの部屋

A correntinha do Peu ペウーのネックレス

いつもおっとりしていて気の良いペウー。ペウーはやはり俺達のチームメイトであり、焦ると口ごもる癖があった。別に病気ではないけど、きっとなかなか言葉が見つからなくなってしまうのだろう。

ペウーは自分の永遠のアイドルだったヂーダと同郷のアラゴアス出身。リオには80年代の前半に出てきたと思う。すごいのは首に極太の金ネックレスをしていた事。彼のお気に入りだった。

ペウーが来てから何ゲームか勝利が続いていたある日、ゲーム後ロッカー内で大騒ぎが起こった。ペウーが例の極太ネックレスが無くなったといってバタバタしていた。なんだかシャワーを浴びるまではあったとかでもう天地がひっくり返る様な大騒ぎだ。

ペウーはもうロッカー中ぐるぐる廻って探しまくっていた。“あー神様お許しを”そのネックレスはというとチームメイトの廻りまわって今や自分の手に。また一発かますしかない!

皆には何をやらかすか知らせてあったので、知らないのはお気の毒なペウーだけ。

そこでペウーが住んでいた合宿所に突然に TEL をいれた。そしてこう言った。

“おいペウー。俺はちょっとそのスジの者でね。実はお前のネックレスが俺の手にあるけどもし返して欲しかったらジーコのサイン入りのゲームシャツを用意すれば考えてやってもいいよ”

そしたらペウーはもう驚きまくって“あのすみませんでした。かならずジーコシャツを手にいれますのでよろしくお願いします。”だって。

もう死ぬほど笑いそうになったのを覚えている。その声が焦って口ごもっていてもう最高!

それで次の日に会うことにした。だいたい5時頃だったかな。合宿所はゲームの日は警察がいつも来てガードしてたけど、後輩にもちょっと協力してもらい、パトカーを横付けしておいてもらった。これを見たペウーは更にビックリして卒倒しそうになっていた。もちろん俺は合宿所には行かなかった。そしてその夜ペウーに電話してこう言った。“おいペウー。俺だがお前警察に話しやがったな。もうこっちも怒ったぞ。わかってんだろうな”そしたらペウーは焦ってもう泣きそうになり

“あののの すみまませせん。私が呼んだんででではありません。ぜぜぜったいに違います。”

“だって警察にはき今日はゲームがなななくなったんでもうカカか帰っていいと言ったのですがきき聞き入れませんでした。どどどどうかジーコのシシャツでかかかんべんして下さい”そこで電話を切った。

もう死ぬほどおかしくってたまらなくなり電話を切った。

次の日練習の時、“これ妙な奴が俺の家に持ってきてペウーに渡してくれって”って言ってネックレスをペウーに渡した。彼はもう声も出ない状態で笑ってやっとジョークを理解したみたいだった。まったく大した奴だよ。俺のアイドルヂーダもすごかったけど別の意味でペウーも大物だ。


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