市川リオ遠征の第1期生、多田トレーナー
[2018.08.12]
昨年と今年、2年連続で、市川トレセンのトレーナーとして、友好カップに参戦している多田哲郎さん。
市川トレセンは、1998年の日本ブラジル友好カップ第1回大会から参加しているのですが、さらにその2年前から、リオに来て、練習と親善試合をおこなってきたという歴史があります。多田トレーナーは、そのリオ遠征の第1期生として、選手時代にも、ここに来ているのです!
選手とトレーナーという2つの立場、そして、96年と2018年の2つの時代を知る多田トレーナーに、話を聞きました。
僕らが学生として初めてブラジルに来た時は、もちろん、今の日本のJリーグと同じように、名門クラブがたくさんあって、あとは、街クラブがちょこちょこ、という感じでしたけど、今は結構、街クラブのようなところが沢山出てきていますね。それに、ブラジルの街の様子も、随分発展したな、というのが第一の印象です。
育成年代のサッカーでは、体格や足元の技術の、世界の基準が上がっているんです。その中で、ブラジルのサッカーでも、そのレベルが非常に上がったなと思います。フィジカル面を見ても、今の日本の中学生より、はるかに上に行っているものはあるかと思います。
僕が中学生で来た時も、ブラジル人のフィジカルコンタクトの強さと、足元の技術力が非常に高いなと思いました。後は、サッカーに対する意識、本気度に衝撃を受けたんです。
今も、サッカーに対する意識は、日本の中学生より、はるかに上だなと思います。もちろん日本も、当時に比べれば技術力があがっているし、サッカーの情報も増え、トレーニング法も確立されてきたと思います。その中で、子供達のサッカーに対する意識も上がったかなと思うんですが、ブラジルの子供達の方が、さらに意識が非常に高いなと。サッカーに対する思いだとか、戦う姿勢なんかは、僕たちなんかより、まだまだ非常に高いなと思います。
★日伯友好カップで学ぶべきこと
トレーニングの環境とか施設などにおいては、日本の方がすごく整っているように思うんですけども、今、日本のサッカーの事情としては、僕らがやってきた頃のように中学校の部活動に入るよりかは、上手な子がクラブチームに流れてしまい、部活の子達は置いていかれている、という現状が非常に強いんです。
それで、技術的にも、能力的にも、差があるような子達が多いんですけども、やはり、そういう問題ではなくて、自分自身のサッカーに対する気持ちだとか、意識が、今のこのブラジルの子供達と同じようになれば、また違った形で上回れるものがたくさんあるな、というのが、僕の中にはあります。
そういうことを、帰ってからはトレーナーとしていろいろ伝えたい。サッカーに関しては、こういう現状がブラジルの子達の中にはあるよ、というのを伝えたいなと思います。
この友好カップ、まだ残り2試合ある中でも、やはり、自分達のサッカーに対する意識というのを、強くさせたいですね。体に対するメンテナンス、ウォーミングアップやクールダウン、ボールを1つ蹴る技術においても、1つ1つ、ブラジル人の子供達が意識しているようなことを、もっともっと、彼らには真似させてあげたい。そうした意識を、もっともっと強くさせて、最終日には、この1週間で、ブラジルの子供達から非常に大事なことを学べたな、というような形に持っていきたいなと思っています。
・−・−・−・
多田トレーナーのこの日のもう1つの役割は、立岡監督でお馴染み、感謝のモデルです♪今日は市川のポロシャツに刻まれた、スポンサー企業の情熱をご紹介しましょう。
文=藤原清美、写真=Jorge Ventura / George Henrique