ジーコの部屋

Pes muito frios - II
不運を呼ぶ男 その2 伝説

先週はイザワの話をした。彼が鹿島アントラーズの試合を見るたびに負けていた。そして日本遠征をしていたフラメンゴ・マスターズにまで悪影響を与えていた。ジュニオールは肉離れを起こし、パウロ・セルジオも退場させられてしまった。我らの“レイチーニョ(ミルクちゃん)”は相当悪運が強く正直私はかなりがっかりした事もあった。そして彼が試合に行く事を何度も反対をした。

そりゃね、読者は冗談を言っていると思うだろう。でもそうじゃない。相手チームでさえイザワが私達を応援に来る事が判るとモチベーションを高くしたものだ。同時に私達のチームの選手達は負け腰になっていたのでは!?私の言う事が大げさかもしれないが、信じられない事がたくさん起きていたのだ。彼が試合に行くと言ったとたんに、もう相手チームに3点取られたと同じだと言う人もいた。みんなで何とか彼を試合に行かせまいとしていた。しかし全員じゃないかも知れない。いつも誰か同情する人がいたからね。それにイザワについてそんな事は無いと言う人もいた。

読者の中にも起きた事があると思う。どうもあの人を呼ぶと試合に負けるから呼びたくない、とか隣人を家に呼んでテレビで試合を見ると自分が応援しているチームがいつも負ける、とか。負けた時には必ずあの人や隣人が居たりする。まさに“レイチーニョ”がそうだった。 

ある晴れた日、私は彼と話していた。深く考えもせずふと言葉にしていた。 

「イザワ、気が付いているかなあ・・君は鹿島が勝った試合を見たことが無いだろう、絶対無いよ!君が試合を見に行くたびにチームは負けているよ。」 

しばらく空気が静まった。私自身言った事に確信は無かった。だが話のなり行きはおかしな方向へ進んだ。イザワは冗談だと受け止めて、私の理論を壊そうと考えていた。すぐに一つの事を思い出し話し出した。実はこれが彼の大きな間違いだったのだが・・・

「そりゃジーコ、あなたの勘違いですよ。以前に一度、浦和レッズとの試合で選手達と同じ飛行機に乗って移動したことがある。ドイツ人のブッフバルドにフランス人のボリもいた。絶対間違いないよ!それで僕らが勝った!。」

私はもっと確信を持ったような振りをして言った。 

「いや、いや。私は絶対あの試合には君が行っていないと確信する。確かに浦和レッズには勝ったよ、でも君はあの試合には行っていない。」 

行ったよ、いや、行ってない、行った、行ってない、・・・の繰り返しがしばらく続いた。私は始めから彼は試合を見ていたのを知っていた。だが、私は彼を丸め込んでみようと思った。周りで見守っていた人々も同じ結論に達したであろう。そしてその通りになった。イザワは考え、考え・・・鹿島の他の試合に行っていたことを思い出せず、勝ち試合を見たことが無い事を認めてしまった。

それからイザワの名前は広がり彼の伝説になるのは遅くなかった。誰かに質問されると自分から認める返事をするようになった。「そうなんだ。今日まで僕はスタジアムで鹿島が勝ったのを見たことが無いよ。」  

この後もまだ山のように“ペーフリオ”の話が積まれていく。私が先週のジーコの部屋で言ったように、“レイチーニョ”君はとてもいい奴である。彼をこんな話題でからかうのは楽しかった。だけど一つ注意することがある。彼はチームから離れていて貰いたい(笑い)!

訳=ペー・フリオ(冷たい足)は運の悪い人、特に試合などで見に行くと負ける貧乏神を背負ったような人のことを言う。

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