ジーコの部屋

004 - O falso malandro 見かけだおしのゴロツキ

保安官、ジョーズ、ベレーザ、ゴロツキ・・・これ等がDFモイゼスの数多いニックネームのいくつかだけど、本当はおしゃべりでよく皆を笑わせる自称ゴロツキのモイゼス、今日は彼の話を聞いてもらうことにしよう。

70年代後半ちょっとしたいたずらがチームの中で流行っていた。それはウォーキー・トーキーを持って歩いている奴等を俺とジュニオールが波長をその機材に合わせてさもラジオから流れる番組のふりをしてそいつの悪口をしゃべりまくるっていう感じ。

もうチッタなんて怒りまくって危うく喧嘩寸前までいったくらいで・・・いよいよモイゼスの番が回ってきた。  

彼のフラメンゴでのデビュー戦でマラカナンでのゲームの前日、前泊はサンコンハードだった。この時、友達のラジオアナウンサーのジルドに協力してもらって特別番組風に仕立てる具合に念を入れたんだ。ホンヂネリがモイゼスを車の中に誘い込んでラジオを付けたとたんにコウチーニョがインタビュー風に大げさに“俺の知っている唯一の保安官はジョン・ウォンだけだとか、モイゼスの釣った魚はスーパーで買ってきたやつだ”とかもうめちゃくちゃ・・・

隣で笑いをこらえるのが大変だった。そこで俺も入って“モイゼスなんかフラメンゴの選手とはいえない位ヘタで宴会芸人だとか、シュラスコパーティーの肉焼き係の為に特別に雇われただけだとか、もう思いつく限りの悪口を言ってやった。そしたらモイゼスは顔面蒼白で合宿所に戻ってミーティングまで部屋にこもりっきりでちょっと心配な位だった。チーム全員が冗談を知ってて奴だけが知らなかったんだ。

ミーティングの時間になってキャプテンのカルペジアニがまずマジ顔で「チーム内でとんでもない裏切り行為があった」と切り出した。「ジーコと監督が新しいチームメイトに対しての失礼な態度があまりにも度が過ぎて いる」俺も無言で監督もむっとした態度で発言拒否みたいな感じでシーンとなった。とにかく皆があまりにも芸達者で最高な場面。モイゼスは影からカルペジアニに対しもうやめてくれとジェスチャー送って大慌て。そんな事位でカルペジアニがやめる訳がなく、さらに増徴して全く許されざる行為だとか何とか言って大声でわめきたてる。モイゼスときたらもう失神寸前でぶったおれそうになっている。カスカンというチームの仲間がウォーキー・トーキーを持ってきてネタをばらして、初めてそれが全くの冗談だってわかった始末。自分だけがおりこうだと思ってたら大間違いですよ。ゴロツキちゃん。

>一覧へもどる