ジーコの部屋

008 - Torcida Iluminada 照らされたサポーター

25年もサッカーをやてるとついもう全てを体験したり見てしまったりと思いがちになるものだ。自分でもそう思ってた。古い格言で“人生いつまでも勉強”とは良く言ったもので、'97年にその通りの事が起こった。場所はリオ州のピライ市だった。

市制160年を祝ってのシニアゲームで俺は古い仲間とピッチに立っていた。相手は地元のシニアチーム。ライト発電所のラジェス・アトレチコ・クラブのスタジアムでファンで満杯。前半俺達が攻めるゴール裏はその中でもファンがひしめいていた。まあスタジアムとはいっても、座席はゴール裏しかないんだけど。発電所のグランドでやるだけあって俺達もキラキラ輝いていた。もうキラキラ。とにかくアジーリオ、アドラーデ、クラウジオ、アドン等そうそうたるメンバーだからね。

前半はもうお祭り騒ぎの5-0、後半は当然コートチェンジなんだけど、ファンが動かない。もう片方のゴール裏は川が流れてるんでね。そんな具合でレフェリーが後半を始めようかとしたら、ファンが猛コール。俺等が引き続き同じゴールに攻めろって言うんだ。もう凄いコールなもんだから、関係者が俺等に何とかならないかと言ってきた。やっと両チームが納得して前代未聞の前後半同じゴールへ攻める事となった。長いプロの経験でも最初で最後の体験だった。

何しろ90分間フラメンゴサポーターのつめかけるゴール向かって攻めっぱなしなんだから。結果はゴールショーで終わるんだけど、ヌネス、クラウジオ、アドン、カルロス、アルベルト、カイオ、パウリーニョ、カリオカがゴールして合計8点、そしてジョルジーニョに捧げるゴールも飛び出し。めでたしめでたし。ファンも全部のゴールを目の前で見られたからもう大喜び。このゲームは忘れないよ。こんな体験をした人はあまりいないんじゃないかな。

>一覧へもどる