日伯友好カップ

ジーコの第24回友好カップ総括

[2024.09.15]

大会の全日程を終えた、表彰式直後のピッチで、ジーコに今年の大会を総括してもらいました。

Photo_20240915201102

■アントラーズ3チームの健闘

今年は多分、他の年とはすごく違うものになったと思うよ。というのも、参加クラブがブラジルサッカーの1部に属している、レベルの高いチームばかりだったからね。だから、力が非常に均衡していて、アントラーズの3チームにとっては大きな経験になったと思う。

鹿島は非常に良いチームを連れてきた。多分、ここへ来た歴代チームの中でも、最高のチームの一つだった。ただ、幾つかのミスを犯したことによって、昨年のように3位決定戦まで到達することができなかったが、あのチームには鹿島のトップチームの良い将来に繋がる可能性があるのを見た。非常に技術力があり、クオリティが高く、確たる決意を持って臨んでいる。

■アントラーズへのアドバイス

少し考えるべきだと思ったのが、練習のし過ぎということだ。長時間練習をしているが、サッカーとは試合で良いプレーをするために、長く練習すれば良いというものではない。適切な練習量を考えないと。特に、24時間かけて遠征してきた選手にとってはね。時差もある。自分の国にいるのと同じコンディションでやれると考えてはいけない。

選手には休息も必要だ。私が鹿島に関して感じたのはそこだった。こういうことを言うのは指導陣には申し訳ないが、オーバーワークだった。少年たちは、大会中に消耗を感じていたようだ。

ハードな試合を展開するためには、ブラジルも日本も、チームのレベルが同等でなければならない。私はこの4年後には必ずや、この両国のチームに、同じように良い選手たちと、良い指導者たちがいる状況になっていると思っているよ。

■運営の成功

運営は非常に良かったと思う。(天気の神である)サン・ペドロが手助けしてくれて、大会中は毎日晴天に恵まれた。豪雨のためにピッチの状態が良くなかった昨年とは違い、ピッチは3面とも良いレベルにあった。みんなを、特に日本の人たちを良い施設で迎えることができたことを幸せに思うよ。大会中は全てがうまくいった。

鹿島とスポンサーの皆さんに感謝しなくてはね。協力者たちにも。そしてその裏には、ここにいる全てのスタッフの力もある。

この大会の成果によって、このリオから、また日本に戻る人たちはブラジルから、みんなが幸せな気持ちで帰路に着いてくれることを確信している。

■優勝コリンチャンス

コリンチャンスのプレーは優勝に値するものだった。決勝トーナメントは非常に良くて、クルゼイロ、ヴァスコ、フラメンゴという、タイトルを獲る可能性があるとみなされていた3チームに勝った。ヴァスコとフラメンゴは、グループリーグでも3勝し、コリンチャンスと対戦するまで最高の結果を出し続けていた。

だから、このコリンチャンスの優勝は、それに値する以上のものであり、おめでとうを言いたい。

文=藤原清美、写真=Jorge Ventura

 

in [日伯友好カップ] |

< 前の記事へ | 最新の記事へ | 次の記事へ >