日伯友好カップ

チアーノ・ゴメス(ヴィトーリア下部組織ゼネラルマネージャー)インタビュー

[2024.09.16]

現在ヴィトーリア下部組織ゼネラルマネージャーを務めるチアーゴ・ゴメスは、数ヶ月前まで、リオデジャネイロ州4大クラブの一つ、ボタフォゴで下部組織コーディネーターをしていました。

今年、才能の宝庫と言われ、常に多くの世界的選手が発掘されるブラジル北東部のバイーア州で手腕を振るうことになったチアーノは、この大会の重要性を非常によく知るからこそ、リオ州、サンパウロ州、ミナスジェライス州以外からの、唯一の参戦を実現しました。

公式戦を終えた後は、鹿島、ノルテ、つくばとの練習試合も行い、お互いにこの遠征を最大限活かし合うことができました。

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■対戦相手として見た今年の日本勢のプレー

ジーコのこの大会に、ボタフォゴとして長年参加してきたことを、すごく嬉しく思う。今はヴィトーリアのために戦っているんだ。ここもビッグクラブであり、全国レベルで上位を争うクラブだから、この年代で国際大会に参加して、日本のチームと試合ができたことを幸せに思っているよ。

質問の答えだけど、日本はますます成長しているよ。チームとしても、個々の少年たちも。特に日本人の少年たちは、僕らブラジル人の少年たちに多くを教えてくれる。ピッチの中でのあるべき行動、選手としての姿勢、自分たちの指導者に対しても、対戦相手に対しても、尊重する気持ちなどね。それも僕らにはすごく大事なことなんだ。

日本の成長については、もう話す必要もないほどだよ。すでに非常に高いレベルにある。世界に通用するレベルだ。僕らは特に、日本代表がどんなふうにプレーしているかも見ているからね。

だから、少年たちにとって、毎年ここに来て国際交流をするのは、すごく重要なことだ。そして、ジーコがこの大会に参加する機会を与えてくれることは、全てのブラジルのクラブにとっても、日本にとって以上に重要なほどだと思っているよ。

■バイーア州から参加した意義

ヴィトーリアにとって、すごく重要なことだったと思う。ブラジル北東部のクラブから、つまりサッカーの中心地と言われる地域以外からの唯一の参加ができたことはね。だから、大きな喜びだったよ。

こういう大会で、違ったサッカー文化や、ブラジル国内の違ったクラブと一緒にやれる機会を、僕らの選手たちに提供できるんだからね。さらに、日本の3チームと親善試合をやる機会も得られた。

だから、この招待を得たことを光栄に思う。クラブディレクター陣と話して、ここに参加するために、ものすごく大きな努力をした。なぜなら、この大会の素晴らしさを知っているからね。この運営の素晴らしさを知っているから。ジーコがやっているんだから、日本ブラジル友好カップの成功は間違いないんだからね。

■日本の少年たちと指導者へのメッセージ

日本の人たちには、ジーコと一緒に、この大会を運営し続けていって欲しい。ここへ来ている少年たちの喜びを見るといいよ。この喜びを通して、僕らブラジル人は、日本の少年たちに何らかの学びを伝えることができる。そして、敬意を表したいのが、彼らが僕らに伝えてくれることも、必ずや、多いということだ。

僕はここに長年いて…、僕はリオデジャネイロ出身で、ジーコのクラブであるCFZで育成されたんだ。それで、24年間のこの大会の軌跡を、共に歩んできた。その思いと共に、日本の皆さんと鹿島の人たちに、大いなる親愛をこめて。

文=藤原清美、写真=Jorge Ventura

 

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ブランコ(ブラジル年代別代表総合コーディネーター)インタビュー

[2024.09.16]

元ブラジル代表として3度のワールドカップに出場し、1994年大会ではブラジルの優勝に大きく貢献した、往年の名選手ブランコ。現役引退後、長年ブラジル年代別代表の総合コーディネーターを務めている彼は、例年友好カップに足を運ぶ重要人物の1人です。今年も大会中、選手の視察と情報収集のために、CFZジーコサッカーセンターに通ってくれました。 ■ブラジル人の選手と指導者にとっての、この大会の重要性 重要なのは、この大会が世界サッカーの将来を決定づけるということだ。日本ブラジル友好カップはもう長年開催されていて、ここから多くの選手たちが頭角を表してきたんだからね。 サッカーの育成に関わる者として、ジーコにおめでとうを言いたい。運営の全てについてもそうだし、レベルの高い参加クラブを見ても、報道陣がここへ来ているのも、この大会が敬意を表されるものであることを表している。 ここは全ての始まりだと言えるんだ。ここで我々は素晴らしい大会、素晴らしい決勝、非常に興味深い選手たちを見た。機会を見て、年代別代表に招集しようと、すでに思えるような選手たちをね。 知ってる?もう実際これまでも、ここで見て、多くの選手を招集してきたんだからね。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura……

ゼ・マリオ(元・鹿島アントラーズ監督)インタビュー

1998年から1999年にかけて、鹿島アントラーズの指揮を執ったゼ・マリオ監督。これまで何度も友好カップに立ち会ってくれたのですが、今年はさらに、第2会場となったSAFERJ(リオデジャネイロ州サッカー選手組合)のトレーニングセンターで連日、全試合を見守り、CFZジーコサッカーセンターでの決勝では、ジーコと2人で試合中継の解説を務めました。そのゼ・マリオに今年の大会を振り返ってもらいました。 ■今年の日本のチームの戦いぶり すごく良かったよ。”また今年も”だよね。私は他にも数年大会に関わり、見てきたから言うんだけど、特に鹿島のチームはすごく良かった。私にとっても非常に気に入った選手たちがいた。例えば、チームのキャプテンである背番号40(※小笠原央)のようにね。 勝てなかったのは、例えば身体とフィジカル面に大きな差があったりするからね。この年代ではそれが非常に影響する。 それから、私は大会に参加した全てのチームを気に入った。決勝コリンチャンス対フラメンゴも非常に良い試合だったよ。だから、出場したみんなにおめでとうを言いたい。ジーコには今後もこういう大会をどんどん開催し続けて欲しい。 ■ブラジルと日本両国にとっての、この大会の重要性 とても大事だよ。と言うのも、一つの情報交換だから。しかも、経験を通した交流だから。それはとても大事なことで、特にこの年代では、勝つだけでもダメなんだ。もちろん勝つのはいつでも良いことだよ。少年たちにとって、勝利は必要だ。それによって得る感動が、ますます成長したいという意欲にも繋がる。 でも、日本とブラジルが真剣勝負をすることで、実在する違い…、やはり違いはあるからね、そこを実感することで、日本の少年たちがもっと成長する糧になる。 私はもっと年少から、もっと年長までのいずれにしろ、育成年代の大会を開催するのが好きなんだ。そうすることで、成長のために大事なことを、選手たちにより良い形で、より多く要求することができる。 そういうわけで、この大会で真剣勝負を続けていくことは非常に大事なことだ。それが日本サッカーの成長を大きく手助けすることになるはずだ。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura    ……

サントス(元・鹿島アントラーズ選手)インタビュー

サントスは1992年から1995年の間、鹿島アントラーズの創世記を支えた他、清水エスパルス、ヴィッセル神戸、ザスパ草津(当時)でも活躍した元Jリーガー。日本ブラジル友好カップでも、毎年会場に足を運び、日本のチームの戦いぶりを見守り、アドバイスをくれる大事な存在です。 サッカー監督でもあるサントスが、今年も連日じっくり観察した、アントラーズ3チームの印象を語ってくれました。 まずは、おはよう、こんにちは、こんばんは!ブラジルから日本に向けて話しているからね。 技術面で言うと、僕は今年の3チームを非常に気に入ったよ。準決勝、決勝に到達してもおかしくない実力があった。結果を出すことはできなかったけど、多くの選手たちについて、非常に良いと思って見ていた。 それに、戦術的には、彼らはこの大会でサッカー講座をしてくれたようなものだ。と言うのも、今年のチームは非常に良くオーガナイズされている。戦術面、チームプレーの面で見ると、技術委員会にはおめでとうを言いたいよ。 そして、個々の選手で言うと、非常に有望な選手たちが多かった。ここに来た選手たち、今年の友好カップに出場した多くの少年たちが、将来プロチームに昇格していくのは間違いないと思っている。鹿島でも、他のチームでも、世界のどこのチームであってもね。 そして必ずや日本代表に入る選手たちもいるだろう。彼らはそれに値するクオリティや、非常に大きなポテンシャルを見せてくれたからね。もし、良い練習ができて、それをポジティブに継続していければ、国の代表としてプレーできる。 それから、いつものように、彼らは大きなお手本を残してくれた。サッカーにおける品性、相手を尊重する気持ち、不正や反則のないフェアプレー。友好カップに参加している全てのチームやサポーターは、このCFZジーコサッカーセンターでの大会中、そういう姿勢にいつでも価値を置いているし、日本の少年たちの中にある、レベルの高い価値観や道徳観を認めているんだよ。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura……

鈴木翔尊選手(つくばキャプテン)インタビュー

つくばのキャプテンを務めた鈴木翔尊選手に、ブラジル遠征と大会出場を振り返ってもらいました。 ■グループリーグ3戦の感想 グループステージ敗退っていうことで、自分の目標は決勝トーナメントに行くことだったので、目標を達成できなくて、ちょっと悲しいです。自分としては、やれたことより、やれなかったことの方が多くて、体を当てる部分だったりとか日本人と全然違くて、そこにブラジル人の強さを感じました。 ■ブラジル人の選手やチームの印象 自分の弱みとしては、足が遅いっていうところなので、もっと早く予測を立ててプレーしていかないと、失点だったり、負けに絡んできちゃう、というのがありました。 ブラジル人は球際の強さだったり、勝負にかける気持ちだったり、やるところはしっかりやって、まぁ、オンとオフの切り替えではないと思うんですけど、そこの部分はすごいなと思いました。 ■この遠征の経験を活かして 自分は今、Aチームで試合に出られていない状況なので、もっとAチームに絡んで試合に出ていくために、もっとブラジル人の球際の強さを身につけたり、自分の弱みである足のところとか、予測のところを、もっと強くしていかなきゃな、と思っています。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura  ……

小笠原央選手(鹿島キャプテン)インタビュー

[2024.09.15]

鹿島のキャプテンを務めた小笠原央選手に、ブラジル遠征と大会出場を振り返ってもらいました。 ■グループリーグ3戦と準々決勝の感想 自分は、テクニックとかそういうところは磨いていて、ブラジル人の選手たちも足元のテクニックが優れているっていう中で、自分のドリブルが結構通用したとこもありました。 チームの出来たところっていうのは、自分たちの得意としている、チームでのプレスでボールを取ったりだとか、丁寧に近くでパスを回しながら背後を取ったりという、チームの連携プレーというのは、出せたと思います。 ■ブラジル人の選手やチームの印象 サッカーはやっぱり点が大事なスポーツという中で、相手はしっかり決め切るところだったり、守備のところでも、相手を倒したらファウルになることが多いから、そういうところで、足を出すのではなくて、相手を、ゴールを、防ぐような守備だったり、っていうのがすごく印象的でした。 ブラジル人の勝負に対するこだわりっていうのは、すごく感じたんですけど、自分たちとして出来ていたことは、相手の状況を見ずに、少し飛び込んでいくところだったり、1対1での勝負っていうのにすごく自信があるのと、ワンツーとかの対応っていうのは、自分たちの方が上だったので、もっと自分たちのサッカーというのを、追求できればいいなと思っています。 ■この遠征の経験を活かして ブラジル人はすごく能力が高いので、その中で素晴らしい経験ができました。勝ってる時の試合の進め方だったり、守備の時の迫力だったりっていうのは、自分たちが普段経験できないことです。移動とかを含めて、日頃経験できないことを、いろんな人のおかげですごく体験することができました。 これから高校に上がったとして、すごく能力の高い選手はたくさんいると思うので、こういう経験を忘れずに日頃から活かしたいし、この後も冬の高円宮杯っていう大事な大会が残っているので、今回、3年生は全員この遠征に参加することができたから、ここでの経験を活かしながら、絶対優勝できるように頑張りたいと思います。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura……

山中飛侑選手(ノルテキャプテン)インタビュー

公式戦を戦い終えた翌日、CFZジーコサッカーセンターでのヴィトーリアとの親善試合の際に、今回、ノルテのキャプテンを務めた山中飛侑選手に大会を振り返ってもらいました。 ■グループリーグ3戦と準々決勝の感想 自分としては、体の大きさとスピードっていうのを武器としていて、そこは通用する選手もいました。でもやっぱり相手が強くなってくると、特に最後の準々決勝フラメンゴ戦だったらもう、体の強さも全然違いますし、スピードが武器だったところも、すぐ追いつかれてしまったので、自分としては、そこだけじゃなくて、違うところも、もっと成長していくべきだなと思います。 チームとしては、グループステージ突破したっていうことは、素晴らしいことだと思うんですけど、やっぱり初戦ヴァスコダガマ戦で、0対4で負けてしまったっていうことと、グループステージ最後のサントス戦では、勝てる試合だったと思うんですけど、最後追いついて引き分けっていう形になりました。最初に失点したことで、自分たちの勝てる試合を逃してしまったっていうのは、自分たちのチームとして、もうちょいやるべきだったかなと思います。 最後のフラメンゴ戦では、自分たち全員、できることを全力でやったんですけど、個人として、そしてチームとして、まだまだ足りないところがたくさんあったのかなと思います。 ■ブラジル人の選手やチームの印象 やっぱり勝ちにこだわるとか、点にこだわる、ゴール際、球際、そういうところで、ブラジル人選手はそこに思い切って100%かけてやってきていました。そこは日本の弱い部分だし、自分も、もっとそこを活かしたり、もっと行くべきだったと思います。 ■今回の経験を活かして 日本に帰って全国優勝というのが、自分にとって今年の最後の目標なので、それに向かって、個人として、チームとしてやっていきたいです。自分はずっとチームに引っ張ってもらい続けていたのが、このブラジル遠征では自分が引っ張る側に立ちました。だから、この遠征で得たものを、日本に帰って活かして、日本では自分が引っ張って勝たせるつもりで、やっていきたいなと思います。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura  ……

鈴木修人・鹿島アントラーズアカデミーマネージャーの総括

アントラーズアカデミーの3チーム、鹿島、ノルテ、つくばが公式戦を戦い終えた後、鈴木修人アカデミーマネージャーに総括をお願いしました。 ■アントラーズ3チームの総括 規律があったり、ハードワークしたり、みんなで戦うというのが、まずアントラーズとしてのベースとなり、そこから勝利に向かうというところなんですけど、できた部分もかなりありました。ただ、これぐらいでいいだろうというところで、やっぱり勝敗を持って来れなかった。負けたところは、いつもの細かいところの積み重ねだと思います。 でも、精一杯頑張ってくれたと思っています。ただ、やっぱり決勝まで行きたかったし、優勝したかったので、どのチームも悔しさを持って、すごく良い経験ができました。ありがたい環境でやらせてもらって、感謝しています。 ■ブラジルのチームや選手の印象 まずブラジルは、最近はプロリーグを見てもそうなんですけど、こうやって対戦しても、みんな昔よりきちっとされていて、審判にも文句言わないし、紳士的にクリーンに、すごく良いサッカーをしているかな、という印象でした。 思ったより荒くなかったし、試合が壊れちゃうようなことはしない。みんなをリスペクトしてやってくれたので、非常に紳士的で、素晴らしい人が多かったかな、という印象です。 で、日本人はモビリティだったり、アジリティだったり、細かいステップだったり、フィットネス、そういうところで、ちょっと優位性があると思っていたので、出して、受けて、2対1で崩すとか、そういうところを言いながら戦いました。 ブラジルの選手は1対1だったり、目の前の相手に負けないっていう気持ちが皆さんありました。やっぱり1対1でボールを奪えたり、ボールを運べたり、シュート決め切るところが、日本に戻っての課題かなと。チームとしては戦えましたけど、個人で見ると、ブラジル人選手の方が、良い選手が多かったかなというふうに思います。 ■この経験をどう活かすか 僕らも、ジーコさんが育ててくれたクラブなんで、ブラジルっぽく一人ひとりの個人のスキルを高めようってやってきましたけど、まだまだ足りないというのを感じました。やっぱり、ゴールを決め切るということ、ゴールを守ること、結果にこだわること。U-15だと、“結果が全て”の年代になってきますし、大人のサッカーにならなきゃいけないと僕は思っているので、結果を出すこと。 ちょっとうまかったり、ちょっとボールを持っている、じゃなくて、点を取り切る、点を守る、そこにフォーカスして、結果にこだわって、これからやってって欲しいなと思っています。 ■選手たちへの言葉 非常に出来ていた部分も多かったし、持っているもの出してくれたと思いますけど、世界は広いよ、ということを言いました。 で、また世界にはものすごく良い選手もいますし、今は日本から海外に行く選手も多くなっているので、世界と戦うんだったら、これぐらいやんなきゃいけないよっていう、物差しを、さじ加減を、わかってきたはずです。 みんなJリーグで活躍して満足する選手たちじゃないので、この経験は非常に大きかったと思います。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura……

ジーコの第24回友好カップ総括

大会の全日程を終えた、表彰式直後のピッチで、ジーコに今年の大会を総括してもらいました。 ■アントラーズ3チームの健闘 今年は多分、他の年とはすごく違うものになったと思うよ。というのも、参加クラブがブラジルサッカーの1部に属している、レベルの高いチームばかりだったからね。だから、力が非常に均衡していて、アントラーズの3チームにとっては大きな経験になったと思う。 鹿島は非常に良いチームを連れてきた。多分、ここへ来た歴代チームの中でも、最高のチームの一つだった。ただ、幾つかのミスを犯したことによって、昨年のように3位決定戦まで到達することができなかったが、あのチームには鹿島のトップチームの良い将来に繋がる可能性があるのを見た。非常に技術力があり、クオリティが高く、確たる決意を持って臨んでいる。 ■アントラーズへのアドバイス 少し考えるべきだと思ったのが、練習のし過ぎということだ。長時間練習をしているが、サッカーとは試合で良いプレーをするために、長く練習すれば良いというものではない。適切な練習量を考えないと。特に、24時間かけて遠征してきた選手にとってはね。時差もある。自分の国にいるのと同じコンディションでやれると考えてはいけない。 選手には休息も必要だ。私が鹿島に関して感じたのはそこだった。こういうことを言うのは指導陣には申し訳ないが、オーバーワークだった。少年たちは、大会中に消耗を感じていたようだ。 ハードな試合を展開するためには、ブラジルも日本も、チームのレベルが同等でなければならない。私はこの4年後には必ずや、この両国のチームに、同じように良い選手たちと、良い指導者たちがいる状況になっていると思っているよ。 ■運営の成功 運営は非常に良かったと思う。(天気の神である)サン・ペドロが手助けしてくれて、大会中は毎日晴天に恵まれた。豪雨のためにピッチの状態が良くなかった昨年とは違い、ピッチは3面とも良いレベルにあった。みんなを、特に日本の人たちを良い施設で迎えることができたことを幸せに思うよ。大会中は全てがうまくいった。 鹿島とスポンサーの皆さんに感謝しなくてはね。協力者たちにも。そしてその裏には、ここにいる全てのスタッフの力もある。 この大会の成果によって、このリオから、また日本に戻る人たちはブラジルから、みんなが幸せな気持ちで帰路に着いてくれることを確信している。 ■優勝コリンチャンス コリンチャンスのプレーは優勝に値するものだった。決勝トーナメントは非常に良くて、クルゼイロ、ヴァスコ、フラメンゴという、タイトルを獲る可能性があるとみなされていた3チームに勝った。ヴァスコとフラメンゴは、グループリーグでも3勝し、コリンチャンスと対戦するまで最高の結果を出し続けていた。 だから、このコリンチャンスの優勝は、それに値する以上のものであり、おめでとうを言いたい。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura  ……

遠征最後のイベントはあのシュハスコ!

遠征中、アントラーズアカデミーの3チーム、鹿島、ノルテ、つくばの選手たちは、宿泊していたホテルで毎日ブラジル人と同じ食事をし、力をつけてきました。 そして、いよいよ帰国の途に着く夜。空港に行く前に、遠征で唯一の外食で打ち上げをしました。食べたのは、ブラジルと言えばこれ、というシュハスコ。串に刺した肉をテーブルで取り分けてもらう、ブラジル流の焼肉です。U-15の少年たちにとっては、また一つ、異なる食文化の体験になります。 大会総合コーディネーターのフェルナンド・バヌッチからは、3チームの指導陣に、参加記念の盾が贈呈されました。 みんな、本当にお疲れさまでした!この後は、ジーコをはじめ、大会に関わったブラジル人たち、日本から参加した指導者や選手たちのインタビューをご紹介します。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura  ……

アントラーズ3チームの修了式

第24回日本ブラジル友好カップ、公式戦を戦い終えたアントラーズの下部組織3チーム 鹿島、ノルテ、つくばは、遠征期間をフルに生かすべく、準決勝の日には、バイーア州から参戦していたヴィトーリアと親善試合を行いました。 決勝の日は、フラメンゴとコリンチャンスによる、その頂上対決を観戦。自分たちもそこに到達するために戦い、届かなかった場所。優勝を争うチームの真剣勝負は大いに刺激になったはず。 そして、ハーフタイムには、ジーコの息子であり、現在はCFZジーコサッカーセンター社長を務めるチアーゴとの修了式に臨みました。 チアーゴからは「毎年日本勢を応援しているよ。今年は、昨年の鹿島が到達した準決勝には進出できなかったけれど、強豪ばかりが集う大会で、鹿島だけでなく、初めてノルテもグループリーグを突破した。技術力をはじめ、本当に年々成長している。この経験を糧にこれからも頑張って欲しい」と激励の言葉がありました。 そして、一人ひとりに修了証書が手渡され、スタートの時と同じく、笑顔で大会参加が締めくくられました。 ★おまけ この大会の総合コーディネーターを務めるフェルナンド・バヌッチは、現在ジーコのブラジルでの相棒のような形でマルチに活躍する一方で、本来は監督・指導者。来日して、アントラーズアカデミーで指導をしてくれたこともあります。今回はその時のメンバーだった、羽田煌士郎、小笠原央、曽ヶ端輝、鈴木翔尊が、U-15に成長して、大会で嬉しい再会を果たしました。 文=藤原清美、写真=Jorge Ventura    ……

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