おめでとうアントラーズ、大会3位!
[2012.09.03]
大会最終日の第1試合は、3位決定戦。そうです、我らが日本勢から鹿島アントラーズが、大会史上初の栄誉を目指して、戦う日なのです。相手は、ボタフォゴ。3位決定戦にふさわしい強豪!
この決定戦に、ちっちゃなサポーターも駆けつけてくれました。ジーコの3男チアーゴの息子、つまりジーコのお孫さんアントニオ君です。
監督から、ピッチに入場するその瞬間まで「立ち上がりだぞ!」と念を押されて、送り出された前半。序盤はどちらかと言うと、アントラーズが優位にスタート。その後も、6連戦の消耗にも負けず、互いに決定的な場面を作り合い、しのぎ合う対等な戦いとなりました。
ハーフタイム。まずはキャプテンを中心に、選手同士の話し合い。賀谷監督はあえて、少し離れた場所で、じっと耳を傾けます。監督が口を開いたのは、最後の最後。「まずは最初の5分だぞ!」そして、円陣を組んで、もう1度、気持ちを一つして、後半へ。
後半も、互いに一歩も引かない、押しつ押されつの激しい攻防が続きます。そして、残り時間も10分を切った頃…。
宮本選手、値千金のゴール!
その後は、捨て身で怒濤の攻めに入ったボタフォゴに対し、その1点を守りきったアントラーズ。
そして、試合終了。1対0。アントラーズ、歴史を作りました。第15回日本ブラジル友好カップ、3位決定!
<試合>
アントラーズ 1×0 ボタフォゴ
GK 江藤
DF 宮本、垣田、中野、仲田
MF 千葉(須田)、町田、平戸、色摩
FW 木村(大里)、郷古(草野)、
アントラーズの得点者:宮本健太
★江藤将司選手の収穫
前半、押し込まれて危ない場面があったけど、そこをしのげて、しっかり勝てて良かったです。大会を通して、自分は止めるべきところを、止めることが出来て、チームはやるべきことを、普段と同じように、みんなでやれたから、ここまで勝ってこれたと思います。
ブラジル人はどん欲さとか違うし、ボールへの執着心とかいっぱいあったから、そういうところを、もっと日本でも同じように、ここでやったようにやれば、もっと勝っていけると思います。
この後は、まず高円杯で優勝して、将来は、プロになって活躍して、日本代表になるのが目標です。
★町田浩樹選手の収穫
今日は本当にどっちに転ぶか分からない試合で、みんなで集中して、最後まで戦いきれましたし、自分としても、高さでヘディングとかで勝てたので、良かったです。この大会を通しての勝因は、チームの団結力とか、気持ちの部分が大きかったと思います。
ブラジルの選手は大きいので、そういう相手への対応とか、やっぱりメンタルの面も大きかったし、それを日本でも活かしていきたいです。逆に、ブラジルは球際の強さが全然違うのを感じたので、そういうところは、練習からもっとやっていきたいです。
日本へ帰ったら、高円で日本一になることが目標です。そして将来は、プロになって、世界で活躍して、偉大なサッカー選手になることです。
★賀谷英司監督の総括
前半から、本当にいい入り方をして、最初、ちょっと攻められはしましたけど、全員で声をかけあって守備をし、ゼロで抑えたことは、大きかったと思います。後半に入っても、みんな声をかけながら、粘り強く集中力を保って、やってきたと思うんですね。
で、途中、何人か選手を代えて、多分、CKやFKがチャンスになるんじゃないかという形で見てたんで、本当にそういう形でセットプレーから、1対0で劇的な形で勝てました。最後の最後まで1点を守りきって、戦えたっていうのは、予選の3試合を含めて、選手達が集中力を保って、相手に負けないぐらいのスピリットを持って、戦ってくれた結果。それで、1対0で勝てたんだと思います。
この大会では、予選の初戦から入り方が良くて、チームが1戦ごとに、さらに結束して、まとまっていったっていうのが、この3位になった要因じゃないかと思います。
この大会15年目の日本とブラジルの交流の中で、今まで決勝トーナメントに行けずに、悔しい思いをしながら、来ていたと思うんですね。ここに来て、3位っていうのは、日本の力を示せたと思います。
もちろん、優勝を目標にしていましたけども、この3位っていうのは、日本にとっては優勝に等しい、歴史を変えた3位だと思っています。
<試合後>
見事3位の栄誉を勝ち取ったアントラーズには、ブラジルのテレビ局からの取材が殺到しました。ブラジル全土の強豪クラブが集う大会。注目度はそれほど大きいのです!
また、試合後には修了式が行われ、選手達は1人1人の名前が入った、修了証書を受け取りました。鹿島アントラーズの高島雄大・育成部長からは「日本で待っているクラブのみんなやご家族、友達への一番のお土産は、ここで起こったこと、ここで経験したことを、みんなにきちんと伝えることだからね。」と、今後の心構えについて、話がありました。
この後、アントラーズには歓喜の表彰式が待っています!
文=藤原清美、写真=Jorge Ventura / George Henrique